タヌキマメ 狸豆
Flora of Mikawa
マメ科 Fabaceae タヌキマメ属
中国名 | 野百合 ye bai he |
英 名 | rattlebox |
学 名 | Crotalaria sessiliflora L. |
花 期 | 7~9月 |
高 さ | 20~70㎝ |
生活型 | 1年草 |
生育場所 | 日当たりのよい場所 |
分 布 | 在来種 本州、四国、九州、朝鮮、中国、台湾、インド、ブータン、ネパール、パキスタン、カンボジア、バングラデシュ、インドネシア、ラオス、ミャンマー、フィリピン、タイ、ベトナム、パプアニューギニア |
撮 影 | 蒲郡市 01.8.19 |
茎は分枝せず、直立する。茎、葉など全体に褐色の長毛が生える。葉は互生し、長さ4~12㎝、幅3~10㎜の線形~狭長卵形、先が尖る。茎頂の総状花序に花が多数つく。花は青紫色、長さ約1㎝。旗弁は幅7~10㎜の円形。萼は大きく、深く2裂して上下から花の基部を覆い、黄褐色の長毛が密生する。萼裂片はさらに上側が2裂、下側が3裂する。豆果は長さ1~1.5㎝の長楕円形、種子が10~15個入る。2n=12,14。写真は園芸品である。
ガクタヌキマメ Crotalaria calycina は東南アジア、アフリカ、オーストラリア、日本(石垣島、西表島)などに分布し、花が黄色である。
草本または低木、しばしば短命で、まれに小高木。茎は円柱形または角(かど)がある。托葉は糸状~葉状または欠く。葉は単葉または3小葉、普通、葉柄がある、花序は頂生、葉に対生、またはときに腋生、総状花序、たまに密集して頭状になる。苞は普通ある。花は普通、小花柄があり、小苞は2個、まれに欠く。萼はほぼ鐘形、5萼片はほぼ等長、または2唇形で、下唇は狭い3裂片がある、上唇は広い2裂片があり、しばしば合着または部分的に合着する。花冠は普通、黄色、まれに白色、紫赤色、または暗紫青色。旗弁は普通、円形または長円形で、外側は無毛または毛状突起があり、基部にはほとんどの場合、内側に2つの付属体がある。翼弁は長円形または狭い楕円形。竜骨弁は円形~角(かど)があり、通常、よく発達した嘴に伸びる。雄しべは単体(monadelphous)、二形性(dimorphic)であり、普通、5本は短く、葯が長円形で底着、5本は長く、葯が卵形で背着し、それぞれ、互生する。子房は有柄または無柄、毛状突起は有又は無、2個~多数の胚珠をもつ。花柱は長く、基部が曲がり、または膝状に曲がり、ほとんどの場合、頂部に1本または2本の毛状突起の線がある。柱頭は小さく、斜め、まれに2裂する。豆果はほぼ無柄~長い柄があり、長円形、円柱形、卵状球形、またはまれに菱形で、普通、著しく膨らみ、まれに扁平になり、2個~多数の種子があり、柄は有または無。種子は斜めの心形~長円状腎形、明瞭なへそのくぼみがある。
世界に約700種あり、熱帯全体から亜熱帯にまで広がり、東部~南部の熱帯アフリカに最も多く分布する。
中国、台湾、バングラデシュ、カンボジア、インド、インドネシア、ラオス、ミャンマー、ネパール、フィリピン、タイ、ベトナム、オーストラリア原産。中国名は针状猪屎豆 zhen zhuang zhu shi dou。
2 Crotalaria alata Buch.-Ham. ex D.Don ヤハズマメ 矢筈豆
中国、台湾、バングラデシュ、ブータン、カンボジア、インド、インドネシア、ラオス、マレーシア、ミャンマー、ネパール、スリランカ、タイ、ベトナム原産。中国名は翅托叶猪屎豆 chi tuo ye zhu shi dou。 アフリカ、マダガスカルで栽培され帰化している。別名はハギタヌキマメ。
3 Crotalaria albida B.Heyne ex Roth シロタヌキマメ 白狸豆
中国、台湾、バングラデシュ、ブータン、カンボジア、インド、インドネシア、ラオス、マレーシア、ミャンマー、ネパール、パキスタン、パプアニューギニア、フィリピン、スリランカ、タイ、ベトナム、太平洋諸島原産。中国名は响铃豆 xiang ling dou。別名はホザキタヌキマメ。
