ルリタマアザミはキク科ヒゴタイ属の栽培品種。いくつかの品種があり、花は青色の他、白色もある。花はアザミの頭花に似るが、1小花の頭花が多数、集合したほぼ球形の偽頭花(pseudocephalia）である。
　多年草、高さ20～60㎝。茎は1本又は束生、帯白色～灰白色、分枝しない又は先で分枝し、密にクモ毛又は羽毛状の毛が密にある。葉は革質、下面は帯白色～灰白色、、密にクモ毛～厚い羊毛状の毛があり、上面は緑色又はまばらにクモ毛がある。根生葉と下部の茎葉は葉柄があり、葉身は楕円形～倒披針形～線状楕円形、長さ8～20㎝×幅2～8㎝、羽状深裂又は羽状全裂、下部の裂片は刺に変わり、上部の裂片は楕円形～披針形、5～8対、刺があり、先端にも刺のある三角形の歯をもつ。中間と上部の茎葉は似ているが、無柄、ときに2回羽状全裂する。偽頭花は散房花序につき、まれに単生し、直径3.5～4.5㎝。頭花は長さ1.2～1.7㎝。総苞片は20又は21個、外面は無毛。最も外側の総苞片は倒披針形長さ3～4㎜、総苞の長さの1/5～1/4、上部は広楕円形、軟骨質、短い縁毛があり、先は尖鋭形。中間の総苞片は楕円形～倒披針形、長さ1.3～1.5㎝、上半部に長い開出した縁毛があり、先は小刺があり、尖鋭形。内総苞片は短い。花冠は青色(まれに白色)、筒部は外側に腺点がある。痩果は長さ約5.5㎜、褐色の毛がある。冠毛の鱗片は線形、長さ約1.2㎜、下半部が合着する。花期と果期は6～8(寒冷地7～9)月。2n=30, 32。

ヒゴタイ(エキノプス)属

　　family Asteraceae － genus Echinops

　多年草、まれに1年草。高さ100～200㎝、茎は直立、普通、先で分枝し、ほとんどにクモ毛～羊毛状の毛又は腺毛、又は両方ともある。根生葉と茎葉があり、葉柄は無又は有、葉身の縁は歯状～羽状、1～3回羽状浅裂又は分裂、裂片と歯には刺がある。葉面は±綿毛があり、ときに腺がある。偽頭花(pseudocephalia：頭花が多数、集合したほぼ球形花序)は普通、単生、茎や枝に頂生、まれに、束生、基部に苞がある。これは1小花よりなる頭花がさらに多数密集したものである。頭花（capitula）は中心小花頭花（discoid）、多数つき、脱落性、各1小花をもち、無柄、花序柄のある球形の2次花托につく。2次の総苞は反り返り、不規則に切れ込み羽状中裂した苞である。1次の総苞は楕円形で、剛毛（基部の総苞片）が基部につく。総苞片は多数、数列につき、不等形、披針形（外側=中総苞片は竜骨があり、上部には縁毛があり、先に普通、刺がある）～線形(内側=内総苞片はしばしば、短く、刺が無く、分離から完全に合着する。)、全縁、ときに先は広がり、縁飾りがあり、先端に刺は無い。花托はこま形、長い錐形の鱗片をもつ。小花は1次の頭花に、1個つく。花冠は白色～緑青灰色、青色、又は紫色、筒部は長く、のど部は極短く、裂片は線形。葯は青灰色、基部が鋭い尾状、先の付属体は狭三角形、鋭形。花柱は分枝し、融合部分は微細な毛の輪をもち、分離部分は広がり、線状長楕円形。痩果は±円筒形、4角(かど)があり、先は±切形、長い真っすぐな伏せる又は斜上する多細胞の毛で覆われ、基部に付着痕がある。冠毛の鱗片は多数、短く、分離～合着、先の盤に直接つく。x=13, 14, 15, 16。
　世界に約217種があり、アフリカ、アジア、ヨーロッパに分布する。
　

