ツユクサ  露草
[別名] ボウシバナ、アオバナ、ツキクサ(着草)
[中国名] 鸭跖草 ya zhi cao
[英名] Asiatic dayflower , common dayflower , blue dayflower
[学名] Commelina communis L.
ツユクサ科  Commelinaceae  ツユクサ属
三河の植物観察
ツユクサの花
ツユクサの花横
ツユクサの黄色の仮雄しべ
ツユクサの葉鞘と茎
ツユクサの花序
ツユクサの花序(花後)
ツユクサの果実
ツユクサ苞に包まれた熟した果実
ツユクサ果実の中
ツユクサ果実の中
シロバナツユクサ
ツユクサ
ツユクサの葉裏
ツユクサの種子
ツユクサ花の構造参照
 どこでも普通に見られ、花期は長く、三河では10月まで見られる。花は朝早く咲き、夕方にはしぼむ1日花。雨天には花も鮮やかである。日本、朝鮮、中国、台湾、ロシア、ジョージア(旧グルジア)原産で、世界に広く帰化している。変化が多く、花色の濃いもの薄いものがあり、花の大きさも色々ある。仮雄しべの葯に栗色の斑点があるものと無いものがあり、茎もほぼ直立~斜上し、分枝がほとんどないものと、傾伏して、よく分枝し、痩果が多くつくものがある。
 茎は直立又は傾伏し、基部近くの節から根を出し、分枝する。葉は長さ5~12㎝、幅1~4㎝の狭披針形~卵状楕円形、先は鋭形~尖鋭形。葉の基部には長さ約1㎝の鞘がある。花は葉に似た1個の苞(Flora of China のように総苞 involucral bracts とする見解と Flora of north America のように仏炎苞 spath とする見解がある) につつまれたさそり形花序 (扇状集散花序=cincinni ) につく。苞は長さ1..5~3(3.5)㎝、幅0.8~1.3(1.8)㎝、鎌形に曲がらず、基部で融合せず、広げると円心形、緑色、基部は淡色又は白色、暗緑色の明瞭な脈があり、縁毛は無く、ときにざらつき又は粗く、先は鋭形~尖鋭形、無毛~有毛。苞の下部に長さ0.8~3.5㎝(ときに5㎝以下)の柄がある。苞内に普通、花序が2個つき、上側の末端花序 (distal cyme=proximal branch) は痕跡的で長さ6~8㎜程度の細い柄の先にまれに1~2個の雄花がつき、柄だけが棒状に残っていることも多い。苞内の下部の花序 (proximal cyme=distal branch ) に(1)3~4(6)個の花をつける。苞内の花序についてはFlora of north America の解説に従ったが、Flora of Chinaではdistalとproximal が反対の表現になっている。苞の中の花序の花柄は長さ5~10㎜。個々の花には小苞と小花柄がある。小花柄は長さ2~4㎜、花時には直立し、果時に小苞を内側にして曲がる。花は普通、苞から1個ずつ突き出て咲く。花は両性とまれに雄性。花には小さな外花被片(萼片)3個と、内花被片(花弁)3個がある。側萼片2個は基部で合着し、長さ4.5~5㎜、幅3~3.7㎜、惰円形、凹面、膜質、無毛。上側の1個の萼片は披針形、長さ約4.5㎜、幅約2.2㎜。上側の花弁2個は青色(~藍色)、長さ9~10㎜、幅8~10㎜、長さ約3㎜の爪部(claw)と広卵形の拡大部(limb)からなる。下部の1個の花弁は淡色~白色で小さく、長さ5~6㎜、幅約6㎜。雄しべは6個ある。短い3個は仮雄しべ(花粉が少し出るが不稔)、中間の長さ1個は花粉の量が少ない仮雄しべ(不完全雄しべ)、長い2個は完全な雄しべである。仮雄しべの葯(仮葯=antherode)は十字形(X形)、全体に黄色又は中央に栗色(ときに藍色)の斑点(maroon center)がある。中間の雄しべの葯は逆V(Y)字形、ときに栗色の斑点がある。花柱が雄しべの間から突き出る両性花と雄しべより短い雄性花がある。蒴果は苞に包まれて、1~3個できる。蒴果は長さ4.5~8㎜、2室。1室に1~2個の種子が入り、1果実に2~4個の種子が詰まる。1室に1個の種子だけ入る種子は大きい。花が開かずに自家受粉する閉鎖花も多い。種子は褐色~褐黄色、長さ(2)2.5~4.2㎜、幅2.2~3㎜、しわ状~あばたのような網状。
日本で見られるものはサイトタイプが 2n=44, 46, 48, 50, 52, 86, 88, 90の8種類である。2n=44(2n=44, 46, 48, 50, 52)と2n=88(2n=86, 88 , 90)の2系統ある。ツユクサは2n=88系統といわれている。