4 Crotalaria assamica Benth. コガネタヌキマメ 黄金狸豆
中国、台湾、インド、ラオス、ミャンマー、フィリピン、タイ、ベトナム原産。中国名は大猪屎豆 da zhu shi dou。英名はIndian rattlebox。
花や果実がクロタラリア・スペクタビリスによく似ている。葉が長さ7.8~16.5㎝、幅2.4~3.6㎝の長楕円形~倒披針形であり、葉表は無毛、葉裏に絹毛がある。葉柄は長さ4~6㎜。托葉は小さい短剣状。花は長さ18~25㎜。苞葉は長さ2.5~3.3㎜の狭三角状。小苞葉は苞葉に似て小さい。萼は短い軟毛が圧着し、筒部は長さ4.5~7㎜、裂片は長さ8~10㎜。花は黄色。旗弁は長さ15~16㎜、側弁は長さ12~13㎜、幅6~7.5㎜。竜骨弁は小さい。果実は長さ3.5~5㎝、暗褐色、短い柄があり、膨れ、約30個の種子が入る。種子は長さ4㎜以下、暗褐色、平滑。
5 Crotalaria bialata Schrank ハネタヌキマメ
Kewscience, GBIFではCrotalaria alataのsynonym。
6 Crotalaria breviflora DC. クロタラリア・ブレビフロラ
ボリビア、ブラジル原産。英名はshortflower rattlebox , Short-flower crotalaria。別名はネコブキラーⅡ。根こぶ線虫対策の緑肥に使用され、ネコブキラーⅡと呼ばれる。
茎は直立し、高さ1.5m以下。シュートは絹毛または毛があり、節間に狭い翼がある。托葉は無い。葉は単葉、葉柄は無く、葉身は楕円形~長円状楕円形。 花序に花が少数(pauciflorous)または多数(multiflorous)。総状花序は緩く、頂生または腋生。苞は宿存し、線形~披針形。萼は鐘形、2唇形。花冠は黄色。果実(莢)は長円形または倒卵形、黒色、無毛。種子は褐黄土色(brown ochrea)[Flora do Brasil]。
7 Crotalaria calycina Schrank ガクタヌキマメ
中国、台湾、バングラデシュ、ブータン、カンボジア、インド、インドネシア、ラオス、マレーシア、ネパール、パキスタン、フィリピン、スリランカ、タイ、ベトナム、アフリカ、オーストラリア、太平洋諸島原産。中国名は长萼猪屎豆 chang e zhu shi dou。
8 Crotalaria chiayiana T.S.Liu et F.Y.Lu
台湾原産。中国名は红花假地蓝 hong hua jia di lan。rust-color crotalaria
KewscienceではCrotalaria leiolobaのsynonym。
9 Crotalaria chinensis L. タイワンタヌキマメ 台湾狸豆
中国、台湾、カンボジア、インド、インドネシア、ラオス、マレーシア、ミャンマー、ネパール、パプアニューギニア、フィリピン、タイ、ベトナム原産。中国名は中国猪屎豆 zhong guo zhu shi dou。別名はアコウタヌキマメ。
10 Crotalaria incana L. コウシュンタヌキマメ
世界に分布。原産地不明。中国名は圆叶猪屎豆 yuan ye zhu shi dou。別名はケタヌキマメ、インカタヌキマメ。
11 Crotalaria juncea L. サンヘンプ
中国、台湾、ブータン、カンボジア、インド、インドネシア、ラオス、マレーシア、ミャンマー、タイ、ベトナム原産。中国名は菽麻 shu ma。英名はsunn hemp , Bengal hemp。別名はコブトリソウ、クロタラリア、サンマ、コヤシタヌキマメ。茎から繊維を採るために熱帯で栽培される。緑肥としても使用され、コブトリソウ、コヤシタヌキマメとも呼ばれる。
