タカクマヒキオコシ 高隅引き起こし

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Flora of Mikawa

シソ科 Lamiaceae ヤマハッカ属

学 名 Isodon shikokianus (Makino) H.Hara var. intermedius (Kudo) Murata
Rabdosia shikokiana (Makino) H.Hara var. intermedia (Kudo) H.Hara
タカクマヒキオコシ花序
タカクマヒキオコシ花前
タカクマヒキオコシ萼歯
タカクマヒキオコシ花柄
タカクマヒキオコシ果実
タカクマヒキオコシ熟した果実
タカクマヒキオコシ葉表の脈の毛
タカクマヒキオコシ葉脈の毛
タカクマヒキオコシ茎
タカクマヒキオコシ
タカクマヒキオコシ葉表
タカクマヒキオコシ葉裏
タカクマヒキオコシ若い葉
タカクマヒキオコシ花横
タカクマヒキオコシ花柄の腺毛
タカクマヒキオコシ分果
花 期 8~10月
高 さ 40~80㎝
生活型 多年草
生育場所 山地の林内、林縁
分 布 在来種(日本固有種) 本州(福島県以西の太平洋岸)、四国、九州
撮 影 新城市  11.10.12
浜松市  15.10. 7
イヌヤマハッカと酷似しているが、葉裏の中脈は無毛で、花柄や萼に微細な腺毛があり、萼歯の先端が細長くなる。イヌヤマハッカは箱根二子山(標高1,091m)の山頂付近が基準産地でブナ帯の林内、林縁に生え、太平洋岸では標高1000m付近以上に分布するものと思われる。葉の主脈上には微細な白毛があり、イヌヤマハッカとしていたが、花柄の微細な毛が腺毛であることを確認したため、タカクマヒキオコシに訂正した。葉表の脈には開出毛があり、採取して時間が経つと曲がる。葉裏の中脈上には微細な屈毛がある。屈毛はルーペではほとんどわからず、無毛に見える。毛の量は変化があり、非常に少ないものもある。花柄や萼に長さ0.03~0.08㎜の腺毛が密生し、花冠にも腺毛がある。萼歯の先端は細長い傾向にある。花冠は最も長いものが9.5㎜であった。
 茎は4稜形、下向きの毛がある。葉は対生し、葉柄は長さ0.5~3㎝。葉身は長さ3~10㎝、幅1~3㎝、披針形~広披針形、ときに長卵形~卵形、先は尖り、基部は楔形、翼状になり、葉柄へと続く。葉表は無毛~有毛があり、葉裏の中脈は無毛、腺点は不明瞭。花は茎頂の総状花序に多数つく。花柄や小花柄には微細な腺毛が密生する。苞は長楕円形~広披針形。萼は微細な腺毛があり、2唇形、萼歯の先端が細長く、上側の3裂する萼歯の方が下側の萼歯より短い。花冠は長さ8~10(11)㎜、腺毛があり、青紫色、上唇は浅く4裂し、班紋はなく、下唇の縁が内巻きになって舟形に突き出す。雄しべ、雌しべとも花冠より短くて突き出ない。果実は4分果。
 イヌヤマハッカ Isodon umbrosus
 茎は4稜形で、下向きの毛が生える。葉は対生し、葉柄は長さ0.5~2㎝。葉身は長さ3~10㎝、幅1~3(3.5)㎝の長楕円形~披針形、縁は鈍鋸歯~鋭鋸歯、葉先は鋭形、葉の基部は楔形~広楔形~切形、翼のついた葉柄に続く。葉表にまばらに毛が生え、葉裏の中央脈には曲がった毛が生え、葉裏には腺点がある。花柄は紫褐色を帯び、開出する短毛が密生する。花は総状花序状につく。苞は幅が広く、卵形~楕円形。萼は2唇形、短毛が密生し、萼歯は三角形、先は鋭形、上側の萼歯が下側よりやや長く、ほとんど同じ長さの時もある。。花冠は短毛があり、青紫色、長さ8~9㎜、上唇は浅く4裂し、班紋はなく、下唇の縁が内巻きになって舟形に突き出す。雄しべ、雌しべとも花冠より短く、舟の中に納まる。葯は黒褐色。果実は4分果。2n=24
 ヤマハッカは低地の普通種である。葉の幅が広く、基部は急に細くなり、花冠に濃紫色の班点がある。
 コウシンヤマハッカはイヌハッカの変種であり、カメバヒキオコシのように葉の先が3裂せず、カメバヒキオコシと同じように葉幅が広く、4㎝以上あるもの。