セリ 芹
Flora of Mikawa
セリ科 Apiaceae セリ属
英 名 | water fennel , water dropwort |
中国名 | 水芹 shui qin |
学 名 | Oenanthe javanica (Blume) DC. |
花 期 | 7~8月 |
高 さ | 20~50(80)㎝ |
生活型 | 多年草 |
生育場所 | 湿地、溝、小川 |
分 布 | 在来種 日本全土、朝鮮、中国、ロシアインド、パキスタン、東南アジア |
撮 影 | 宝飯郡御津町 03.7.12 |
若芽を食用とする。湿地で地下茎を伸ばして広がる。
茎は角張り、3~4綾がある。葉は1~2回3出羽状複葉。小葉には粗い鋸歯がある。葉と対生する花茎の先に、大散形花序をつける。同長の大花柄5~15個の先に同長の小花柄10~25個をつけ、白花を多数つける。托葉はない。総苞片はなく、小総苞片は細い。花弁は5個。雄しべ、雌しべともに長い。花柱は2個。萼歯は5個。果実は2分果、長さ2.5㎜の惰円形、隆条は不明瞭、長い花柱と萼歯が残存する。分果の断面は半円形で中果皮に油管がある。2n=42
多年草、無毛。根はひげ根又は紡錘形~卵形の塊茎。茎は直立し、分枝し、傾伏し、弱く広がり、又は匍匐茎をもち、中空、角(かど)があり、条線があり、基部の伏しから根を出す。根生葉と茎葉は葉柄があり、完全に鞘になる。葉身は1~4回羽状複葉、茎葉に同形又は異形。散形花序は複合、緩く、頂生及び腋生、又は葉に対生。苞は無いか又はたまに1個つく。大散形花序の柄(ray)は4~15(~30)本。小苞は多数。咢歯は明瞭、披針形、柱下体(stylopodium)の長さとほぼ同長。花弁は白色又は淡ピンク色、倒卵形、基部はくさび形、先は凹形、小さな内曲した裂片をもつ。小散形花序の中の外側の花弁は大きくなる(radiant)。柱下体は円錐形。花柱は長くなり、直立又は散開し、果時にときに後屈する。果実は卵形又はほぼ球形、背側又は側部がわずかに扁平になり、無毛。背側と中間の肋はわずかに太くなり、コルク質又はやや突き出し、糸状、ほぼ等長。側部の肋は膨れ、類三角形、コルク質。油管(vittae)は分果(mericarp)の各溝に1本、合成面(commissure)に2本。種子の表面は平坦。果柄(carpophore)は廃れる。
世界に約25~30種があり、アフリカ、アジア、ヨーロッパ、北アメリカに分布する。
ヨーロッパ、トルコ、ロシア、モンゴル原産。英名はfineleaf water dropwort , fine-leaved water dropwort。
品種) 'Variegata' (v)
2 Oenanthe javanica (Blume) DC. セリ 芹
synonym Oenanthe javanica (Blume) DC. var. japonica (Miq.) Honda
synonym Oenanthe decumbens sensu Koso-Pol., excl. basion.
synonym Oenanthe stolonifera Wall. ex DC.