1年草、直立し、高さ50~100㎝。 枝は円柱形、うねがあり、伏した絹毛がある。托葉は線形、長さ約2㎜、早落性。葉は単葉。葉柄は長さ3~5mm。葉身は長円形~線状披針形、長さ6~12㎝×幅0.5~2㎝、両面は直軟毛があるが、下面でより密になり、基部は漸尖し、先は尖鋭形で微突形。総状花序は頂生、花が10~20個つく。苞は線形、長さ3~4mm。 小花柄は長さ5~8mm。小苞は萼筒の基部につき、苞より短く、密に毛がある。萼は2唇形、長さ1~1.5㎝、ほぼ基部まで深裂し、密にさび色の毛状突起があり、萼片は披針形、曲がる。花冠は黄色。旗弁は長円形、長さ1.5~2.5㎝、基部に2個の付属体がある。翼弁は倒卵状長円形、長さ1.5~2㎝。竜骨弁はほぼ角(かど)があり、翼弁よりわずかに長い、先は長いわずかに内曲した捻じれた嘴があり、萼を超えて突き出る。豆果はほぼ無柄、円筒形、長さ2~4㎝×幅1.2~1.7㎝、種子が10~15個、さび色の毛がある。種子は平滑か、へその周りにパピラがある。花期は8~12月。果期は1~5月。
12 Crotalaria leioloba Bartl. ナンバンタヌキマメ 南蛮狸豆
synonym Crotalaria ferruginea var. major Benth. synonym Crotalaria ferruginea Graham ex Benth. 假地蓝 jia di lan
中国、台湾、バングラデシュ、ブータン、インド、インドネシア、ラオス、マレーシア、ミャンマー、ネパール、パプアニューギニア、フィリピン、スリランカ、タイ、ベトナム原産。中国名は假地蓝 jia di lan。
13 Crotalaria medicaginea Lam. ミツバタヌキマメ 三葉狸豆
中国、台湾、アフガニスタン、バングラデシュ、インド、インドネシア、ラオス、ミャンマー、ネパール、パキスタン、パプアニューギニア、フィリピン、スリランカ、タイ、ベトナム、オーストラリア原産。中国名は假苜蓿 jia mu xu。
14 Crotalaria micans Link アメリカタヌキマメ
synonym Crotalaria anagyroides Kunth
南アメリカ、メキシコ原産。中国名は三尖叶猪屎豆 san jian ye zhu shi dou。別名はキダチタヌキマメ。
15 Crotalaria montana B.Heyne ex Roth ヤエヤマタヌキマメ 広義
synonym Crotalaria linifolia auct. non L.f.
日本(南西諸島)、台湾、アンダマン諸島、アッサム、カンボジア、東ヒマラヤ、インド、ラオス、ミャンマー、ニューギニア、ニューサウスウェールズ、ノーザンテリトリー、フィリピン、クイーンズランド、スリランカ、タイ、ベトナム、オーストラリア原産。
15-1 Crotalaria montana B.Heyne ex Roth var. angustifolia (Gagnep.) Niyomdham ヤエヤマタヌキマメ
15-2 Crotalaria montana var. exserta (Domin) A.E.Holland
オーストラリア(クイーンズランド州、ノーザンテリトリー)原産。
16 Crotalaria pallida Aiton オオミツバタヌキマメ 広義
中国、台湾、バングラデシュ、ブータン、カンボジア、インド、インドネシア、ラオス、マレーシア、ミャンマー、ネパール、パキスタン、フィリピン、スリランカ、タイ、ベトナム、アフリカ、熱帯アメリカ原産。中国名は猪屎豆 zhu shi dou。別名はキバナハギ。
16-1 Crotalaria pallida Aiton var. obovata (G.Don) Polhill オオミツバタヌキマメ
synonym Crotalaria trifoliastrum Willd.
synonym Crotalaria mucronata Desv.
17 Crotalaria quinquefolia L. ハウチワタヌキマメ
バングラデシュ、ビスマルク諸島、ボルネオ、カンボジア、インド、ジャワ、ラオス、レッサースンダ諸島、マラヤ、マルク、ミャンマー、ネパール、ニューギニア、北方領土、フィリピン、クイーンズランド、ソロモン諸島、スリランカ、スラウェシ、スマトラ、タイ、ベトナム、西オーストラリア原産。英名はfive-leaf crotalaria。