ヒゴタイ属の主な種と園芸品種

1 Echinops bannaticus Rochel ex Schrad.　エキノプス・バンナティクス
　ヨーロッパ南東部原産。英名はglobe thistle , blue globe-thistle。
　多年草、直立、叢生する。高さ120㎝、まれに180㎝になる。茎は丈夫で、ときに分枝する。葉は刺があり、深裂し、長さ35㎝以下、上面は粗く、緑色、下面は羽毛状の白色。球形のアザミに似た灰青色の偽頭花は茎頂につき、直径5㎝以下。花期は夏。
品種)　 'Albus' , 'Arctic Glow' , 'Blue Globe' , 'Blue Glow' , 'Blue Pearl' , 'Star Frost' , 'Taplow Blue' , 'The Giant'

2 Echinops davuricus Fisch. ex Hornem.　オクルリヒゴタイ　奥瑠璃平江帯
　　synonym　Echinops latifolius Tausch
　中国、モンゴル、ロシア原産。中国名は驴欺口 lü qi kou。草原、開けた森林に生える。
　多年草、高さ30～60㎝。茎は灰白色、分枝しないか、または1～2本の短い枝があり、葉柄が繊維状になり基部に残り、まばらにクモ毛～羊毛状毛があり、または下部は無毛、合成花序の下に密にクモ毛～厚い羊毛状毛がある。葉は紙質、下面は灰白色で、密にクモ毛～厚い羊毛状毛があり、上面は緑色で無毛、またはまばらにクモ毛がある。根生葉と茎葉は長い葉柄があり、葉身は±狭楕円形～披針状楕円形、長さ15～35㎝×幅8～18㎝、2回羽状深裂、半抱茎。羽片は4～8対、裂片は全縁であるか、少数の三角形の刺のある歯があり、先は長い尖鋭形。 最上部の茎葉は無柄、羽状浅裂または羽状中裂、半抱茎。偽頭花(pseudocephalia)は 1～3個、直径3～5.5㎝。頭花は長さ約1.9㎝。総苞片は14～17個、外面は無毛。最も外側の総苞片は鱗片状、倒披針形、長さ約7㎜、総苞の長さの約2/5倍、上部は広菱形～楕円形、縁は長い縁毛があり、先は短い尖鋭形。中間の総苞片は倒披針形、長さ1～1.3㎝、縁にはまばらに短い縁毛があり、最大幅から急に狭まり、先は長い刺がある。内側の総苞片は狭楕円形、長さ約1.5㎝、縁の上部には短い縁毛があり、先は刺のある尖鋭形。花冠は青色、筒部の外側に腺点がある。痩果は長さ約7mm。冠毛は線形の鱗片、長さ約1.2㎜、下半部が合着する。花期と果期は6～9月。

3 Echinops dissectus Kitag.　オニルリヒゴタイ　鬼瑠璃平江帯
　朝鮮、中国、ロシア原産。中国名は东北蓝刺头 dong bei lan ci tou。林縁、湿った草原、日当たりの良い石の多い斜面、川の縁に生える。
　多年草、高さ1.5～2m。茎は単生、帯白色～灰白色、分枝しないか、または先でわずかに分枝し、まばらにクモ毛があり、下半分に密に剛毛があり、合生花序の下で密にクモ毛～厚い羊毛状毛がある。 葉は±薄紙質、下面は灰白色で、密にクモ毛～厚い羊毛状毛があり、上面は緑色、無毛。中部および上部の茎葉は長い葉柄があり、葉身は倒披針形、長さ16～18㎝×幅4～6㎝、羽状深裂～羽状中裂、下部の裂片は刺に変わり、上部の裂片は3～4対、三角形～披針形、縁には刺状の縁毛または三角形の刺のある歯がある。最上部の茎葉は似ていますが、小さい。偽頭花は1～3個、直径5～6㎝。頭花は長さ2～2.4㎝。総苞片は約23個、外面は無毛。 最も外側の総苞片は倒披針形、長さ5～6㎜、不等長、総苞の長さの約1/4、鉤爪の縁は長い縁毛があり、上部は帯褐色、菱形、縁は縁毛があり、先は短い尖鋭形。中間の総苞片は倒披針形、長さ1.4～1.6㎝、縁は短い縁毛があり、最大幅から先が狭まり、先には刺のある芒がある。内側の総苞片は狭楕円形、先には歯がある。花冠は青色、筒部の外面には上半部に腺点がある。痩果は長さ約6㎜、毛は帯黄色。冠毛は線形の鱗片、長さ約1.4㎜、基部で合着する。花期と果期は7月～8月。

