ネムノキ 合歓の木

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Flora of Mikawa

マメ科 Fabaceae ネムノキ属

中国名 合欢 he huan
英 名 silktree, mimosa, siris
学 名 Albizia julibrissin Durazz
ネムノキ花序
ネムノキ花
ネムノキ葉裏
ネムノキの幹
ネムノキ
ネムノキ2
ネムノキ葉
花 期 6~7月
高 さ 6~10m
生活型 落葉高木
生育場所 山地、河原、原野
分 布 在来種 本州、四国、九州、沖縄、朝鮮、中国、台湾、イラン、トルコ、アゼルバイジャン、インド、ブータン、ネパール、パキスタン、ミャンマー
撮 影 豊橋市  12.6.24
和名の由来は小葉が夜間は閉じる睡眠現象を示すことから。
 幹は灰褐色、皮目が目立つ。葉は互生し、長さ20~30㎝の2 回偶数羽状複葉、下面は粉白色で軟毛が生える。小葉は不対称な包丁形。花は小さな花が集まった頭状花序。花弁は長さ7~8㎜と小さく、基部が合着する。雄しべの花糸が長さ3~4㎝と長く、先が淡紅色になり美しい。豆果は長さ10~15㎝、幅1.5~2㎝。種子は小さく、長さ5~9㎜の偏平な楕円形、褐色。2n=26

ネムノキ属

  family Fabaceae - genus Albizia

 高木又は低木。普通、刺は無く、まれに、短い曲がった反曲する鈎状の刺が散在する。葉は2回羽状複葉。托葉は普通、小さく、まれに大きく、 早落性。葉柄と葉軸には腺体をもつ。小葉は小さく、多数の対をもつか、大きくて少数。花序は球形の頭状、円錐花序に腋生又は頂生する。花は 両性。咢は鐘形又は漏斗形、5歯がある。花冠は漏斗形、上部は5裂。雄しべは多数、下部で合着して、筒になり、分離部分は糸状で長く突き出 る。葯は小さい。花序の中央の花は咢が幅広で、雄しべ筒が長い。子房は扁平。花柱は長く、細い。柱頭は小さい。豆果は広線形~長円形、真っ すぐで、平らに扁平、両縫合線に沿って裂開又は非裂開、内側は連続。種子は卵形~円形、扁平、珠柄は糸状。
 世界に約125種があり、世界の熱帯~温帯に分布する。

ネムノキ属の主な種と園芸品種

1 Albizia julibrissin Durazz.  ネムノキ 合歓の木
 日本(本州、四国、九州、沖縄)、朝鮮、中国、台湾、イラン、トルコ、アゼルバイジャン、インド、ブータン、ネパール、パキスタン、ミャンマー原産。 中国名は合欢 he huan。英名はsilktree, mimosa, siris<。
 落葉高木。高さ6~10m。幹は灰褐色、皮目が目立つ。葉は互生し、長さ20~30㎝の2 回偶数羽状複葉、下面は粉白色で軟毛が生える。小葉は不対称な包丁 形。花は小さな花が集まった頭状花序。花弁は長さ7~8㎜と小さく、基部が合着する。雄しべの花糸が長さ3~4㎝と長く、先が淡紅色になり美しい。豆果は 長さ10~15㎝、幅1.5~2㎝。種子は小さく、長さ5~9㎜の偏平な楕円形、褐色、裂線(pleurogram:種子の表面にできる線)はU形。2n=26。花期は6~7月。

1-2 Albizia julibrissin Durazz. f. albiflora J.Ohara  シロバナネムノキ 
 白花品種。
1-3 Albizia julibrissin Durazz. var. glabrior (Koidz.) H.Ohashi  ヒロハネム 広葉合歓
  synonym Albizia mollis (Wall.) Boivin var. glabrior Koidz.
  synonym Albizia glabrior (Koidz.) Ohwi
 小葉が幅広い。Kewscienceではオオバネムノキのsynonymとしている。

