ラッパバナ 喇叭花

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Flora of Mikawa

ナス科 Solanaceae ラッパバナ属

別 名 カップオブゴールド、ソランドラ・グランディフロラ、ピーチカラードトランペットフラワー
英 名 showy chalicevine , papaturra , peach-coloured trumpet flower , chalice vine , cup of gold
学 名 Solandra grandiflora Sw.
ラッパバナの花2
ラッパバナ花3
ラッパバナの花冠
ラッパバナの雌しべ、雄しべ
ラッパバナの咢
ラッパバナの茎
ラッパバナ
ラッパバナ花
ラッパバナの葉
花 期 10~12月
高 さ 長さ8~10m
生活型 つる性木
生育場所 栽培種
分 布 外来種 南アメリカ、北アメリカ(メキシコ)原産。
撮 影 浜松フラワーパーク   20.2.17.
ラッパバナは熱帯アメリカに自生するつる性の観賞植物。花がラッパのように大きく、芳香がある。類似種にウコンラッパバナがあり、混同されやすい。ウコンラッパバナは花が大きく、葯も大きい。
 つる性木、長さ8~10mに達する。茎は円筒形、無毛、多数のシュート、側枝をもち、樹皮は灰色、乾くとしわがあり、わずかに皮目がある。葉は互生又はシュートの側枝の先に密集し、長さ6.5~14㎝×幅3.2~7.3㎝、倒卵形、へら形、又は広楕円形、無毛、革質、先はほとんど円形、微突頭、基部は漸尖形、縁は外巻き、全縁、上面は光沢があり、葉脈は平ら、下面は薄緑色、葉脈が目立つ。葉柄は無毛、細く、長さ2~5.5㎝。花は単生、短い側枝の先につく。花柄は無毛、太く、咢から明瞭に区別できない。咢は緑色、筒状鐘形、無毛、長さ4~10㎝、角(かど)が膨れる。花冠は杯形(cyathiform)、長さ14~23㎝、緑白色又は黄色、数本の栗色の線が内側にある。花冠筒部は広がった部分より短いか又は同長。花冠の拡大部は幅6~8.5㎝、5裂する。裂片は波打ち、多少、外巻き。雄しべは花冠と同長。葯は長さ7~10㎜。液果は革質~木質、凹んだ卵形、長さ約3㎝、基部に割れて、宿存する咢をもつ。花期は10~12月。

ラッパバナ属

  family Solanaceae - genus Solandra
 
低木のよじ登るつる性植物又は半着生植物、高さ数m、刺は無い。茎は普通、無毛、樹皮は裂け目がある。。葉はほとんど互生、単葉、革質、全縁、無毛または軟毛があり、腺の無い単純毛又は分岐毛があり、普通、腺毛がある。葉柄がある。花序は小枝や短いシュートの先に頂生し、花が1~数個、束生する。花は大きく(38㎝以下)、5数性、通常、芳香があり、わずかに左右相称(花冠および雄しべ群)。花柄は強く、小枝の上に痕を残す。咢は鐘形~筒形、頻繁に角(かど)があり、ときに3本の竜骨があり、無毛または軟毛があり、2~5裂又は不規則に分裂する。咢片は長円形、先は鋭形。 花冠は鐘形、杯形(cyathiform)、噴火口形(crateriform)、又は漏斗形、わずかに左右相称、基部に筒部があり、長さ13~38㎝、幅7~10㎝、肉質、帯白色~帯黄色~橙色、紫色の脈があり、先は5裂する。裂片は短く、幅広、円形、全縁又は不規則に切れ込み、蕾中では重なり、花時に普通、反曲する。雄しべは5本、ほぼ等長、花冠筒部の半部以下につき、花冠から突き出ず、又はわずかに突き出す。花糸は細く、曲がり、長く6~13㎜、通常、基部に軟毛がある。葯は底着、ソラマメ形、4室、先は微突頭でなく、縦に裂開する。心皮は2個。子房は半下位、4室ときに部分的に2室。胚珠は各室に多数。花柱は傾斜し、細く、雄しべよりも長い。柱頭は球形、小さく2裂。果実は革質の液果、円錐状ナシ形(円錐形~卵形)、肉質、長さ4~6㎝、咢は宿存し、果時に割れ、咢からわずかに果実が突き出す。 種子は多数、偏平な円盤形又は腎形、大きい。
 世界に9~10種あり、メキシコ北部からブラジル南部やアンティル諸島に分布する。アメリカ大陸の属であり、ほとんどの種はメキシコに生息する。ブラジルには2種、ニカラグアに2種ある。一部は汎熱帯観賞植物として栽培されている。