4 Echinops gmelinii Turcz.　コルリヒゴタイ　小瑠璃平江帯
　中国、モンゴル、ロシア原産。中国名は砂蓝刺头 sha lan ci tou。山の斜面、砂漠の草原、黄土の丘、浸水箇所の砂利の多い場所に生える。
　一年草、高さ10～90㎝。 茎は単生、黄色がかっており、下半分に枝があり、ほとんど分枝せず、まばらに腺毛があるか、無毛。葉は紙質、緑色、両面が同色で、両面にまばらにクモ毛があり、腺毛がある。下部の茎葉は無柄、線形～線状披針形、長さ3～9㎝×幅約0.5㎝、半抱茎、縁は刺のある歯と小刺がある。中部と上部の茎葉は似ているが、上ぶでは次第に小さくなる。偽頭花は1～数個、直径2～3㎝。頭花は長さ1.2～1.4㎝。総苞片16～20個。最も外側の総苞片は倒披針形、長さ約1㎝、総苞の長さの1/2未満、爪部は外面の基部にクモ毛があり、縁に縁毛があり、中間付近で縁毛が最も長く、上部は褐色、広楕円形、外面には密に剛毛があり、先は小刺のある尖鋭形。中総苞片は倒披針形、長さ約1.3㎝、外面は剛毛があり、基部にはクモ毛があり、縁の上部半分には短い繊縁があり、最大幅狭まり、先は刺がある。 内総苞片は狭楕円形、先には歯がある。花冠は青色または白色、筒部に腺点は無い。痩果は長さ約5㎜、毛は暗黄色。冠毛は線形の鱗片、長さ約1.2㎜、基部で合着する。花期と果期は6～9月。

5 Echinops grijsii Hance　タカサゴルリヒゴタイ　高砂瑠璃平江帯
　中国、台湾原産。中国名は华东蓝刺头 hua dong lan ci tou。草原に生える。
　多年草、高さ30～80㎝。茎は単生し、通常は先で分枝し、密に厚くクモ毛があり、基部には繊維状の葉柄が残る。葉は紙質、下面は帯白色～灰白色、密にクモ毛～厚い羊毛用の毛があり、上面は緑色、無毛、腺は無い。根生葉と下部の茎葉は長い葉柄があり、葉身は±狭楕円形、卵形、または卵状披針形、長さ10～15㎝×幅4～7㎝、羽状深裂し、裂片は4～5(～7)対、卵状三角形～線状楕円形、縁には細かく密に小刺がある。中部の茎葉は似ているが、短い葉柄があるかまたは無柄。偽頭花は1～数個、直径約4㎝。頭花は長さ1.5～2㎝。総苞片は24～28個、無毛、外面に腺点はない。最も外側の総苞片は多数、倒披針形、長さ7～8㎜、不等長、総苞の長さの約1/2、爪部の縁は下半分に長い縁毛があり、上部は褐色、広楕円形、縁には短い縁毛がある。中間の総苞片は狭楕円形、長さ約1.3㎝、上部は中央から刺状の先端へと次第に狭まり、縁には短い縁毛がある。内側の総苞片は狭楕円形、長さ約1.5㎝、先に歯がある。小花は長さ約1㎝、花冠は白色、筒部のの外側に腺点がある。痩果は長さ約1㎝、毛は黄褐色。冠毛は線形の鱗片、長さ約3㎜、ほぼ全体が合着する。花期と果期は7～10月。2n=32+2B。