18 Crotalaria retusa L.
中国、バングラデシュ、ブータン、カンボジア、インド、ラオス、マレーシア、ミャンマー、ネパール、パキスタン、フィリピン、スリランカ、タイ、ベトナム、アフリカ、熱帯アメリカ、南西アジア、太平洋諸島原産。中国名は吊裙草 diao qun cao。英名はdevil-bean , rattleweed , shack shack , wedge-leaf rattlepod。
19 Crotalaria sessiliflora L. タヌキマメ 狸豆
本州、四国、九州、朝鮮、中国、台湾、インド、ブータン、ネパール、パキスタン、カンボジア、バングラデシュ、インドネシア、ラオス、ミャンマー、フィリピン、タイ、ベトナム、パプアニューギニア原産。中国名は野百合 ye bai he。英名はrattlebox。
1年草。高さ20~70㎝。茎は分枝せず、直立する。茎、葉など全体に褐色の長毛が生える。葉は互生し、長さ4~12㎝、幅3~10㎜の線形~狭長卵形、先が尖る。茎頂の総状花序に花が多数つく。花は青紫色、長さ約1㎝。旗弁は幅7~10㎜の円形。萼は大きく、深く2裂して上下から花の基部を覆い、黄褐色の長毛が密生する。萼裂片はさらに上側が2裂、下側が3裂する。豆果は長さ1~1.5㎝の長楕円形、種子が10~15個入る。2n=12,14。花期は7~9月。
20 Crotalaria similis Hemsl. ガランビタヌキマメ
台湾原産。中国名は屏东猪屎豆 ping dong zhu shi dou。
21 Crotalaria spectabilis Roth クロタラリア・スペクタビリス
中国、台湾、バングラデシュ、インド、マレーシア、ミャンマー、ネパール、フィリピン、タイ原産。中国名は大托叶猪屎豆 da tuo ye zhu shi dou。英名 はshowy rattlebox ,showy crotalaria。アフリカ、マダガスカルで栽培され、帰化している。別名はオオバタヌキマメ、ネマキング。畑地、牧草地、荒地、道端に生える。栽培しているものが、道端に逸出する。センチュウ被害を抑制できる夏撒きの緑肥として使用される丸葉のクロタラリアであり、緑肥の品種にはネマキング、ネマクリーンがある。細葉のクロタラリアはサンヘンプ Crotalaria junceaであり、緑肥としての品種にコブトリソウ、ネコブキラーがある。
1年草。高さ50~200㎝。茎は無毛、直立して分枝し、緑色又は紫色を帯びることがある。葉は単葉、互生し、長さ5~15㎝の倒披針形、裏面に軟毛が生え、柄は短い。托葉は長さ4~8㎜の卵形。茎頂に総状花序をつけ、多数の黄色の蝶形花をつける。旗弁の基部に褐色の線があり、先が凹む。苞葉は長さ7~12㎜、幅5~9㎜の特徴ある形。花は派手(showy)で大きく幅約2.5㎝。果実は黒色の筋があり、長さ2.5~5㎝の長楕円形、20~24個の種子が入る。果実が熟すと褐色~黒色になり、中の種子が離れて振ると音がする。花期は7~10月。
22 Crotalaria trichotoma Bojer アフリカタヌキマメ
synonym Crotalaria zanzibarica Benth.
アフリカ東部原産。中国名は光萼猪屎豆 guang e zhu shi dou。英名はcurara-pea。中国、台湾、オーストラリア、インドネシア、マレーシア、フィリピン、スリランカ、ベトナムに帰化している。
23 Crotalaria triquetra Dalzell ミツカドタヌキマメ
台湾、インド、インドネシア、スリランカ原産。中国名は砂地野百合 sha di ye bai he。
24 Crotalaria uncinella Lam. エダウチタヌキマメ 広義
synonym Crotalaria elliptica Roxb.