ラッパバナ属の主な種と園芸品種

1 Solandra grandiflora Sw.  ラッパバナ 喇叭花
  synonym Datura sarmentosa Lam.
  synonym Datura scandens Vell
 南アメリカ(ジャマイカ、プエルトリコ、コスタリカ、エルサルバドル、グアテマラ、ホンジュラス、ニカラグア、パナママ、ベネズエラ、ブラジル、コロンビア)、北アメリカ(メキシコ)原産。ブラジル最南端のリオグランデドスル州からパナマ~ホンジュラス~メキシコまで、そしてアンティル諸島(ジャマイカ)にも見られる。属の中で分布域が最も広い種である。英名はshowy chalicevine , papaturra , peach-coloured trumpet flower , chalice vine , cup of gold。湿気のある森林に生える。
 つる性木、長さ8~10mに達する。茎は円筒形、無毛、多数のシュート、側枝をもち、樹皮は灰色、乾くとしわがあり、わずかに皮目がある。葉は互生又はシュートの側枝の先に密集し、長さ6.5~14㎝×幅3.2~7.3㎝、倒卵形、へら形、又は広楕円形、無毛、革質、先はほとんど円形、微突頭、基部は漸尖形、縁は外巻き、全縁、上面は光沢があり、葉脈は平ら、下面は薄緑色、葉脈が目立つ。葉柄は無毛、細く、長さ2~5.5㎝。花は単生、短い側枝の先につく。花柄は無毛、太く、咢から明瞭に区別できない。咢は緑色、筒状鐘形、無毛、長さ4~10㎝、角(かど)が膨れる。花冠は杯形(cyathiform)、長さ14~23㎝、緑白色又は黄色、数本の栗色の線が内側にある。花冠筒部は広がった部分より短いか又は同長。花冠の拡大部は幅6~8.5㎝、5裂する。裂片は波打ち、多少、外巻き。雄しべは花冠と同長。葯は長さ7~10㎜。液果は革質~木質、凹んだ卵形、長さ約3㎝、基部に割れて、宿存する咢をもつ。花期は10~12月。(参考6、4)

2 Solandra maxima (Sesse & Moc.) P. S. Green  ウコンラッパバナ 鬱金喇叭花
  synonym Datura maxima Sesse & Moc.
 南アメリカ(ブラジル、コスタリカ、グアテマラ、ホンジュラス、ニカラグア、パナマ、エクアドル)、北アメリカ(メキシコ)原産。英名はChalice vine , Cup of gold , Chalice vine , Hawaiian lily。スペイン語名はcopa de oro , pera tetona , tetona。メキシコからコロンビア、ベネズエに分布する・湿気のある森林に生える。
 蔓性の低木、半着生、葉は楕円形、長さ12~18㎝、先は鋭形または鈍形、基部は鈍形、無毛。花は枝先に単生する。花柄は長さ10~15㎜、強く、基部の幅が広くなる。咢は筒形、長さ4~7㎝、5角(かど)がある。花冠は噴火口形[チャリス(聖餐杯)に似る、トランペット形ともいわれる]、長さ15~25㎝、黄色、肉質、筒部は細く、拡大部は盃形、幅8~13㎝、5裂する。裂片は長さ約3㎝、内側は花糸のつくすぐ下部を除いて無毛、5本の紫色の筋がある。花糸は拡大部の下につき、長さ約9㎝。基部に軟毛がある。葯は長さ(9)10~13㎜。液果はナシ形、幅10㎝、 微突頭。花期は春~夏。
 ジャマイカにも自生するラッパバナ(S. grandiflora)は花と葯が小さく、花冠の拡大部は幅6~8.5㎝、葯は長さ7~10㎜。
品種) 'Variegata'(Variegated Chalice Vine)

参考

1) Flora do Brasil 2020
 Solandra grandiflora Sw.  
http://floradobrasil.jbrj.gov.br/reflora/listaBrasil/PrincipalUC/PrincipalUC.do#CondicaoTaxonCP
2) GRIN
 Solandra  
https://npgsweb.ars-grin.gov/gringlobal/taxonomygenus.aspx?id=11262
3)Plants of the World Online | Kewscience
 Solandra grandiflora Sw.  
http://plantsoftheworldonline.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:329815-2
4) Flora de Nicaragua
 Solandra maxima  
http://legacy.tropicos.org/name/29602496?projectid=7
5) Cup of Gold - Flowers of India
 Solandra grandiflora  
https://www.flowersofindia.net/catalog/slides/Cup%20of%20Gold.html
6)World Flora Online | Solandra grandiflora Sw. NYBG Logo Steere Herbarium
 Solandra grandiflora Sw.  
http://sweetgum.nybg.org/science/world-flora/monographs-details/?irn=56231