6 Echinops pseudosetifer Kitag.　トウルリヒゴタイ　唐瑠璃平江帯
　中国原産。中国名は羽裂蓝刺头 yu lie lan ci tou。山の斜面に生える。
　多年草、高さ50～100cm。茎は灰色がかった白色で、分枝はなく、または先端に短い枝があり、基部には繊維状の葉柄が残り、下半部には剛毛があり、クモ毛～羊毛状の毛があり、合成花序の下では、密に厚いクモ毛～羊毛状の毛がある。葉は紙質、下面は帯白色～灰白色、厚くクモ毛～密に羊毛状の毛があり、上面は緑色、普通、無毛。根生葉と下部の茎葉は長い葉柄があり、葉身は楕円形、長さ25～30㎝×幅8～13㎝、羽状深裂し、基部は広がり、半抱茎、裂片は5～8対、楕円形～狭披針形で、片側に1個または複数の三角形の刺ある歯がある。中部と上部の茎葉は似ているが、無柄で、羽状浅裂または羽状中裂し、半抱茎。 偽頭花は1～7個、直径約6㎝。頭花は長さ1.9～2.1㎝。総苞片は18～22個、外面は無毛。 最も外側の総苞片は倒披針形、長さ7～8㎜、総苞の長さの1/3～2/5、爪部の縁は短い縁毛があり、上部は褐色、菱形～広楕円形、縁は短い縁毛がある。 中総苞片は倒披針形～狭倒披針状楕円形、長さ1.3～1.8㎝、縁には短い縁毛があり、最大幅から刺のある先端へと急に狭まる。内総苞片は線形、長さ約1.5㎝。花冠は青色、外側の先に腺点がある。痩果は長さ約6.5㎜、毛は帯黄色。冠毛は線形の鱗片、長さ約2㎜、基部で合着する。花期と果期は8～9月。

7 Echinops ritro L.　 ルリタマアザミ　瑠璃玉薊
　　中国、モンゴル、ロシア、カザフスタン、トルクメニスタン、西南アジア、ヨーロッパ原産。中国名は硬叶蓝刺头 ying ye lan ci tou。英名はsmall globe thistle , blue hedgehog , globethistle。山の斜面の砂利地に生える。
　多年草、高さ20～60㎝。茎は1本又は束生、帯白色～灰白色、分枝しない又は先で分枝し、密にクモ毛又は羽毛状の毛が密にある。葉は革質、下面は帯白色～灰白色、、密にクモ毛～厚い羊毛状の毛があり、上面は緑色又はまばらにクモ毛がある。根生葉と下部の茎葉は葉柄があり、葉身は楕円形～倒披針形～線状楕円形、長さ8～20㎝×幅2～8㎝、羽状深裂又は羽状全裂、下部の裂片は刺に変わり、上部の裂片は楕円形～披針形、5～8対、刺があり、先端にも刺のある三角形の歯をもつ。中間と上部の茎葉は似ているが、無柄、ときに2回羽状全裂する。偽頭花(pseudocephalia）は散房花序につき、まれに単生し、直径3.5～4.5㎝。頭花は長さ1.2～1.7㎝。総苞片は20又は21個、外面は無毛。最も外側の総苞片は倒披針形長さ3～4㎜、総苞の長さの1/5～1/4、上部は広楕円形、軟骨質、短い縁毛があり、先は尖鋭形。中間の総苞片は楕円形～倒披針形、長さ1.3～1.5㎝、上半部に長い開出した縁毛があり、先は小刺があり、尖鋭形。内総苞片は短い。花冠は青色(まれに白色)、筒部は外側に腺点がある。痩果は長さ約5.5㎜、褐色の毛がある。冠毛の鱗片は線形、長さ約1.2㎜、下半部が合着する。花期と果期は6～8(寒冷地7～9)月。2n=30, 32。
　5亜種がある。中国のものはEchinops ritro subsp. ruthenicusである。
品種)　'Baby Globes' , 'Blue Cloud' , 'Bright Stone' (PBR) , 'Charlotte' , 'Moonstone' , 'Sea Stone' , 'Taplow Blue' , 'Veitch's Blue' ベッチーズ・ブルー（濃青色）, 'White Globe'
7-1 Echinops ritro var. elbursensis (Rech.f.) Parsa
　イランに分布。
7-2 Echinops ritro subsp. meyeri (DC.) Kozuharov
　　synonym　Echinops meyeri (DC.) Iljin
　ロシア(東部～南部、シベリア)、カザフスタン、ウズベキスタンに分布。
7-3 Echinops ritro subsp. ritro
　ヨーロッパ、トルコ、カザフスタン、トルクメニスタン、モンゴル、ロシアに分布。
7-4 Echinops ritro subsp. ruthenicus (M.Bieb.) Nyman
　　synonym　Echinops ruthenicus M. Bieberstein
　ヨーロッパ中部～東部、西アジア～中央アジアに分布。英名はsmall globe thistle , ruthenian globe thistle。
　葉は根生葉と茎葉、葉柄にい翼があり、茎中間の茎葉は±抱茎。葉身は楕円形～倒卵形、縁は中脈近くまで2回羽状分裂、裂片は線形～長円形、刺のある鋸歯縁、先端に刺があり、下面には白色の綿毛があり、上面は緑色、まばらに粘る腺があり、上部の茎葉は小さく、ほとんど分裂しない。2次頭花は直径3.5～4.5㎝。総苞は長さ15～20㎜。内総苞片はラベンダー色、先は漸尖形、細鋸歯縁、ざらつき、腺は無い。花冠は青色～紫色（白色）。痩果は長さ約6㎜。冠毛は±合着し、小さなあごのある鱗片、長さ約1㎜。2n=32(ギリシャ)。花期は6～8月（Flora of North America）。
品種)　 'Platinum Blue'
7-5 Echinops ritro subsp. sartorianus (Boiss. & Heldr.) Kozuharov
　　synonym　Echinops sartorianus Boiss. & Heldr.
　ギリシャに分布。
7-6 Echinops ritro subsp. thracicus (Velen.) Kozuharov
　　synonym　Echinops thracicus Velen.
　ブルガリアに分布。