中国、インド、マレーシア、タイ、ベトナム、アフリカ、マスカリン諸島原産。別名はダエンタヌキマメ。
24-1 Crotalaria uncinella subsp. uncinella
アフリカ、マスカリン諸島原産。大きな花(竜骨弁は長さ0.9~1.1㎝)と豆果(長さ8~11㎜)。
24-2 Crotalaria uncinella Lam. subsp. elliptica (Roxb.) Polhill エダウチタヌキマメ
中国、インド、マレーシア、タイ、ベトナム原産。中国名は球果猪屎豆 qiu guo zhu shi dou。
25 Crotalaria verrucosa L. オオバタヌキマメ
中国、台湾、バングラデシュ、カンボジア、インドネシア、ラオス、マレーシア、ミャンマー、ネパール、フィリピン、スリランカ、タイ、ベトナム、オーストラリア原産。中国名は多疣猪屎豆 duo you zhu shi dou。英名はblue-flower rattlepod 。アフリカ、南北アメリカに帰化している。
Crotalaria
Crotalaria
Crotalaria
Crotalaria
ガクタヌキマメ Crotalaria calycina は東南アジア、アフリカ、オーストラリア、日本(石垣島、西表島)などに分布し、花が黄色である。
タヌキマメ属
family Fabaceae - genus Crotalaria草本または低木、しばしば短命で、まれに小高木。茎は円柱形または角(かど)がある。托葉は糸状~葉状または欠く。葉は単葉または3小葉、普通、葉柄がある、花序は頂生、葉に対生、またはときに腋生、総状花序、たまに密集して頭状になる。苞は普通ある。花は普通、小花柄があり、小苞は2個、まれに欠く。萼はほぼ鐘形、5萼片はほぼ等長、または2唇形で、下唇は狭い3裂片がある、上唇は広い2裂片があり、しばしば合着または部分的に合着する。花冠は普通、黄色、まれに白色、紫赤色、または暗紫青色。旗弁は普通、円形または長円形で、外側は無毛または毛状突起があり、基部にはほとんどの場合、内側に2つの付属体がある。翼弁は長円形または狭い楕円形。竜骨弁は円形~角(かど)があり、通常、よく発達した嘴に伸びる。雄しべは単体(monadelphous)、二形性(dimorphic)であり、普通、5本は短く、葯が長円形で底着、5本は長く、葯が卵形で背着し、それぞれ、互生する。子房は有柄または無柄、毛状突起は有又は無、2個~多数の胚珠をもつ。花柱は長く、基部が曲がり、または膝状に曲がり、ほとんどの場合、頂部に1本または2本の毛状突起の線がある。柱頭は小さく、斜め、まれに2裂する。豆果はほぼ無柄~長い柄があり、長円形、円柱形、卵状球形、またはまれに菱形で、普通、著しく膨らみ、まれに扁平になり、2個~多数の種子があり、柄は有または無。種子は斜めの心形~長円状腎形、明瞭なへそのくぼみがある。
世界に約700種あり、熱帯全体から亜熱帯にまで広がり、東部~南部の熱帯アフリカに最も多く分布する。
タヌキマメ属の主な種と園芸品種
1 Crotalaria acicularis Buch.-Ham. ex Benth. ヒメタヌキマメ 姫狸豆中国、台湾、バングラデシュ、カンボジア、インド、インドネシア、ラオス、ミャンマー、ネパール、フィリピン、タイ、ベトナム、オーストラリア原産。中国名は针状猪屎豆 zhen zhuang zhu shi dou。
2 Crotalaria alata Buch.-Ham. ex D.Don ヤハズマメ 矢筈豆
中国、台湾、バングラデシュ、ブータン、カンボジア、インド、インドネシア、ラオス、マレーシア、ミャンマー、ネパール、スリランカ、タイ、ベトナム原産。中国名は翅托叶猪屎豆 chi tuo ye zhu shi dou。 アフリカ、マダガスカルで栽培され帰化している。別名はハギタヌキマメ。
3 Crotalaria albida B.Heyne ex Roth シロタヌキマメ 白狸豆
中国、台湾、バングラデシュ、ブータン、カンボジア、インド、インドネシア、ラオス、マレーシア、ミャンマー、ネパール、パキスタン、パプアニューギニア、フィリピン、スリランカ、タイ、ベトナム、太平洋諸島原産。中国名は响铃豆 xiang ling dou。別名はホザキタヌキマメ。