 ウスイロツユクサforma. caerulepurpurascens は花が淡紫色の品種。現在は品種としないのが一般的。
 シロバナツユクサ forma. albiflora は白花品種。
 ケツユクサf. ciliata 苞は先が長く尖り鎌形、苞の外面に長白毛があるもの。2n=44,46
 ウサギツユクサf. miranda 花弁が細長い品種
 オオボウシバナ var. hortensis 花弁が大きい園芸種。2n=46
  ホソバツユクサvar. ludens 葉が披針形、葉裏、葉鞘、苞に毛が多い。(Flora of north America の解説では異なり、花色が濃く、仮葯に栗色斑点がある。末端花序に花がつかない。苞がやや広い。ニューヨークのものが標準であり、ホソバツユクサはvar. ludens とは異なると思われる。)。
[花期] 6~10月
[草丈] 30~50㎝
[生活型] 1年草
[生育場所] 道端、草地に普通
[分布] 在来種 日本全土、東アジア
[撮影] 西浦町  09.10.1
<類似種>
 ●シマツユクサCommelina diffusa は中央の内花被片も青色。苞が鎌形。仮雄しべの仮葯がツユクサより細い。蒴果は3室。種子が褐色。2変種ある。世界に広く分布し、日本の九州以南にも自生する。日本の他地域にも帰化している。這う性質があり、creeping-spiderwort と呼ばれる。
 1年草又は多年草。茎は傾伏~攀縁(はんえん)する。葉は互生し、無柄。葉身は披針形~披針状惰円形~披針状長楕円形~卵形、長さ1.5~14㎝、幅0.5~3.3㎝、縁はざらつき、先は鋭形~尖鋭形、無毛。末端の集散花序は1~数個の花をつけ、普通突き出す。苞は1個、明るい緑色、明瞭な脈は無く、有柄、普通、明瞭な鎌形、長さ(0.5)0.8~4㎝、幅0.4~1.2(1.4)㎝、縁は明瞭に無毛~ざらつく、ときに縁毛があり、基部に繊毛があり、先は尖り、普通無毛~ほぼ無毛。花柄は長さ0.5~2(4)㎝。花は両性と雄性。花弁は全て青色(まれにラベンダー色)、中央の花弁は小さい。中間の雄しべは葯隔が普通、紫色の帯びが横切る。仮雄しべは2~3個、仮葯は黄色、真ん中の雄しべはしばしば欠くか退化した十字形。蒴果は長さ 4~6.3㎜、3室、2蒴片。 種子は5 個(又は未熟で少ない)、褐色、長さ2~2.8(3.2)㎜、幅1.4~1.8㎜、深い網状。
 var. diffusa 葉身は長さ1.5~5(8)㎝、幅0.5~1(2.2))㎝
   中間雄しべの葯隔は紫色の帯が横切る。蒴果は5種子
  var. gigas 葉身は長さ6~14㎝、幅1--3.3㎝
   中間雄しべの葯隔は紫色の帯が無い。蒴果は1~2種子
 ●カロライナツユクサCommelina caroliniana はシマツユクサに似て中央の内花被片は青色、内側が白色。苞はわずかに鎌形。蒴果は3室。種子が暗褐色。原産地はアジア(インド、ネパール、バングラデシュ)、アメリカなどに帰化し、日本の各地で確認されるようになった。アメリカで最初に確認されたため、Carolina dayflowerと呼ばれる。
 1年草。茎は傾伏~攀縁(はんえん)し、節から根を出す。葉は長さ2.5~10.5㎝、幅0.7~2.4㎝、被針形~被針状惰円形、縁はざらざらし、先は鋭形~尖鋭形。末端の集散花序は痕跡的(まれに1花が突き出る)。苞は1個、明るい緑色、下部は淡色、明瞭な脈は無く、有柄、わずかに鎌形で、長さ1.2~3(3.7)㎝、幅0.5~1㎝、普通縁毛があり、先は尖り、無毛~ほぼ無毛。花柄は長さ0.6~2.3㎝。花は両性、花弁は全体に青色、中央の花弁は内側が白色、小さい(青色~白色があるか?)。中間の1個の雄しべは葯隔が白色。短い仮雄しべは3個、仮葯(antherode)は黄色、しばしば中央に栗色の斑点があり、十字形。蒴果は長さ (5)6~8㎜、3室、2蒴片。種子は5個、暗褐色、長さ2.4~4.3(4.6) ㎜、幅 (1.6)2~2.3㎜、平滑~かすかにハチの巣状~粉状。1個の種子は表皮に包まれ、他の種子は蒴果が開くと落下する。2n=約86。
 ●マルバツユクサは葉の幅が広く、花がやや小型。1つの苞に2個、同時に開花することが多く、片方の花柄が長い。地下に閉鎖花をつけ、自家受精して種子を作る。
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