8 Echinops setifer Iljin　ヒゴタイ　平江帯
　日本（岐阜県、広島県、九州）、朝鮮、中国原産。中国名は糙毛蓝刺头 cao mao lan ci tou 。山地の斜面に生える。
　多年草、高さ1～2m。茎は1本、帯白色～灰白色、不分枝又は先で短く分枝し、基部に長い多細胞の毛が密にあり、まばらにクモ毛があり、合成花序の下部は密に厚く、クモ毛～羊毛状の毛がある。葉は紙質、下面は帯白色～灰白色、上面は緑色でまばらに剛毛があるが、脈に密にクモ毛～厚い羊毛状の毛があり、密に長い褐色の多細胞の毛がある。根生葉と下部の茎葉は短柄があり、葉身は楕円形～倒披針状楕円形、長さ15～25㎝×幅7～14㎝、2回羽状全裂する。裂片は5～7対、狭楕円形～倒披針状三角形、刺と刺のある歯がある。中間と上部の茎葉は羽状深裂。最上部の茎葉は狭楕円形。偽頭花(pseudocephalia）は1～3個、直径4～5㎝。頭花は長さ約2㎝。総苞片は17～22個、外面は無毛。最も外側の総苞片は倒披針形、長さ8～9㎜、不等形、総苞の長さの約1/2、爪部の縁の上半部に長い縁毛があり、上部は褐色、広楕円形、縁毛はまばら、先は小刺状尖鋭形。中総苞片は倒披針形、縁毛があり、最大幅から急にくびれ、長さ1.4～1.6㎝、先端に刺がある。内総苞片は楕円形、長さ1.5㎝、先は歯状。花冠は青色、長さ約1.3㎝、筒部の外側にはまばらに腺点がある。痩果は長さ約7㎜、帯黄色の毛がある。冠毛の鱗片は線形、長さ約2㎜、下部半分が合着する。花期と果期は8～9月。
　※愛知県絶滅種。
　東三河地方の草地で1967年、1970年に採取された標本があるが、現存は確認できない。
一回開花性の大型の草本。茎は直立し、多少分枝し、高さ1m内外で、密に白い毛がある。葉は互生し、長い葉柄がある。葉身は長楕円形で羽状深裂し、長さ15～25㎝、辺縁に短い刺針があり、裏面は綿毛におおわれて白色。頭花はるり色で1個の筒状花からなり、集まって直径5㎝内外の球状で固い花序（(pseudocephalia）を作る。各頭花は無柄で、基部に剛毛があり、総苞は長さ14～21㎜。そう果は円柱形、冠毛は互いに合着して冠状となる。花期は8～10月(レッドデータブック愛知2001)。

