ササクサ 笹草
Flora of Mikawa
イネ科 Poaceae ササクサ属
中国名 | 淡竹叶 dan zhu ye |
英 名 | bamboo leaf |
学 名 | Lophatherum gracile Brongn. |
花 期 | 8~10月 |
高 さ | 40~80㎝ |
生活型 | 多年草 |
生育場所 | 山地の林内 |
分 布 | 在来種 本州(関東地方以西)、四国、九州、沖縄、朝鮮、中国、台湾、インド、ネパール、スリランカ、インドネシア、カンボジア、マレーシア、ミャンマー、タイ、ベトナム、マダガスカル、オーストラリア |
撮 影 | 西尾市 07.9.9 |
和名は葉がササ(笹)の葉に似ていることによる。利尿・解毒薬として用いられ、淡竹葉(タンチクヨウ)と呼ばれる。
多年草。稈は節のある根茎から房状に出て、細く、堅く、直立し、高さ60~150cm。 葉鞘は無毛または直軟毛がある。葉身は笹の葉形に似て、披針形、長さ5~30㎝×幅2~5㎝、無毛または両面に長毛があり、縁には細かい鋸歯があり、ざらつき、基部は長さ8~12㎜の偽葉柄(pseudopetiole)になる。葉舌は褐色、切形、裏側には剛毛がある。花序は長さ10~25(30)㎝。総状花序(総)は数個、長さ5~10㎝、緩く、針骨で覆われ(spiculate)、小穂は初めは伏し、直立し、後に斜めに広がり、小穂は開出する。小梗(小花柄)は短く、太い。小穂は狭披針形、ほぼ円柱形、長さ7~12㎜、基部は無毛または毛がある。苞穎は卵形、背が丸く、亜革質で縁が膜質。第1苞穎(lower glume)は長さ3~4.5㎜、5脈があり、無毛または縁と先近くに堅い毛がある。第2苞穎(upper glume)は長さ約5㎜、5~7脈があり、無毛。稔性の小花の護穎(lemma)は、真っすぐな背中を持ち、竜骨がなく、長さ6~7㎜。内穎(palea)は披針形、透明。稔性の護穎と不稔の護穎は芒が長さ1.5~2㎜。果実は光沢があり、長さ約4㎜の長楕円形。花期および果期は6~9月。2n=48。
トウササクサは総状花序が短く長さ5㎝以下。小穂の苞穎が広卵形でササクサより幅が広い。果実はややササクサより小さく、長さ3.5㎜の長楕円状紡錘形。
紡錘形の根茎を持つ多年草。 稈は枝分かれしいない。 葉身はすべて茎葉、狭披針形、強い多数の脈があり、明瞭に交差する小脈を持ち、偽葉柄がある。花序は緩くまたは密の片側総状花序であり、中心軸上に間隔を置いてつく。小穂は全体で落ち、小穂は1個、小軸が伸び、第1小花だけが完全で大きく、9個以下(普通、4~6個)の小さな不稔の護穎(lemmas)の束をもち、苞穎と護穎に明瞭な交差小脈がある。両苞穎は等しくなく、5~7脈があり、先は鈍形。稔性の護穎は7脈があり、すべての護穎は後ろ向き(下向き)に細かくザラつく芒があり、不稔の護穎の芒は成熟すると反曲する鈎のファンに発達する。雄しべは2または3個。
世界に2種あり、温帯および熱帯アジアに分布する。
本州(関東地方以西)、四国、九州、沖縄、朝鮮、中国、台湾、インド、ネパール、スリランカ、インドネシア、カンボジア、マレーシア、ミャンマー、タイ、ベトナム、マダガスカル、オーストラリア原産。中国名は淡竹叶 dan zhu ye。英名はbamboo leaf。山地の林内に生える。
多年草。稈は節のある根茎から房状に出て、細く、堅く、直立し、高さ60~150cm。 葉鞘は無毛または直軟毛がある。葉身は笹の葉形に似て、披針形、長さ5~30㎝×幅2~5㎝、無毛または両面に長毛があり、縁には細かい鋸歯があり、ざらつき、基部は長さ8~12㎜の偽葉柄(pseudopetiole)になる。葉舌は褐色、切形、裏側には剛毛がある。花序は長さ10~25(30)㎝。総状花序(総)は数個、長さ5~10㎝、緩く、針骨で覆われ(spiculate)、小穂は初めは伏し、直立し、後に斜めに広がり、小穂は開出する。小梗(小花柄)は短く、太い。小穂は狭披針形、ほぼ円柱形、長さ7~12㎜、基部は無毛または毛がある。苞穎は卵形、背が丸く、亜革質で縁が膜質。第1苞穎(lower glume)は長さ3~4.5㎜、5脈があり、無毛または縁と先近くに堅い毛がある。第2苞穎(upper glume)は長さ約5㎜、5~7脈があり、無毛。稔性の小花の護穎(lemma)は、真っすぐな背中を持ち、竜骨がなく、長さ6~7㎜。内穎(palea)は披針形、透明。稔性の護穎と不稔の護穎は芒が長さ1.5~2㎜。果実は光沢があり、長さ約4㎜の長楕円形。花期および果期は6~9月。2n=48。
