スミレの花の構造

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Flora of Mikawa

スミレの花

 スミレの花は左右対称。花弁は5個、上弁2個、側弁2個、唇弁1個からなる。側弁2個の基部には白毛がある。花の中央の橙色に見えるのは雄しべの付属体。

 唇弁の後端は袋状になっており、距(きょ)とよばれる。萼片も5個あり、萼片の後部に付属体がある。

 萼片と花弁を取り去ると、子房と雌しべの花柱を5個の雄しべが取り囲んでいる。雄しべには花糸がなく、葯は内側についている。雄しべの上部に橙色の付属体がある。雄しべ5個のうち、下側の2個には緑色の長い距がある。雄しべの距は唇弁の距の中に納まっいて、蜜を分泌し、唇弁の距に蜜がたまる。蜜を吸いにきた虫が雄しべの距を動かし、葯から花粉が出て、虫に付く仕組みになっている。
 

 雌しべは子房と花柱の長さがほぼ同長。花柱の基部は首のように曲がり、先は広がっている。花柱の先端の下側にある小さな突起が柱頭である。柱頭の先端に穴があり、粘液を出し、花粉がくっつきやすくしている。