4 Crotalaria assamica Benth. コガネタヌキマメ 黄金狸豆
中国、台湾、インド、ラオス、ミャンマー、フィリピン、タイ、ベトナム原産。中国名は大猪屎豆 da zhu shi dou。英名はIndian rattlebox。
花や果実がクロタラリア・スペクタビリスによく似ている。葉が長さ7.8~16.5㎝、幅2.4~3.6㎝の長楕円形~倒披針形であり、葉表は無毛、葉裏に絹毛がある。葉柄は長さ4~6㎜。托葉は小さい短剣状。花は長さ18~25㎜。苞葉は長さ2.5~3.3㎜の狭三角状。小苞葉は苞葉に似て小さい。萼は短い軟毛が圧着し、筒部は長さ4.5~7㎜、裂片は長さ8~10㎜。花は黄色。旗弁は長さ15~16㎜、側弁は長さ12~13㎜、幅6~7.5㎜。竜骨弁は小さい。果実は長さ3.5~5㎝、暗褐色、短い柄があり、膨れ、約30個の種子が入る。種子は長さ4㎜以下、暗褐色、平滑。
5 Crotalaria bialata Schrank ハネタヌキマメ
Kewscience, GBIFではCrotalaria alataのsynonym。
6 Crotalaria breviflora DC. クロタラリア・ブレビフロラ
ボリビア、ブラジル原産。英名はshortflower rattlebox , Short-flower crotalaria。別名はネコブキラーⅡ。根こぶ線虫対策の緑肥に使用され、ネコブキラーⅡと呼ばれる。
茎は直立し、高さ1.5m以下。シュートは絹毛または毛があり、節間に狭い翼がある。托葉は無い。葉は単葉、葉柄は無く、葉身は楕円形~長円状楕円形。 花序に花が少数(pauciflorous)または多数(multiflorous)。総状花序は緩く、頂生または腋生。苞は宿存し、線形~披針形。萼は鐘形、2唇形。花冠は黄色。果実(莢)は長円形または倒卵形、黒色、無毛。種子は褐黄土色(brown ochrea)[Flora do Brasil]。
7 Crotalaria calycina Schrank ガクタヌキマメ
中国、台湾、バングラデシュ、ブータン、カンボジア、インド、インドネシア、ラオス、マレーシア、ネパール、パキスタン、フィリピン、スリランカ、タイ、ベトナム、アフリカ、オーストラリア、太平洋諸島原産。中国名は长萼猪屎豆 chang e zhu shi dou。
8 Crotalaria chiayiana T.S.Liu et F.Y.Lu
台湾原産。中国名は红花假地蓝 hong hua jia di lan。rust-color crotalaria
KewscienceではCrotalaria leiolobaのsynonym。
9 Crotalaria chinensis L. タイワンタヌキマメ 台湾狸豆
中国、台湾、カンボジア、インド、インドネシア、ラオス、マレーシア、ミャンマー、ネパール、パプアニューギニア、フィリピン、タイ、ベトナム原産。中国名は中国猪屎豆 zhong guo zhu shi dou。別名はアコウタヌキマメ。
10 Crotalaria incana L. コウシュンタヌキマメ
世界に分布。原産地不明。中国名は圆叶猪屎豆 yuan ye zhu shi dou。別名はケタヌキマメ、インカタヌキマメ。
11 Crotalaria juncea L. サンヘンプ
中国、台湾、ブータン、カンボジア、インド、インドネシア、ラオス、マレーシア、ミャンマー、タイ、ベトナム原産。中国名は菽麻 shu ma。英名はsunn hemp , Bengal hemp。別名はコブトリソウ、クロタラリア、サンマ、コヤシタヌキマメ。茎から繊維を採るために熱帯で栽培される。緑肥としても使用され、コブトリソウ、コヤシタヌキマメとも呼ばれる。