1-1 Lophatherum gracile Brongn. f. musashiense (Hiyama) T.Koyama ムサシノササクサ
葉鞘や葉に毛があるもの。
2 Lophatherum sinense Rendle トウササクサ 唐笹草
日本、朝鮮、中国原産。中国名は中华淡竹叶 zhong hua dan zhu ye。小川のそばの日陰の丘の中腹に生える。 多年草。稈は房状になり(株立し)、堅く、直立し、高さ110㎝以下。葉鞘は普通、無毛、ときに開出した毛を散生する。葉身は披針形、長さ15~20㎝×幅3~5㎝、基部は巻き、偽葉柄(pseudopetiole)になる。葉舌は非常に小さい。花序は長さ15~25㎝、総状花序は少なく、離れており、長さ5㎝以下で、密に針骨で覆われ(spiculate)、無柄の小穂が覆瓦状にある。小穂は斜めの卵形、扁平、長さ7~10mm。苞穎(glumes)は広卵形、弱い竜骨があり、5(~7)脈がある。第1苞穎(lower glume)は長さ約4㎜。第2苞穎(upper glume)は長さ約5㎜。稔性の小花の護穎(lemma)は背が凸状(gibbous)になり、広卵形、竜骨があり、長さ約6㎜。内穎(palea)は護穎よりも短い。稔性の護穎と不稔の護穎は芒が長さ約1㎜。果実は長さ3.5㎜の長楕円状紡錘形。花期および果期は8~10月。2n=48。
2-1 Lophatherum sinense Rendle f. leiophyllum T.Koyama ケナシトウササクサ
葉鞘が無毛のもの。
Lophatherum
Lophatherum
Lophatherum
Lophatherum
Lophatherum
多年草。稈は節のある根茎から房状に出て、細く、堅く、直立し、高さ60~150cm。 葉鞘は無毛または直軟毛がある。葉身は笹の葉形に似て、披針形、長さ5~30㎝×幅2~5㎝、無毛または両面に長毛があり、縁には細かい鋸歯があり、ざらつき、基部は長さ8~12㎜の偽葉柄(pseudopetiole)になる。葉舌は褐色、切形、裏側には剛毛がある。花序は長さ10~25(30)㎝。総状花序(総)は数個、長さ5~10㎝、緩く、針骨で覆われ(spiculate)、小穂は初めは伏し、直立し、後に斜めに広がり、小穂は開出する。小梗(小花柄)は短く、太い。小穂は狭披針形、ほぼ円柱形、長さ7~12㎜、基部は無毛または毛がある。苞穎は卵形、背が丸く、亜革質で縁が膜質。第1苞穎(lower glume)は長さ3~4.5㎜、5脈があり、無毛または縁と先近くに堅い毛がある。第2苞穎(upper glume)は長さ約5㎜、5~7脈があり、無毛。稔性の小花の護穎(lemma)は、真っすぐな背中を持ち、竜骨がなく、長さ6~7㎜。内穎(palea)は披針形、透明。稔性の護穎と不稔の護穎は芒が長さ1.5~2㎜。果実は光沢があり、長さ約4㎜の長楕円形。花期および果期は6~9月。2n=48。
トウササクサは総状花序が短く長さ5㎝以下。小穂の苞穎が広卵形でササクサより幅が広い。果実はややササクサより小さく、長さ3.5㎜の長楕円状紡錘形。
ササクサ属
family Poaceae - genus Lophatherum紡錘形の根茎を持つ多年草。 稈は枝分かれしいない。 葉身はすべて茎葉、狭披針形、強い多数の脈があり、明瞭に交差する小脈を持ち、偽葉柄がある。花序は緩くまたは密の片側総状花序であり、中心軸上に間隔を置いてつく。小穂は全体で落ち、小穂は1個、小軸が伸び、第1小花だけが完全で大きく、9個以下(普通、4~6個)の小さな不稔の護穎(lemmas)の束をもち、苞穎と護穎に明瞭な交差小脈がある。両苞穎は等しくなく、5~7脈があり、先は鈍形。稔性の護穎は7脈があり、すべての護穎は後ろ向き(下向き)に細かくザラつく芒があり、不稔の護穎の芒は成熟すると反曲する鈎のファンに発達する。雄しべは2または3個。
世界に2種あり、温帯および熱帯アジアに分布する。
ササクサ属の主な種と園芸品種
