ウラハグサ 裏葉草

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Flora of Mikawa

イネ科 Poaceae ウラハグサ属

別 名 フウチソウ 風知草
英 名 Japanese forest grass, Hakone grass
学 名 Hakonechloa macra (Munro ex S.Moore) Makino ex Honda
ウラハグサの花序
ウラハグサの花序2
ウラハグサの節の毛
ウラハグサの葉鞘
ウラハグサ
ウラハグサ小穂
ウラハグサ小花
ウラハグサ葉表
ウラハグサ葉裏
花 期 8~10月
高 さ 40~70㎝
生活型 多年草
生育場所 山地の岩場、斜面
分 布 在来種(日本固有種) 本州(中部地方の太平洋側)
撮 影 寸又峡  12.9.12
和名は葉裏が葉表のように見えることに由来する。 英国でJapanese forest grassと呼ばれ、人気のあるガーデニング材料となっている。黄色や斑入りなど多くの園芸種があり、日本に逆輸入され、園芸店ではフウチソウと呼ばれている。長い根茎が広がり、群生する。茎は節で曲がり、節には短い毛が密生する。葉は長さ10~20㎝の披針形、葉裏を表に向けている。葉裏は緑色が濃く、光沢があり、葉表の方が色が薄く、葉の表裏が通常の反対になっている。長さ約10㎝の円錐花序に細い小穂を多数つける。小穂は長さ1~2㎝、小花が5~10個つく。小花には長さ4~6㎜の芒がある。果実は長さ2㎜。冬には地上部は枯れてしまう。2n=50

ウラハグサ属

  family Poaceae - genus Hakonechloa

 多年草。根茎は長く伸びる。匍匐茎がある。稈は直立し、長さ40~70cm。葉舌は繊毛のある膜質。葉身は披針形。花序は円錐花序、開く。小穂は単生。稔性の小穂は小花柄があり、小花柄は糸状、小穂は5~10個の稔性の小花からなり、先端の小穂は小花が無い。小穂は楕円形、側部が扁平、長さ10~20㎜、熟すと別れ、それぞれの稔性の小花の下で関節が離れる。小花のカルスは長い直軟毛がある。苞頴(glume)は宿存し、小穂より短い。第1苞頴(lower glume)は披針形、第2苞頴(upper glume)の長さの0.75倍、膜質、1竜骨、1~3脈があり、先は尖鋭形。第2苞頴(upper glume)は披針形、隣接する稔性の護頴(lemma)の長さの0.7倍、膜質、1竜骨があり、3脈があり、先は尖鋭形。稔性の護頴は披針形、膜質、竜骨があり、3脈があり、護頴の縁は縁毛があり、先は鋭形、芒があり、芒は1本。 内頴(palea)は護頴の長さの0.8倍、2脈があり、竜骨に縁毛がある。先端の不稔の小花は未発達でも稔年の小花に似ている。葯は3個。穎果は離生の柔らかい果皮を持ち、長円形。
 世界に1種だけあり、日本に分布する。

ウラハグサ属の主な種と園芸品種

1 Hakonechloa macra (Munro ex S.Moore) Makino ex Honda ウラハグサ 裏葉草
 日本固有種。本州(中部地方の太平洋側)に分布する。英名はJapanese forest grass, Hakone grass。別名はフウチソウ(風知草)。山地の岩場、斜面に生える。黄色や斑入りなど多くの園芸種があり、日本に逆輸入され、園芸店ではフウチソウと呼ばれている。
 多年草。群生し、根茎は長くなり、鱗片がある。匍匐茎が存在する。稈は直立し、長さ40~70㎝×直径1~1.5㎜、節は6~8個、節で曲がり、節には短い毛が密生する。葉は茎葉。葉鞘は口部に毛がある。葉舌は繊毛があり、膜質。葉身は披針形、長さ8~25cm×幅4~12mm、、葉裏を表に向けている。葉裏は緑色が濃く、光沢があり、葉表の方が色が薄く、葉の表裏が通常の反対になっている。花序は円錐花序、 15~20個の稔性の小穂からなる。円錐花序は開き、卵形、長さ6~12cm×幅5~7cm、少数の小穂をつける。円錐花序の一次枝は2本あり、枝はザラつく。小穂は単生する。稔性の小穂は小花柄がある。小花柄は糸状、無毛または縁毛がある。毛は上部と下部にある(基部と先端)。小穂は5~10個の稔性の小花からなり、先端の小花は無くなる。小穂は楕円形、側部が扁平、長さ10~20㎜、熟すと別れ、それぞれの稔性の小花の下で関節が離れる。小軸(rhachilla)の節間は長さ0.3~0.4㎜。小花のカルスは長さ1.5~2mmの長い直軟毛がある。苞頴(glumes)は宿存し、等長、小穂より短い。第1苞頴(lower glume)は披針形、長さ3~4㎜、第2苞頴(upper glume)の長さの0.75倍、膜質、1竜骨があり、1~3脈があり、先は尖鋭形。第2苞頴(upper glume)は披針形、長さ3.8~5㎜、隣接する稔性の護頴(lemma)の長さの0.7倍、膜質、1竜骨があり、3脈がある。第2苞頴は先が尖鋭形。稔性の護頴は披針形、長さ6~7mm、膜質、竜骨があり、3脈があり、護頴は縁に縁毛があり、下部は毛があり、先は鋭形、芒があり、芒は1本。主な護頴の芒は全体で長さ3~4.5(6)mm。内頴(palea)は長円形、護頴の長さの0.8倍、2脈があり、竜骨は縁毛がある。先端の不稔の小花は未発達でも稔年の小花に似ている。葯は3個、長さ2~3mm。穎果は離生の柔らかい果皮をもち、長円形、長さ2mm。冬には地上部は枯れてしまう。2n=50。花期は8~10月。
品種) 'Alboaurea' , 'Albo Striata' , 'Albovariegata' ギンウラハグサ =f. albovariegata , 'All Gold' , 'Aureola' キンウラハグサ(Golden Hakonechloa) = f. aureola Ohwi , f. alboaurea Ohwi シラキンウラハグサ , 'Beni-Kaze' , 'Fubuki' , 'Naomi' , 'Nicolas' , 'Samurai' , 'Stripe It Rich' , SunFlare™ , 'Sunny Delight'

参考

1) Flora of China
 Hakonechloa
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=110810
2) Plants of the World Online| Kewscience
 Hakonechloa
https://powo.science.kew.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:18159-1
3) World Flora Online
 Hakonechloa
http://worldfloraonline.org/taxon/wfo-4000016720;jsessionid=2332820D3319FBEC2AB4783269C888CC
4) World Checklist of Vascular Plants
 Hakonechloa
https://wcvp.science.kew.org/