ニオウヤブマオ 仁王藪苧麻

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Flora of Mikawa

イラクサ科 Urticaceae カラムシ属

別 名 サイカイヤブマオ、オオノマオ、ウスバオニヤブマオ、オニヤブマオ
学 名 Boehmeria holosericea Blume
Boehmeria gigantea Satake
Boehmeria pannosa Nakai et Satake
Boehmeria grandissima Nakai var. serrulata Satake
Boehmeria grandissima Nakai 
ニオウヤブマオの花
ニオウヤブマオの若葉
ニオウヤブマオの葉
ニオウヤブマオの葉裏
ニオウヤブマオの葉裏
ニオウヤブマオ
ニオウヤブマオ葉の鋸歯
花 期 8~10月
高 さ 0.5~1.5m
生活型 多年草
生育場所 海岸の岩場
分 布 在来種   日本(本州の福井県以西、九州、南西諸島)、朝鮮(済州島)、ベトナム
撮 影 伊良湖岬  07.6.4
ニオウヤブマオはカラムシ(ヤブマオ)属の雑草。以前はオニヤブマオといわれ、Boehmeria holosericea、Boehmeria gigantea 、Boehmeria × arenicola(ハマヤブマオ)が混同されていた。今では、ニオウヤブマオは2倍体のBoehmeria holosericeaとするのが主流であるが、3倍体等を含む見解もある。写真のものは葉先の頂端は鋭端。
 日本(本州の福井県以西、九州、南西諸島)、朝鮮(済州島)、ベトナムに分布。西日本の海岸の岩場に生える。2倍体で有性生殖をする。分布域は本州の山口県以西とされることも多い。
 多年草、高さ0.5~1.5m、普通、低い。葉柄、葉裏脈上、茎上部にはビロード状の軟毛が密生する。葉は対生し、葉柄は長さ3.5~10㎝。葉身は(卵状長楕円形~)卵状円形~円形(扁円形)、長さ(15)20~26㎝×幅13~19㎝、基部は浅い心形、葉先は鋭形~尖鋭形、頂端は短い鈍頭の裂片に終る。 葉縁には片側で 25~35個の小円鋸歯がある。花は単性、雌雄同株(雌花序と雄花序をもつ)。雌花序は上部は葉腋につき、穂状花序状、分枝しない。雄花序は通常よく枝をうち、円錐花序状。苞は長さ約5㎜。果実は倒卵形~広倒卵形、長さ1.5~2㎜、狭い翼があり、全体に毛があり、特に中部以上に長毛を密生する。花期は(7~)8~10月。
 ラセイタソウ Boehmeria biloba は日本の太平洋岸に自生する日本固有種。葉の質がより厚く、葉の表面が著しく粗く、鋸歯が微細で片側40個以上つく。有性生殖する2倍体。
 ハマヤブマオ Boehmeria × arenicola は誤ってオニヤブマオBoehmeria holosericea とされていたことがあり、ラセイタソウとヤブマオの雑種と推定されている。海岸の岩場には生育しない。葉は楕円形~広卵形、約長さ13㎝×幅11㎝、質は粗剛、ときにラセイタソウに似て、耳状突起があるが、鋸歯は大きく、片側17~40個、単一鋸歯、葉裏主脈に粗毛と細毛があり、開出して上向きのものが多い。毛の基部に膨らみがあるが、顕著でない。茎上部の葉は狭卵形~広披針形。雌雄同株。雌花序は上部の葉腋につき、雌花は球状に集合して団集花序をつくる。雄花序は下部の葉腋につく。痩果は集団になり、長い穂状になる。花期は7~9月。2n=42 , 56。他にも、類似の3倍体型の交雑種は多く、カタバヤブマオ、 シマナガバヤブマオ、ツクシヤブマオ、ゲンカイヤブマオ、タンナヤブマオなどがある。