シーマニア・シルバティカ  
[別名] シーマニア、グロキシニア
[中国名] 小圆彤 xiao yuan tong
[英名] Bolivian sunset gloxinia , hardy gloxinia
[学名] Seemannia sylvatica (Kunth) Baill.
Gloxinia sylvatica (Kunth) Wiehler
イワタバコ科 Gesneriaceae  シーマニア属
三河の植物観察
シーマニア・シルバティカの花
シーマニア・シルバティカの花前
シーマニア・シルバティカの萼
シーマニア・シルバティカの茎
シーマニア・シルバティカ
シーマニア・シルバティカの花横
シーマニア・シルバティカの葉表
シーマニア・シルバティカの葉裏
 シーマニアはイワタバコ科シーマニア属の園芸品種の総称。シーマニアの名前グロキシニア・シルバティカやシーマニア・ネマタントデスやそのハイブリッドなどが流通している。シーマニア属はグロキシニア属に含められていたこともあるが、最近の研究により、南アメリカの4種が独立したシーマニア属に分類されている。最も多く栽培されているのはグロキシニア・シルバティカである。
 多年草、根茎をもつ。高さ20~40(~60)cm。茎は直立、多数、分枝し、短毛がある。葉は単葉、披針形~反転する槍形、長さ5~16㎝×幅1~2.5㎝以下、薄い肉質~革質、全縁、上面は暗緑色、伏毛があり、葉脈は不明瞭、中脈は淡緑白色。葉の下面は淡緑色、葉柄に向かってローズ赤色~紫赤色を帯び、脈は盛り上がる。葉柄と茎の最上部は淡緑色~ローズ赤色~紫赤色。茎の最上部の葉腋に花を単生(束生)する。花柄は長く、10~12㎝以下。咢は5深裂、裂片は直立~斜上し、平開しない。花冠は筒形、長さ2~4㎝×幅1~1.6㎝、明るい橙赤色~緋色、密に短毛があり、のど部は黄色、褐色の斑点がある。花冠の先は5裂し、裂片は小さな三角形、ときにやや反り返る。蒴果は暗褐色、長さ約1㎝、咢が宿存する。花期は8~2月。
 品種) 'Bolivian Sunset' , 'Redbird' , イエローリップ , グロー = ガーデングロー(花冠裂片が小さく、咢片が淡緑白色)
[花期] 8~2月
[草丈] 20~60cm
[生活型] 多年草
[生育場所] 栽培種
[分布] 外来種 南アメリカ原産
[撮影] 浜松市  18.9.28

 シーマニア属

  Family  Campanulaceae- genus Seemannia

 多年草、長い紐のような根茎の先に、しばしば鱗片のある根茎(鱗茎)をつける。茎は直立又は傾伏sる。葉は対生~互生~輪生、±等葉性(isophyllous)、葉柄がある。葉身は葉脈が3~9対。花は腋生、単生(S. sylvatica以外)、花序柄が無く、小苞がなく、派手。咢片は離生。花冠は筒形又は膨れ、しばしば、口部でくびれ、赤色~橙色~紫色、まれに黄色、筒部の入口に樽形の多細胞の毛状突起をもつ。拡大部は裂片がほぼ等形、全縁。雄しべは4個。葯は密着する。蜜腺は環状。子房は半下位から下位。果実は乾いた嘴のある蒴果。種子は多数、小さい、楕円形。2n = 26。
 世界に4種ある。主に南アメリカのアンデス地方にあり、ボリビア、アルゼンチン北部、ペルー南部に分布し、S sylvaticaはエクアドル北部まで広がる。
 シーマニア属はFritsch(in "Die Naturlichen Pflanzenfamilien" 1893-94)や他の植物学者によって1890年代から正式な属として認められた。しかし、Wiehler (1975)の交配研究に基づき、グロキシニア属をかなり広げて、これに含めることとされた。最近の分子生物学研究により、S. sylvatica, S. purpurascens, S. gymnostoma, S. nematanthodesの4種はグロキシニア属から分離され、独立した別個のグループとされ (Roalson et al. 2005a,b; Boggan 2006)、2012年にシーマニア属とされた。 S. purpurascens と S. sylvaticaは緋色の花をもち( S. sylvaticaは筒の内側が明るい黄色)、鳥媒花であることが示唆される。

【シーマニア属の種】
Seemannia gymnostoma (Griseb.) Toursark
Seemannia nematanthodes (Kuntze) K. Schum
Seemannia purpurascens (Rusby)Wiehler
Seemannia sylvatica (Kunth) Hanst.

