チューリップ  
[別名] ボタンユリ、ウコンコウ(鬱金香)
[中国名] 郁金香 yu jin xiang
[英名] tulip , garden tulip , Didier's tulip , Gesner's tulip
[学名] Tulipa gesneriana L.
Tulipa sp.
ユリ科 Lilium  チューリップ属
三河の植物観察
チューリップの花黄
チューリップの紫色
チューリップの白色
チューリップの橙色
チューリップのピンク色
チューリップの雄しべ
チューリップの雄しべ2
チューリップの雄しべ3
チューリップの葉2
チューリップの葉3
チューリップ
チューリップ葉
 チューリップはよく栽培されている普通の花である。よく見るとその種類の多さに驚かされる。全体の大きさ、花の色、花弁の数や形、雄しべの数や色、雌しべの色や形などを観察すると違ったものが非常に多い。
 和名はボタンユリという。今ではほとんど使われず、チューリップと呼ばれている。チューリップ属は北アフリカ~アジア~ヨーロッパの主に中央アジアと地中海沿岸地域の温帯に約150種の野生種が分布する。チューリップの栽培はトルコで古くから行われ、トルコから ヨーロッパへ伝えられ、ヨーロッパでも栽培が盛んに行われた。ヨーロッパから広められ、世界で広く栽培されている観賞用の栽培種がTulipa gesnerianであり、原産地は不明である。今ではトルコ、ヨーロッパ(フランス、スペイン、イタリア、ノルウェー、スイス、ロシア)などで野生化している。日本へ渡来したのは江戸時代の後期といわれ、大正時代に新潟県や富山県で球根栽培が始められたとされている。今では富山県が日本一の球根出荷量であり、多数の日本産の新品種もつくられている。Tulipa gesneriana以外の既知の原種を基にした園芸品種も多数あり、それらも含めてチュ-リップと呼ばれている。チューリップの生産はオランダが世界一であり、世界のチューリップ球根生産量の60%を占めている。
 Tulipa gesneriana .鱗茎は直径約2㎝の卵形、薄皮は紙質。葉は互生し、3~5個つき、長楕円状披針形~卵状披針形、長さ10~21(30~65)㎝、幅1~6.5㎝。根生葉は2~3個、幅が広い。茎葉は1~2個。花茎は高さ35~55㎝、花は茎頂に単生する。花は直立し、杯形、花弁は6個、倒卵形、長さ5~7.5(3.8~8.2)㎝、白色、黄色、橙色、ピンク色、赤色、青色、紫色など。雄しべ6個、離生。葯は長さ0.7~1.3㎝。花糸の基部は幅が広い。雌しべは長さ1.7~2.5㎝。花柱は3裂。2n=24,(36, 48)
 世界中のチューリップ品種はオランダ王立球根生産者協会Anthos(アントス)では15種類に大きく分類し、日本でもこれに従って分類されている。品種は5600種以上にも及ぶ。
 --------早咲き----------
   開花は4月中旬、小型のものが多い。
 (1)Single Early:SE(一重早咲き)
 (2)Double Early:DE(八重早咲き)
 --------中生-----------
   開花は4月下旬、中~大型のものが多い。
 (3)Triumph:T(トライアンフ)
 (4)Darwin Hybrids:DH(ダーウィン・ハイブリッド) 
  一重晩咲きと原種(主にフォステリアナ)とのハイブリッド
   ウイルス病に強く、園芸品種が多い。
   ・Tulipa 'Claudia' ディープローズ~紫色、縁が白色
 --------晩生-----------
   開花は4月下旬~5月上旬。草丈は高いものが多い。
 (5)Single Late:SL(一重晩咲き)
 (6)Lily-flowered:L(ユリ咲き):花弁の先が尖り、反り返る
 (7)Fringed:FR(フリンジ咲き):花弁の縁がギザギザになる
 (8)Viridiflora:V(ビリデフローラ):花弁の中央が緑色
 (9)Rembrandt:R(レンブラント):花弁の色がモザイク状
 (10)Parrot:P(パーロット咲き):花弁の縁に切れ込みやねじれ
 (11)Double Late:DL(八重晩咲き):ボタンのような八重咲き