日本全土、朝鮮、中国、ロシアインド、パキスタン、東南アジア原産。中国名は水芹 shui qin。英名はwater fennel , water dropwort。
多年草。高さ20~50(80)㎝。茎は角張り、3~4綾がある。葉は1~2回3出羽状複葉。小葉には粗い鋸歯がある。葉と対生する花茎の先に、大散形花序をつける。同長の大花柄5~15個の先に同長の小花柄10~25個をつけ、白花を多数つける。托葉はない。総苞片はなく、小総苞片は細い。花弁は5個。雄しべ、雌しべともに長い。花柱は2個。萼歯は5個。果実は2分果、長さ2.5㎜の惰円形、隆条は不明瞭、長い花柱と萼歯が残存する。分果の断面は半円形で中果皮に油管がある。2n=42。花期は7~8月。
品種) 'Atropurpurea' , 'Flamingo' (v)
3 Oenanthe linearis Wall. ex DC. イトバゼリ 糸葉芹
synonym Oenanthe javanica (Blume) DC. subsp. linearis (Wall. ex DC.) Murata
中国、台湾、インド、インドネシア、ラオス、ミャンマー、ネパール、ベトナム原産。中国名は线叶水芹 xian ye shui qin。
高さ30~70㎝。根はひげ根又は紡錘形。茎は傾伏し、下部の節から根を出し、不分枝又は上部で少数分枝する。葉は異形、下部の葉は葉柄が長さ1~1㎝。葉身は三角状卵形、長さ3~7㎝×2~5㎝、ほとんどが1回羽状、まれに2回羽状。最終裂片は線形、長さ20~40mm×幅1~2mm、まれに菱状卵形~披針形、長さ5~30mm×幅2~5mm。上部の葉は無柄、1回羽状複葉、羽片は線形、長さ10~40mm×幅1~3mm。散形花序は幅2~4(~5)㎝、しばしば、葉に対生する。花序柄は長さ2~10 ㎝。苞は無いか又は1個、線形。大散形花序の柄(ray)は3~12本、長さ1.5~3㎝、不等長。小苞は3~8個、線形又は線状披針形、長さ3~6mm、不等長。散形花序は花が8~20個つく。花柄は長さ1.5~4mm。咢歯は長さ約0.5mm。花柱は長さ約2mm、後屈する。果実は卵形、約・長さ2mm×幅1.5mm、背と中間の肋は糸状。花期は5~7月。果期は7~8月。
3-1 Oenanthe linearis subsp. linearis
中国、台湾、インド、インドネシア、ラオス、ミャンマー、ネパール、ベトナム原産。
植物は細い。下部の葉は1回状複葉、まれに2回羽状複葉。羽片は線形、長さ20~40mm×幅1~2mm、狭披針形又は菱状卵形、長さ5~30mm×幅2~5mm。果実は背と中間の肋が線形。
3-2 Oenanthe linearis subsp. rivularis (Dunn) C. Y. Wu & F. T. Pu
中国、ラオス原産。中国名は蒙自水芹 meng zi shui qin。
植物は丈夫。下部の葉はほとんどが1回羽状複葉。羽片は菱状卵形、長さ15~30mm×幅5~10mm、縁は欠刻状(incisedI)~不規則に切れ込む。果実の背と中間の肋はわずかに太くなり、コルク質。
3-3 Oenanthe javanica (Blume) DC. subsp. rosthornii (Diels) F.T.Pu
synonym Oenanthe pterocaulon T.S.Liu, C.Y.Chao et T.I.Chuang
中国、台湾、タイ原産。
Oenanthe
Oenanthe
茎は角張り、3~4綾がある。葉は1~2回3出羽状複葉。小葉には粗い鋸歯がある。葉と対生する花茎の先に、大散形花序をつける。同長の大花柄5~15個の先に同長の小花柄10~25個をつけ、白花を多数つける。托葉はない。総苞片はなく、小総苞片は細い。花弁は5個。雄しべ、雌しべともに長い。花柱は2個。萼歯は5個。果実は2分果、長さ2.5㎜の惰円形、隆条は不明瞭、長い花柱と萼歯が残存する。分果の断面は半円形で中果皮に油管がある。2n=42
セリ属
family Apiaceae - genus Oenanthe多年草、無毛。根はひげ根又は紡錘形~卵形の塊茎。茎は直立し、分枝し、傾伏し、弱く広がり、又は匍匐茎をもち、中空、角(かど)があり、条線があり、基部の伏しから根を出す。根生葉と茎葉は葉柄があり、完全に鞘になる。葉身は1~4回羽状複葉、茎葉に同形又は異形。散形花序は複合、緩く、頂生及び腋生、又は葉に対生。苞は無いか又はたまに1個つく。大散形花序の柄(ray)は4~15(~30)本。小苞は多数。咢歯は明瞭、披針形、柱下体(stylopodium)の長さとほぼ同長。花弁は白色又は淡ピンク色、倒卵形、基部はくさび形、先は凹形、小さな内曲した裂片をもつ。小散形花序の中の外側の花弁は大きくなる(radiant)。柱下体は円錐形。花柱は長くなり、直立又は散開し、果時にときに後屈する。果実は卵形又はほぼ球形、背側又は側部がわずかに扁平になり、無毛。背側と中間の肋はわずかに太くなり、コルク質又はやや突き出し、糸状、ほぼ等長。側部の肋は膨れ、類三角形、コルク質。油管(vittae)は分果(mericarp)の各溝に1本、合成面(commissure)に2本。種子の表面は平坦。果柄(carpophore)は廃れる。
世界に約25~30種があり、アフリカ、アジア、ヨーロッパ、北アメリカに分布する。
セリ属の主な種と園芸品種
1 Oenanthe aquatica (L.) Poir.ヨーロッパ、トルコ、ロシア、モンゴル原産。英名はfineleaf water dropwort , fine-leaved water dropwort。
品種) 'Variegata' (v)
2 Oenanthe javanica (Blume) DC. セリ 芹
synonym Oenanthe javanica (Blume) DC. var. japonica (Miq.) Honda
synonym Oenanthe decumbens sensu Koso-Pol., excl. basion.
synonym Oenanthe stolonifera Wall. ex DC.