 シーマニア属の主な種と園芸品種

 1  Seemannia gymnostoma (Griseb.) Toursark.
   synonym  Gloxinia gymnostoma Griseb
   synonym  Achimenes gymnostoma (Griseb.) Fritsch
 ボリビア、ペルー原産。
 多年草、高さ20~45㎝、全体に密に短毛~微軟毛があり、単列の多細胞の毛をもつ。根茎は肉質の鱗片を持つ。茎は1本、基部で分枝し、ストロンを出さず、赤色を帯びる。葉身は卵状楕円形、変色し、長さ(4~)6~10(~14)㎝×幅(2~)3~5(~8)㎝、縁は鋸歯~重鋸歯又は鋸歯と重鋸歯が重複し、先は鋭形。葉柄は長さ(0.5~)1.5~3㎝。花は腋生し、花柄は長さ4.5~6㎝。咢は鐘形、咢片は類線形、長さ(8~)12~15(~20)㎜×幅1.2~1.5㎜、鈍形、開出~先が反り返る。花冠は筒状鐘形、長さ3~3.5㎝×幅0.7~1.3㎝、のど部の内側にパピラがあり、縁は斜め、フクシア色~紫色、筒部の内側は普通、白色に紫色の斑点がある。裂片は丸みを帯び、縁はやや波状。雄しべは4個、長さ2.5~3.5㎝。仮雄しべは1個。子房は下位、2心皮、1室。蜜腺は環状。花柱は糸状、長さ3~3.5㎝。柱頭は2裂。蒴果は長さ約1㎝、円錐形、先が胞背裂開、縦のうねがあり、咢片が宿存する。種子は多数、小さく、長さ350~400µm、斑紋(縦溝)は螺旋状、対になる。n = 13 (ArViehler, 1972a)。花期は7~10月。
with numerous seeds of 1 mm long

 2  Seemannia nematanthodes (Kuntze) K. Schum.  シーマニア・ネマタントデス
   synonym  Gloxinia nematanthodes (Kuntze) Wiehler
   synonym  Fritschiantha nematanthodes Kuntze
 ボリビア、アルゼンチン北部原産。
 多年草、耐寒性がある。鱗茎をもつ。全体に低く、ランナーを横に伸ばして広がり、高さ15~40㎝、幅1.2m以下、ほぼ無毛~わずかに毛がある。葉は対生し、広楕円形~楕円形、先は鋭形、基部は漸尖形、長さ4~9㎝×幅2~4㎝、縁は全縁~わずかに鋸歯状。葉柄は長さ0.5~1㎝。花は上部の葉腋に腋生。花柄は長さ6~12㎝。咢は鐘形、咢片は長さ約10㎜×幅約2㎜の細い三角状、開出する。花冠は非対称、便腹形、長さ(22~25)35~45㎜×幅10~18㎜、赤色~赤橙色、(腹が黄色)、のど部が黄色で赤色の斑点があり、先が5裂、背側の裂片は三角状、腹側と横の裂片は円い。雄しべは4個。葯は密着(connivent)。花糸は長さ15~20㎜。仮雄しべは1個。子房は下位、心皮は2個、1室、蜜腺は環状。花柱は糸状、長さ2~2.2㎝。柱頭は2裂。蒴果は円錐形、縦にうねがあり、先が裂開し、咢片と花柱は宿存する。種子は非対称、楕円形、長さ300~500μm×幅100~150μm、斑紋(縦溝)は単純で対にならない。n = 13(Wiehler, 1971) 花期は10~3月。
 品種)  'Evita' , Salta
 3  Seemannia purpurascens (Rusby)Wiehler
   synonym  Gloxinia purpurascens (Rusby) Wiehler
   synonym  Fritschiantha purpurascens (Rusby) Kuntze
 ブラジル、ボリビア原産。
 多年草、地上生、高さ50㎝以下又はそれ以上。茎は基部がほぼ木質化、上部は多肉質、直立又はやや弱く、斜上し、軟毛がある。葉はほぼ等しいものが対生又は輪生、葉柄は普通、長さ1㎝より短く、小剛毛がある、葉身は乾くと、紙質、披針形~楕円形、長さ4~7㎝×幅2~9㎝、ふちには細鋸歯があり、縁毛があり、先は鋭形~尖鋭形、基部は鋭形~楔形。上面はまばらに軟毛~ややざらつき、下面は目立つ脈に小剛毛がある。花は総状花序状の茎に単生し、花序柄は無い。花柄は長さ2~4(~7)㎝、小剛毛がある。咢は緑色、裂片は分離、直立又は開出し、ほぼ等長、披針形、長さ0.7~1㎝×幅0.2~0.3㎝、全縁、先は長い尖鋭形、外側は短毛があり、内側にも短毛がある。 花冠は咢の中でわずかに斜め、橙色~ローズ紫色、長さ約3㎝、筒部は円筒形~便腹形、長さ2.5~3.3㎝、基部に距は無く、幅0.4~0.6㎝、中間の上側が便腹形、のど部は口でくびれ、幅0.7~0.8㎝、外側には密に軟毛又は絨毛があり、内側にはまばらに腺毛があり、拡大部は幅約1.2㎝。花冠裂片はほぼ等形、開出し、広三角形、幅と長さともに約1㎜、全縁。雄しべはほぼ突き出さず、花冠の基部から1~2㎜につく。子房は卵状円錐形、長さ2~3㎜×幅3~4㎜、伏した短毛がある。花柱は長さ2~3㎝、短毛がある。柱頭は卵形。蒴果は熟すと褐色、倒円錐形、長さ約5㎜×幅約5㎜。
 品種)  'Bolivian Form' , 'Purple Prince'hybrid

