サギソウ 鷺草

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Flora of Mikawa

ラン科 Orchidaceae サギソウ属

英 名 white egret flower , fringed orchid , sagisō
中国名 狭叶白蝶兰 xia ye bai die lan
学 名 Pecteilis radiata (Thunb.) Raf.
 synonym Habenaria radiata (Thunb.) Spreng.
サギソウ蕾
サギソウ花
サギソウ花
サギソウ
サギソウ花
花 期 7~8月
高 さ 18~37㎝
生活型 多年草
生育場所 日当たりのよい湿地
分 布 在来種 本州、四国、九州、中国
撮 影 葦毛湿原 03.8.31
和名の由来はシラサギが翼を広げたように見えることから。
 多年草、細く、高さ18~37㎝。塊茎は楕円形~ほぼ球形、長さ0.8~2×幅0.5~1㎝。茎は細く、基部に1~2個の筒状の鞘があり、茎葉が3~5個、間隔を空けてつき、上部に1~3個の不稔の苞がある。葉は線形~狭披針形、長さ4~10㎝×幅0.3~0.8㎝、先は尖鋭形。不稔の苞は線形、長さ1.5~4㎝×幅0.2~0.5㎝、先は尖鋭形。花序軸は長さ3.5cm、花が1個または2個つく。花の苞は卵状披針形、長さ7~12㎜、子房より短く、先は尖鋭形。花は白色、大きい。小花柄と子房は長さ10~15㎜、わずかにうねがあり、無毛。背萼片はほぼ直立し、淡緑色で、狭卵形、長さ7~10㎜×幅2~3㎜、5~7脈があり、先は鋭形。側萼片は広がり、淡緑色、狭卵形、わずかに斜め、長さ8~10㎜×幅2~4㎜、5~7脈があり、先は鋭形。花弁は直立し、背萼片と輻合し(connivent)、白色、卵形、斜め、長さ10~12㎜×幅3.5~6㎜、外側の縁は歯~浅い房状へりがあり、先はほぼ鋭形。唇弁は不規則な扇形、長さ13~18㎜×幅16~25㎜。側裂片は斜め扇形、長さ8~12㎜×幅6~10㎜、外側の縁は深い房状へりの不規則な切れ込みがある。中裂片は線形、長さ5~10㎜×幅1~2㎜、わずかに肉質、全縁、先はほぼ鈍形。距は垂れ下がり、真っすぐ~わずかに前側に曲がり、長さ25~40㎜×幅約1.5㎜、細く、先でわずかに広がり、先は鈍形。花期は7~8月。2n=32, 48。

サギソウ属

  family Orchidaceae - genus Pecteilis

 多年草、陸生(地上生)、中型~大型。塊茎は1個または対につき、長円形、楕円形、またはほぼ球形、分裂せず、肉質、数本の細い根をもち。茎は直立し、しばしば丈夫で、葉がつく。茎葉で互生または根生葉のロゼット、卵状楕円形または卵形、わずかに肉質、基部は茎を抱く。花序は頂生、花が1~数個つく。花の苞は大きく、葉状。花は逆さにつき(resupinate)、しばしば大きく、派手で、普通、白色。小花柄と子房は捻じれ、普通、わずかにアーチ状で、狭紡錘形。萼片は離生、それぞれが似ていて、広い。背萼片は直立する。側萼片は斜めになる。花弁は線状披針形、倒披針形、または長円形で、しばしば、萼片より狭く、小さい。唇弁は下に曲がり、不規則ない卵形~扇形、距があり、3深裂する。側裂片は広がり、縁は房状縁状に引き裂かれまたは歯状、またはまれに全縁。中裂片は真っすぐ、線形または広三角形。距は垂れ下がり、真っすぐ~強く曲がり、円筒形、しばしば非常に長く、子房よりもはるかに長い。ずい柱は直立し、短い。葯は直立し、2室あり、室は広い葯隔があり、広く間隔を置く。花粉塊は2個、顆粒状~粉状(granular-farinaceous)、小塊がある(sectile:細かくなる)。花粉塊柄(caudicle)は細い。粘着体(viscidium)は小さく、それぞれが嘴状体(rostellum)のアームの端にある筒状の折り目に隠される。側部の付属体は2個あり、楕円形で、小さく、葯の基部につく。嘴状体は3裂、側裂片は長く、先細り、中裂片は鈍形。柱頭の裂片は唇弁の基部につき、合着し、凸状、無柄。
 世界に約10種あり、東南アジア、ヒマラヤ、ロシア、熱帯アジアに分布する。

サギソウ属の主な種と園芸品種

1 Pecteilis radiata (Thunb.) Raf. サギソウ 鷺草
 本州、四国、九州、中国原産。中国名は狭叶白蝶兰 xia ye bai die lan。英名はwhite egret flower , fringed orchid , sagisō。日当たりのよい湿地に生える。
 多年草、細く、高さ18~37㎝。塊茎は楕円形~ほぼ球形、長さ0.8~2×幅0.5~1㎝。茎は細く、基部に1~2個の筒状の鞘があり、茎葉が3~5個、間隔を空けてつき、上部に1~3個の不稔の苞がある。葉は線形~狭披針形、長さ4~10㎝×幅0.3~0.8㎝、先は尖鋭形。不稔の苞は線形、長さ1.5~4㎝×幅0.2~0.5㎝、先は尖鋭形。花序軸は長さ3.5cm、花が1個または2個つく。花の苞は卵状披針形、長さ7~12㎜、子房より短く、先は尖鋭形。花は白色、大きい。小花柄と子房は長さ10~15㎜、わずかにうねがあり、無毛。背萼片はほぼ直立し、淡緑色で、狭卵形、長さ7~10㎜×幅2~3㎜、5~7脈があり、先は鋭形。側萼片は広がり、淡緑色、狭卵形、わずかに斜め、長さ8~10㎜×幅2~4㎜、5~7脈があり、先は鋭形。花弁は直立し、背萼片と輻合し(connivent)、白色、卵形、斜め、長さ10~12㎜×幅3.5~6㎜、外側の縁は歯~浅い房状へりがあり、先はほぼ鋭形。唇弁は不規則な扇形、長さ13~18㎜×幅16~25㎜。側裂片は斜め扇形、長さ8~12㎜×幅6~10㎜、外側の縁は深い房状へりの不規則な切れ込みがある。中裂片は線形、長さ5~10㎜×幅1~2㎜、わずかに肉質、全縁、先はほぼ鈍形。距は垂れ下がり、真っすぐ~わずかに前側に曲がり、長さ25~40㎜×幅約1.5㎜、細く、先でわずかに広がり、先は鈍形。花期は7~8月。2n=32, 48。
品種) 'Albomarginata' (v) , 'Akatuki' 暁 , 'Amanogawa' 天の川 , 'Aureomarginata' (v) , 'Gyokuryuuka'玉竜花 , 'Ginga'銀河 , 'Kinbosi'金星 , 'Hisyo'飛翔 , 'Jyoue' 浄衣 , 'Kagayaki'かがやき , 'Miyabi'雅 , 'Tri-heron' , 'Variegata'

参考

1) Flora of China
 Pecteilis
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=124216
2) Plants of the World Online| Kewscience
 Pecteilis
https://powo.science.kew.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:30285-1
3) World Flora Online
 Pecteilis
http://www.worldfloraonline.org/taxon/wfo-4000028387
4) World Checklist of Vascular Plants
 Pecteilis
https://wcvp.science.kew.org/