日本全土、朝鮮、中国、ロシアインド、パキスタン、東南アジア原産。中国名は水芹 shui qin。英名はwater fennel , water dropwort。
多年草。高さ20~50(80)㎝。茎は角張り、3~4綾がある。葉は1~2回3出羽状複葉。小葉には粗い鋸歯がある。葉と対生する花茎の先に、大散形花序をつける。同長の大花柄5~15個の先に同長の小花柄10~25個をつけ、白花を多数つける。托葉はない。総苞片はなく、小総苞片は細い。花弁は5個。雄しべ、雌しべともに長い。花柱は2個。萼歯は5個。果実は2分果、長さ2.5㎜の惰円形、隆条は不明瞭、長い花柱と萼歯が残存する。分果の断面は半円形で中果皮に油管がある。2n=42。花期は7~8月。
品種) 'Atropurpurea' , 'Flamingo' (v)
3 Oenanthe linearis Wall. ex DC. イトバゼリ 糸葉芹
synonym Oenanthe javanica (Blume) DC. subsp. linearis (Wall. ex DC.) Murata
中国、台湾、インド、インドネシア、ラオス、ミャンマー、ネパール、ベトナム原産。中国名は线叶水芹 xian ye shui qin。
高さ30~70㎝。根はひげ根又は紡錘形。茎は傾伏し、下部の節から根を出し、不分枝又は上部で少数分枝する。葉は異形、下部の葉は葉柄が長さ1~1㎝。葉身は三角状卵形、長さ3~7㎝×2~5㎝、ほとんどが1回羽状、まれに2回羽状。最終裂片は線形、長さ20~40mm×幅1~2mm、まれに菱状卵形~披針形、長さ5~30mm×幅2~5mm。上部の葉は無柄、1回羽状複葉、羽片は線形、長さ10~40mm×幅1~3mm。散形花序は幅2~4(~5)㎝、しばしば、葉に対生する。花序柄は長さ2~10 ㎝。苞は無いか又は1個、線形。大散形花序の柄(ray)は3~12本、長さ1.5~3㎝、不等長。小苞は3~8個、線形又は線状披針形、長さ3~6mm、不等長。散形花序は花が8~20個つく。花柄は長さ1.5~4mm。咢歯は長さ約0.5mm。花柱は長さ約2mm、後屈する。果実は卵形、約・長さ2mm×幅1.5mm、背と中間の肋は糸状。花期は5~7月。果期は7~8月。
3-1 Oenanthe linearis subsp. linearis
中国、台湾、インド、インドネシア、ラオス、ミャンマー、ネパール、ベトナム原産。
植物は細い。下部の葉は1回状複葉、まれに2回羽状複葉。羽片は線形、長さ20~40mm×幅1~2mm、狭披針形又は菱状卵形、長さ5~30mm×幅2~5mm。果実は背と中間の肋が線形。
3-2 Oenanthe linearis subsp. rivularis (Dunn) C. Y. Wu & F. T. Pu
中国、ラオス原産。中国名は蒙自水芹 meng zi shui qin。
植物は丈夫。下部の葉はほとんどが1回羽状複葉。羽片は菱状卵形、長さ15~30mm×幅5~10mm、縁は欠刻状(incisedI)~不規則に切れ込む。果実の背と中間の肋はわずかに太くなり、コルク質。
3-3 Oenanthe javanica (Blume) DC. subsp. rosthornii (Diels) F.T.Pu
synonym Oenanthe pterocaulon T.S.Liu, C.Y.Chao et T.I.Chuang
中国、台湾、タイ原産。
参考
1) Flora of ChinaOenanthe
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=110810
2) Jepson eFlora: Taxon pageOenanthe
http://www.plantsoftheworldonline.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:40295-1