9 Echinops siculus Strobl　エキノプス・シクルス
　　synonym　Echinops ritro subsp. siculus (Strobl) Greuter
　イタリア、シチリア島、マルタ島、ギリシャ原産。英名はSicilian globe thistle。
　多年草。高さ1～1.5m。葉は深裂し、中央部の幅は1～2㎝、上面はクモ毛があり、質が薄く、面に刺は無く、下面は白色の綿毛があり、縁に長さ2～4㎜の硬い刺がある。花序は偽頭花、直径3～4c㎝、紫青色。 花期は5～8月。

10 Echinops sphaerocephalus L.　セイタカヒゴタイ　背高平江帯
　中国、ロシア、カザフスタン、アジア南西部、ヨーロッパ原産。中国名は蓝刺头 lan ci tou 。英名はglandular globe thistle , globe thistle , great globe thistle。林縁、水辺、畑に生える。
　多年草、高さ0.5～1.5m。茎は1本、分枝し、密に長い多細胞の毛とまばらにクモ毛がある。葉は紙質、下面は灰白色、まばらにクモ毛～羊毛状の毛があり、長い多細胞の毛が混じる。上面は緑色、密に剛毛がある。根生葉と下部の茎葉は葉柄がある。葉身は広披針形、長さ15～24㎝×幅5～10㎝、羽状中裂。裂片は3～5対、三角形～披針形、縁の歯に刺があり、先は尖鋭形、刺がある 。上部の茎葉は無柄、上部ほど次第に小さくなる。偽頭花は1～3個つき、直径4～4.5㎝。総苞片は14～18個。最も外側の総苞片は狭倒披針形、長さ約1㎝、総苞の長さの約1/2、爪部に長い縁毛があり、上側の部分は褐色、広楕円形、外面に密に剛毛と腺点があり、長い縁毛があり、先は尖鋭形、小さい刺がある。中総苞片は倒披針形～狭楕円形、長さ約1.2㎝、外側は密に剛毛があり、長い縁毛がある。内総苞片は披針形、外側は密に剛毛があり、先には歯がある。花冠は青色～白色、花冠筒部の外側には腺点は無いか又はまばらに腺点がある。痩果は長さ約7㎜、毛は帯黄色。冠毛は鱗片、長さ約1.2㎜、ほとんど全体が合着。花期と果期は8～9月。2n=30, 32。
品種）　 'Arctic Glow'

11 Echinops tournefortii Trautv.　エキノプス・トゥルネフォルティー
　トルコ、アルメニア、イラン原産。
　多年草、茎は高さ1m以下、白色の綿毛があり、頭花のすぐ下に葉はない。葉は刺が多く、凹頭又は羽状全裂、上面はクモ毛があり、下面は綿毛があり白色、脈に腺がある。腺毛（penicillum）は密でなく、頭花の長さの1/2以下。総苞片の全ては離生、外総苞片と中総苞片は縁に長く、硬く、開出する、先の尖った縁毛をもち、先に、まばらに、小さな短柄のある腺をもつ。花冠は青色。
品種)　'Albus'

12 その他ハイブリッド
品種）　'Nivalis' , 'Real Stone' , 'Red Stone' , 'Star Frost'

参考

1) Flora of China
　Echinops 2) Flora of North America
　Echinops 3) GRIN
　Echinops