 4  Seemannia sylvatica (Kunth) Baill. シーマニア・シルバティカ(シーマニア・シルウァティカ)
   synonym  Gloxinia sylvatica (Kunth) Wiehler  グロキシニア・シルバティカ
   synonym  Fritschiantha sylvatica (Kunth) Kuntze
   synonym  Seemannia cuneata Rusby
 ペルー、ボリビア、ブラアジル南部、エクアドル、パラグアイ原産。英名は Bolivian sunset gloxinia , hardy gloxinia
 多年草、根茎をもつ。高さ20~40(~60)cm。茎は直立、多数、分枝し、短毛がある。葉は単葉、披針形~反転する槍形、長さ5~16㎝×幅1~2.5㎝以下、薄い肉質~革質、全縁、上面は暗緑色、伏毛があり、葉脈は不明瞭、中脈は淡緑白色。葉の下面は淡緑色、葉柄に向かってローズ赤色~紫赤色を帯び、脈は盛り上がる。葉柄と茎の最上部は淡緑色~ローズ赤色~紫赤色。茎の最上部の葉腋に花を単生(束生)する。花柄は長く、10~12㎝以下。咢は5深裂、裂片は直立~斜上し、平開しない。花冠は筒形、長さ2~4㎝×幅1~1.6㎝、明るい橙赤色~緋色、密に短毛があり、のど部は黄色、褐色の斑点がある。花冠の先は5裂し、裂片は小さな三角形、ときにやや反り返る。蒴果は暗褐色、長さ約1㎝、咢が宿存する。花期は8~2月。
 品種) 'Bolivian Sunset' , 'Redbird' , イエローリップ , グロー = ガーデングロー(花冠裂片が小さく、咢片が淡緑白色)

 5  ハイブリッド
(1) Seemannia nematanthoides (Kuntze) K. Schum. x Seemannia sylvatica (Kunth) Hanst.
 品種) 'Chic' , クリスベルサーモン , クリスベルピンク , クリスベルレッド , フェアリー アン , フェアリー カーラ
(2) S. nematanthodes 'Evita' x S. purpurascens 'Purple Prince'.
 品種) ''Red Prince' (F1 hybrid)
(3) (S. nematanthodes x S. purpurascens) x S. nematanthodes 'Evita'.
 品種) 'Big Red' , 'Little Red'


 参考

1) GRIN
 Seemannia
 https://npgsweb.ars-grin.gov/gringlobal/taxonomygenus.aspx?id=16468
2) Seemannia - The Genera of Gesneriaceae
 Seemannia
 http://www.genera-gesneriaceae.at/genera/seemannia.htm
3) NEW SOUTH WALES FLORA ONLINE
  Seemannias As Bedding Plants
  https://www.gesneriadsociety.org/wp-content/uploads/2016/05/Gleanings2011.09.pdf
4) Gloxinia purpurascens | Flora of the Guianas
  Gloxinia purpurascens
  http://portal.cybertaxonomy.org/flora-guianas/node/2039
5) Citas nuevas o criticas para la flora Argentina II: Gloxinia ...
 Gloxinia gymnostoma y G_nematanthodes Gesneriaceae
 https://www.researchgate.net/publication/297844080_Citas_nuevas_o_criticas_para_la_
   flora_Argentina_II_Gloxinia_gymnostoma_y_G_nematanthodes_gesneriaceae
6)gesneriaceae dumortier - Core
 FLORA DEL VALLE DE LERMA
 https://core.ac.uk/download/pdf/55304340.pdf
 
TOP Back