シバナ  塩場菜
別名] ウミニラ
[中国名] 海韭菜 hai jiu cai
英名] arrow-grass, sea arrow-grass
[学名] Triglochin asiatica (Kitag.) A. et D.Love
Triglochin maritima L. subsp. asiatica Kitag. ...[basionym]
Triglochin maritima auct. non L.
Triglochin maritimum L.  ・・・広義
シバナ科 Juncaginaceae  シバナ属
シバナの花序
シバナの花
シバナの花
シバナの葉拡大
シバナ
シバナ
シバナ葉
 シバナ(広義)は北半球に広く分布する。日本産のものを関東地方以北に分布するマルミノシバナ(オオシバナ)Triglochin maritimaと西日本に多いシバナTriglochin asiaticaに分ける説がある。また、広義にシバナTriglochin maritimaとする見解もある。
 塩湿地性でやや塩分の低い河口付近で見られる。全国では絶滅危惧種Ⅱ類、愛知県では準絶滅危惧種。
 地下茎は太く、群生する。葉は長さ10~40㎝、幅1.5~5㎜、断面は半円形、肉質で柔らかく、先端は鋭形の鈍端、下部には白い葉鞘がつく。葉鞘の先に長さ3~5㎜の葉舌がある。花茎を伸ばし、先に長さ5~15㎝の穂状花序をつけ、多数の淡黄緑色の花をつける。雄しべは6個、3個ずつ2輪につく。葯は無柄、淡緑色の大きな葯隔がある。花被片は6個、雄しべを包むように3個ずつつく。雌性先熟。花柄は長さ1.5~3㎜、果時には長さ2.5~5㎜になる。果実は分離果、長さ3.5~4.4㎜の長楕円形。2n= 24, 28, 36, 48, 80, 120
[花期] 9~10月
[草丈] 10~40㎝
[生活型] 多年草
[生育場所] 河口付近の塩湿地
[分布] 在来種  北海道、本州、四国、九州、朝鮮、中国、モンゴル、ロシア、インド、ブータン、ネパール、パキスタン、西アジア、中央アジア、(ヨーロッパ、北アメリカ)
[撮影] 豊橋市 06.9.10
【シバナとマルミノシバナ】
 狭義のシバナの果実は長さ3.5~4.4㎜、マルミノシバナ(オオシバナ)の果実は長さ1.5~3.5㎜。Flora of Chinaは広義のシバナの見解であり、海韭菜(hai jiu cai)Triglochin maritimaの果実は長さ3~5㎜であり、狭義のシバナTriglochin asiaticaを指している。アメリカ産はマルミノシバナである。

【狭義のシバナTriglochin maritima=Triglochin asiatica】
 多年草、強健。根茎は短く、丈夫、古い葉の鞘により覆われる。葉は長さ(4~)7~30㎝、幅1~4㎜。花茎は直立し、丈夫、総状花序は密に花をつける。花は短柄、長さ約1㎜(花後は長さ2~4㎜)。花被片は緑色、円形~卵形、長さ約1.5㎜。心皮はすべて稔性。果実は斜上、花茎に伏せず、長楕円状卵形、長さ3~5㎜、幅約2㎜、基部は丸い。花期、果期は6~10月。2n=24, 28, 36, 48, 80, 120。中国、日本、朝鮮、モンゴル、ロシア、ネパール、パキスタン、カザフスタン、キルギスタン、北半球の温帯、寒帯に広く分布。(Flora of Cnina)
【マルミノシバナ(オオシバナ、ヒロハノミサキソウ)Triglochin maritima L.】 
 日本では(北海道、関東地方以北の本州)に分布する。
 英名はArrow grass。高さ3.5~61.5㎝、基部に古い葉の繊維状の残片がある。葉は鞘から直立し、ほとんど花茎より短い。葉は長さ2.2~11.5㎝、葉鞘は長さ0.4~2.5㎝、幅1~1.8㎜、葉舌はたまに、フード状になり、先が2裂し、その葉身は幅0.9~1.4㎜、先は鈍形~円形。花序は花茎がしばしば基部付近が紫色になり、ほとんど葉から突き出る。花茎は長さ1~16.5㎝、幅0.5~1㎜。総状花序は長さ6~45㎝、幅1.5~7㎜。花柄は長さ1~4㎜、幅0.2~0.3㎜。花は花被片が楕円形、長さ1.3~1.7㎜、幅0.6~1.4㎜、先は鋭形、雌しべ6個、すべて稔性。果実は果托(fruiting receptacle)、翼は無い。分離果( schizocarp)は線状倒卵形、弱い尾根があり、長さ1.5~3.5㎜、幅0.7~1㎜、嘴が直立~反曲、長さ約0.2㎜。 2n=12, 24, 36, 48, 120。花期は夏~秋。海岸や山の湿地、湿ったアルカリ性の牧草地。北アメリカ、メキシコ、南アメリカ、ヨーロッパ、アジアに分布する。この分類群は葉舌の裂片と大きさの違いによりTriglochin concinnaとTriglochin maritimaに分けられる。Triglochin concinnaはこれらが小さい。地域的にはこの分類は正当と思われる。しかしながら、アメリカのTriglochin maritima複合体の試験により連続的な変化であることが明らかにされた。小さい、広い場所の植物は分裂しない葉舌をもち、大きい叢生する植物は葉舌が分裂しない。含められた植物はこれらの特性のすべての組み合わせをもつ。(Flora of north America)
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