 --------原種-----------
 (12)Kaufmanniana:K(カウフマニアナ)
  ●Tulipa kaufmanniana  カザフスタン原産
   野生種はカザフスタンの天山山脈西部の石の多い草地。
   water-lily tulipといわれる。
   開花が早く、多くの花色がある。
   基部は黄色。葯は黄色。
 (13)Fosteriana:F(フォステリアナ)
  ●Tulipa fosteriana  タジキスタン、アフガニスタン原産
   ザラフシャン山岳地帯に自生する。
   栽培種はEmperor Tulipsと呼ばれる。
   開花が早く、高さ25~50㎝。
   (4)Darwin Hybridsの主な原種
 (14)Greigii:G(グレイギー)
  ●Tulipa greigii カザフスタン、キルギス原産
   高さ15~40㎝。葉に紫の斑が入るものが多い。
   花は赤色、黄色、白色など、基部に暗色のしみがある。
   花被片が大きく開き、先が尖る。葯は黄色。柱頭は黄色。
 (15)Other Species:S(その他の野生種)

その他の野生種の一部
●Tulipa humilis イラン、トルコ、アゼルバイジャン原産
 花はピンク色で中央が黄色。花被片は先が尖る。雄しべの葯や柱頭は黄色。多彩な非常に多くの園芸品種があり、Tulipa aucheriana 、Tulipa pulchella 、Tulipa violacea はこの種に含められている。
●Tulipa linifolia ウズベキスタン、アフガニスタン、イラン原産。高さ20㎝以下の小型種。花は鮮やかな赤色で基部が黒色を帯び、花弁の先が尖る。葯は暗紫色。
●Tulipa saxatilis ギリシャ、トルコ原産
 卵形の球根、長さ2~3.5㎝、幅1.5~3㎝。葉は2~3個つき、長さ38㎝以下、幅4.5㎝以下。花は普通1個、まれに2個。花は鮮ピンク色、シャープな境界で、中央が黄色になり、斑点がある。3個の外側の花弁は長さ38~53㎜、幅9~18㎜。内側の3つは幅が広い。雄しべは基部に毛があり、葯は褐色~黒色、長さ4.5~7㎜。。蒴果は上部に粗い十字の脈がある。開花は3~4月。2n= 24, 36 の2倍体、3倍体。
●Tulipa praestans タジキスタン原産
 パミール高原のアライ山の岩の多い斜面に自生する。花は鮮赤色(scarlet)、杯形。 強い種であり、長命であり、20年以上の報告もある。多くの園芸品種があり、'Fusilier'は1球根から7個の花をつける。葯は赤褐色、reddish-brown
●Tulipa dasystemon 中国、カザフスタン、キルギス、ウズベキスタン原産。球根は卵形、直径1~1.5㎝。茎は長さ10~15㎝。葉は2個、線形、幅0.5~1.5㎝。花は単生、花被片は乳白色~淡黄色、披針形~長楕円状卵形、長さ2~2.2㎝、幅5~10㎜、外側の花被片は紫緑色がつき、内側の花被片には外面の中央に紫緑色の縦縞が入る。2n=24,48
●Tulipa orphanidea トルコ、ブルガリア、ギリシャ原産。高さ15~30㎝、花は1~3個つき、鈍赤色~橙赤色~橙黄色、外側の花被片に緑色~黄色の筋があり、中央に暗色のしみが出る。花被片の先が尖る。葯は褐色~暗緑色。
●Tulipa biflora (Tulipa polychroma )カザフスタン、トルクメニスタン、アフガニスタン、イラン、イラク、トルコ、パキスタン、ウクライナ、旧ユーゴスラビア原産。小型種であり、高さ6~17㎝。葉は1~2個つき、細長く、溝があり、暗緑色、茎より長い。花は普通1個、杯形、白色で中央が鮮黄色。花被片は6個、長さ3~4.5㎝、楕円状又はわずかに尖り、先が赤色を帯びることがある。外花被片は幅0.3~1.5㎝、外面は淡灰緑色。内花被片は幅2.5㎝以下、外面の中央にかすかに青緑色の縞がある。花糸と葯は黄色。花期は早く2月から。
[花期] 4~6月
[草丈] (15)35~55㎝
[生活型] 多年草
[生育場所] 栽培種
[分布] 帰化種 栽培種  原産地不明
[撮影] 豊橋市      15.6.13
TOP Back