1年草、直立し、高さ50~100㎝。 枝は円柱形、うねがあり、伏した絹毛がある。托葉は線形、長さ約2㎜、早落性。葉は単葉。葉柄は長さ3~5mm。葉身は長円形~線状披針形、長さ6~12㎝×幅0.5~2㎝、両面は直軟毛があるが、下面でより密になり、基部は漸尖し、先は尖鋭形で微突形。総状花序は頂生、花が10~20個つく。苞は線形、長さ3~4mm。 小花柄は長さ5~8mm。小苞は萼筒の基部につき、苞より短く、密に毛がある。萼は2唇形、長さ1~1.5㎝、ほぼ基部まで深裂し、密にさび色の毛状突起があり、萼片は披針形、曲がる。花冠は黄色。旗弁は長円形、長さ1.5~2.5㎝、基部に2個の付属体がある。翼弁は倒卵状長円形、長さ1.5~2㎝。竜骨弁はほぼ角(かど)があり、翼弁よりわずかに長い、先は長いわずかに内曲した捻じれた嘴があり、萼を超えて突き出る。豆果はほぼ無柄、円筒形、長さ2~4㎝×幅1.2~1.7㎝、種子が10~15個、さび色の毛がある。種子は平滑か、へその周りにパピラがある。花期は8~12月。果期は1~5月。
12 Crotalaria leioloba Bartl. ナンバンタヌキマメ 南蛮狸豆
synonym Crotalaria ferruginea var. major Benth. synonym Crotalaria ferruginea Graham ex Benth. 假地蓝 jia di lan
中国、台湾、バングラデシュ、ブータン、インド、インドネシア、ラオス、マレーシア、ミャンマー、ネパール、パプアニューギニア、フィリピン、スリランカ、タイ、ベトナム原産。中国名は假地蓝 jia di lan。
13 Crotalaria medicaginea Lam. ミツバタヌキマメ 三葉狸豆
中国、台湾、アフガニスタン、バングラデシュ、インド、インドネシア、ラオス、ミャンマー、ネパール、パキスタン、パプアニューギニア、フィリピン、スリランカ、タイ、ベトナム、オーストラリア原産。中国名は假苜蓿 jia mu xu。
14 Crotalaria micans Link アメリカタヌキマメ
synonym Crotalaria anagyroides Kunth
南アメリカ、メキシコ原産。中国名は三尖叶猪屎豆 san jian ye zhu shi dou。別名はキダチタヌキマメ。
15 Crotalaria montana B.Heyne ex Roth ヤエヤマタヌキマメ 広義
synonym Crotalaria linifolia auct. non L.f.
日本(南西諸島)、台湾、アンダマン諸島、アッサム、カンボジア、東ヒマラヤ、インド、ラオス、ミャンマー、ニューギニア、ニューサウスウェールズ、ノーザンテリトリー、フィリピン、クイーンズランド、スリランカ、タイ、ベトナム、オーストラリア原産。
15-1 Crotalaria montana B.Heyne ex Roth var. angustifolia (Gagnep.) Niyomdham ヤエヤマタヌキマメ
15-2 Crotalaria montana var. exserta (Domin) A.E.Holland
オーストラリア(クイーンズランド州、ノーザンテリトリー)原産。
16 Crotalaria pallida Aiton オオミツバタヌキマメ 広義
中国、台湾、バングラデシュ、ブータン、カンボジア、インド、インドネシア、ラオス、マレーシア、ミャンマー、ネパール、パキスタン、フィリピン、スリランカ、タイ、ベトナム、アフリカ、熱帯アメリカ原産。中国名は猪屎豆 zhu shi dou。別名はキバナハギ。
16-1 Crotalaria pallida Aiton var. obovata (G.Don) Polhill オオミツバタヌキマメ
synonym Crotalaria trifoliastrum Willd.
synonym Crotalaria mucronata Desv.
17 Crotalaria quinquefolia L. ハウチワタヌキマメ
バングラデシュ、ビスマルク諸島、ボルネオ、カンボジア、インド、ジャワ、ラオス、レッサースンダ諸島、マラヤ、マルク、ミャンマー、ネパール、ニューギニア、北方領土、フィリピン、クイーンズランド、ソロモン諸島、スリランカ、スラウェシ、スマトラ、タイ、ベトナム、西オーストラリア原産。英名はfive-leaf crotalaria。