1 Lophatherum gracile Brongn. ササクサ 笹草本州(関東地方以西)、四国、九州、沖縄、朝鮮、中国、台湾、インド、ネパール、スリランカ、インドネシア、カンボジア、マレーシア、ミャンマー、タイ、ベトナム、マダガスカル、オーストラリア原産。中国名は淡竹叶 dan zhu ye。英名はbamboo leaf。山地の林内に生える。
多年草。稈は節のある根茎から房状に出て、細く、堅く、直立し、高さ60~150cm。 葉鞘は無毛または直軟毛がある。葉身は笹の葉形に似て、披針形、長さ5~30㎝×幅2~5㎝、無毛または両面に長毛があり、縁には細かい鋸歯があり、ざらつき、基部は長さ8~12㎜の偽葉柄(pseudopetiole)になる。葉舌は褐色、切形、裏側には剛毛がある。花序は長さ10~25(30)㎝。総状花序(総)は数個、長さ5~10㎝、緩く、針骨で覆われ(spiculate)、小穂は初めは伏し、直立し、後に斜めに広がり、小穂は開出する。小梗(小花柄)は短く、太い。小穂は狭披針形、ほぼ円柱形、長さ7~12㎜、基部は無毛または毛がある。苞穎は卵形、背が丸く、亜革質で縁が膜質。第1苞穎(lower glume)は長さ3~4.5㎜、5脈があり、無毛または縁と先近くに堅い毛がある。第2苞穎(upper glume)は長さ約5㎜、5~7脈があり、無毛。稔性の小花の護穎(lemma)は、真っすぐな背中を持ち、竜骨がなく、長さ6~7㎜。内穎(palea)は披針形、透明。稔性の護穎と不稔の護穎は芒が長さ1.5~2㎜。果実は光沢があり、長さ約4㎜の長楕円形。花期および果期は6~9月。2n=48。
1-1 Lophatherum gracile Brongn. f. musashiense (Hiyama) T.Koyama ムサシノササクサ
葉鞘や葉に毛があるもの。
2 Lophatherum sinense Rendle トウササクサ 唐笹草
日本、朝鮮、中国原産。中国名は中华淡竹叶 zhong hua dan zhu ye。小川のそばの日陰の丘の中腹に生える。 多年草。稈は房状になり(株立し)、堅く、直立し、高さ110㎝以下。葉鞘は普通、無毛、ときに開出した毛を散生する。葉身は披針形、長さ15~20㎝×幅3~5㎝、基部は巻き、偽葉柄(pseudopetiole)になる。葉舌は非常に小さい。花序は長さ15~25㎝、総状花序は少なく、離れており、長さ5㎝以下で、密に針骨で覆われ(spiculate)、無柄の小穂が覆瓦状にある。小穂は斜めの卵形、扁平、長さ7~10mm。苞穎(glumes)は広卵形、弱い竜骨があり、5(~7)脈がある。第1苞穎(lower glume)は長さ約4㎜。第2苞穎(upper glume)は長さ約5㎜。稔性の小花の護穎(lemma)は背が凸状(gibbous)になり、広卵形、竜骨があり、長さ約6㎜。内穎(palea)は護穎よりも短い。稔性の護穎と不稔の護穎は芒が長さ約1㎜。果実は長さ3.5㎜の長楕円状紡錘形。花期および果期は8~10月。2n=48。
2-1 Lophatherum sinense Rendle f. leiophyllum T.Koyama ケナシトウササクサ
葉鞘が無毛のもの。
参考
1) Flora of ChinaLophatherum
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=118888
2) Plants of the World Online| KewscienceLophatherum
https://powo.science.kew.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:18425-1
3) World Flora OnlineLophatherum
http://www.worldfloraonline.org/taxon/wfo-4000022188
4) World Checklist of Vascular PlantsLophatherum
https://wcvp.science.kew.org/
5) GRINLophatherum
http://www.narc.gov.jo/GRINGLOBAL/taxonomylist.aspx?category=species&type=genus&value=Lophatherum&id=6952