18 Crotalaria retusa L.
中国、バングラデシュ、ブータン、カンボジア、インド、ラオス、マレーシア、ミャンマー、ネパール、パキスタン、フィリピン、スリランカ、タイ、ベトナム、アフリカ、熱帯アメリカ、南西アジア、太平洋諸島原産。中国名は吊裙草 diao qun cao。英名はdevil-bean , rattleweed , shack shack , wedge-leaf rattlepod。
19 Crotalaria sessiliflora L. タヌキマメ 狸豆
本州、四国、九州、朝鮮、中国、台湾、インド、ブータン、ネパール、パキスタン、カンボジア、バングラデシュ、インドネシア、ラオス、ミャンマー、フィリピン、タイ、ベトナム、パプアニューギニア原産。中国名は野百合 ye bai he。英名はrattlebox。
1年草。高さ20~70㎝。茎は分枝せず、直立する。茎、葉など全体に褐色の長毛が生える。葉は互生し、長さ4~12㎝、幅3~10㎜の線形~狭長卵形、先が尖る。茎頂の総状花序に花が多数つく。花は青紫色、長さ約1㎝。旗弁は幅7~10㎜の円形。萼は大きく、深く2裂して上下から花の基部を覆い、黄褐色の長毛が密生する。萼裂片はさらに上側が2裂、下側が3裂する。豆果は長さ1~1.5㎝の長楕円形、種子が10~15個入る。2n=12,14。花期は7~9月。
20 Crotalaria similis Hemsl. ガランビタヌキマメ
台湾原産。中国名は屏东猪屎豆 ping dong zhu shi dou。
21 Crotalaria spectabilis Roth クロタラリア・スペクタビリス
中国、台湾、バングラデシュ、インド、マレーシア、ミャンマー、ネパール、フィリピン、タイ原産。中国名は大托叶猪屎豆 da tuo ye zhu shi dou。英名 はshowy rattlebox ,showy crotalaria。アフリカ、マダガスカルで栽培され、帰化している。別名はオオバタヌキマメ、ネマキング。畑地、牧草地、荒地、道端に生える。栽培しているものが、道端に逸出する。センチュウ被害を抑制できる夏撒きの緑肥として使用される丸葉のクロタラリアであり、緑肥の品種にはネマキング、ネマクリーンがある。細葉のクロタラリアはサンヘンプ Crotalaria junceaであり、緑肥としての品種にコブトリソウ、ネコブキラーがある。
1年草。高さ50~200㎝。茎は無毛、直立して分枝し、緑色又は紫色を帯びることがある。葉は単葉、互生し、長さ5~15㎝の倒披針形、裏面に軟毛が生え、柄は短い。托葉は長さ4~8㎜の卵形。茎頂に総状花序をつけ、多数の黄色の蝶形花をつける。旗弁の基部に褐色の線があり、先が凹む。苞葉は長さ7~12㎜、幅5~9㎜の特徴ある形。花は派手(showy)で大きく幅約2.5㎝。果実は黒色の筋があり、長さ2.5~5㎝の長楕円形、20~24個の種子が入る。果実が熟すと褐色~黒色になり、中の種子が離れて振ると音がする。花期は7~10月。
22 Crotalaria trichotoma Bojer アフリカタヌキマメ
synonym Crotalaria zanzibarica Benth.
アフリカ東部原産。中国名は光萼猪屎豆 guang e zhu shi dou。英名はcurara-pea。中国、台湾、オーストラリア、インドネシア、マレーシア、フィリピン、スリランカ、ベトナムに帰化している。
23 Crotalaria triquetra Dalzell ミツカドタヌキマメ
台湾、インド、インドネシア、スリランカ原産。中国名は砂地野百合 sha di ye bai he。
24 Crotalaria uncinella Lam. エダウチタヌキマメ 広義
synonym Crotalaria elliptica Roxb.
中国、インド、マレーシア、タイ、ベトナム、アフリカ、マスカリン諸島原産。別名はダエンタヌキマメ。
24-1 Crotalaria uncinella subsp. uncinella
アフリカ、マスカリン諸島原産。大きな花(竜骨弁は長さ0.9~1.1㎝)と豆果(長さ8~11㎜)。
24-2 Crotalaria uncinella Lam. subsp. elliptica (Roxb.) Polhill エダウチタヌキマメ
中国、インド、マレーシア、タイ、ベトナム原産。中国名は球果猪屎豆 qiu guo zhu shi dou。
25 Crotalaria verrucosa L. オオバタヌキマメ
中国、台湾、バングラデシュ、カンボジア、インドネシア、ラオス、マレーシア、ミャンマー、ネパール、フィリピン、スリランカ、タイ、ベトナム、オーストラリア原産。中国名は多疣猪屎豆 duo you zhu shi dou。英名はblue-flower rattlepod 。アフリカ、南北アメリカに帰化している。
参考
1) Flora of ChinaCrotalaria
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=108442
2) Plants of the World Online| KewscienceCrotalaria
https://powo.science.kew.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:329745-2
3) World Flora OnlineCrotalaria
http://www.worldfloraonline.org/taxon/wfo-4000009787;jsessionid=91EBD245A413C503E139B7CC166483AC
4) Flora do Brasil 2020Crotalaria
http://floradobrasil.jbrj.gov.br/reflora/listaBrasil/PrincipalUC/PrincipalUC.do;jsessionid=396F7E7B23211680139F959CE03FA95C