2 Albizia kalkora (Roxb.) Prain  オオバネムノキ 大葉合歓の木
  synonym Albizia coreana Nakai
 日本(九州)、中国、台湾、インド、ミャンマー、ベトナム原産。中国名は山槐 shan huai。
 高木、小さく又は低木、高さ3~8m。小枝は暗褐色、有毛、はっきりした皮目がある。托葉は不明瞭。葉の腺体は基部から1.5~3㎝上と、上部の羽片の接合部 につき、円形~楕円形。葉の羽片(pinnae)は2~4対。小葉は5~14対、長円形~長円状卵形、長さ0.8~4.5㎝×幅0.7~2㎝、両面に毛があり、主脈は上側の縁に わずかに接近する。花は二形、主に白色、黄色に変わり、明瞭な花柄をもつ。咢は筒形、長さ2~3mm、5歯をもつ。咢と花冠には絨毛がある。花冠は長さ6~8mm。 花冠裂片は披針形。雄しべは長さ2.5~3.5㎝、基部は合着して筒部になり、その筒部は花冠筒部より短い。子房は無毛、柄は長さ約1mm。豆果は裂開し、舌状、 長さ7~17㎝×幅1.5~3㎝、若い時に毛があり、熟すと無毛になる。種子は4~12個、倒卵形~ほぼ円形、裂線(pleurogram:種子の表面にできる線)は長円形。 花期は5~6月。果期は8~10月。2n = 26。

3 Albizia lebbeck (L.) Benth.  ビルマネム 緬甸合歓
 熱帯アフリカ原産。中国名は阔荚合欢 kuo jia he huan。東南アジアに広く帰化。
 夜間に強い芳香を出す。
 高木、高さ8~12m。樹皮は粗い。小枝は微細な毛があり、古くなると無毛になる。托葉は早落性、小さい。葉軸は円盤状の腺体を基部近くと羽片の基部にもち、 有毛又は無毛。羽片は2~4対、長さ6~15㎝。小葉は4~8対、狭楕円形~わずかに斜めの長円形、長さ2~4.5㎝×幅(0.9~)1.3~2㎝、両面とも無毛又は下面に まばらに細かい毛があり、主脈は上側の縁にわずかに接近し、先は鈍形又は小凹形。花序柄は腋生、2個又はそれ以上が一緒に出て、長さ10㎝以下。花序は散房 花序、花が30~40個つく。花は2形、芳香があり、花柄は長さ3~4mm、微軟毛がある。咢は漏斗形、長さ約4mm、微軟毛があり、短い咢歯がある。花冠は緑黄色、 漏斗形、長さ7~8mm、花冠裂片はデルタ状卵形。雄しべは白色又は薄黄緑色。雄しべ筒は花冠筒部より短い。子房は無毛、無柄。豆果はわら色、ひも形、扁平、 長さ15~28㎝×2.5~4.5㎝、熟した後、長い期間、木に残る。種子は褐色、4~12個、楕円形、約・長さ10×幅6.7mm、裂線(pleurogram:種子の表面にできる線)は 種子の縁に平行。花期は5~9月。果期は10~5月。2n = 26 。

4 Albizia procera (Roxb.) Benth.  タイワンネム 台湾合歓
 中国、台湾原産。中国名は黄豆树 huang dou shu。

5 Albizia retusa Benth.  ヤエヤマネムノキ 八重山合歓
 日本(沖縄、八重山諸島)、台湾、タイ、インドネシア、マレーシア、フィリピン、太平洋諸島、オーストラリア原産。中国名は兰屿合欢 lan yu he huan。
 海岸の砂地に生える。
 高木、高さ25m。小枝は円柱形、夢夢。托葉は不明瞭。葉の腺体は円形、縁がやや盛り上がり、基部の上部約0.5㎝につく。羽片は約3対。小葉は4~6対、卵状 類菱形、長さ2~3㎝×幅1~1.7㎝、両面にわずかに微軟毛があり、主脈は中間又はほぼ中間、基部は非対象、広くさび形、先は円形。散房花序は花が約10個つき、 微軟毛~綿毛のある円錐花序につく。花序柄は長さ約2.5㎝。花は二形、花柄がある。咢は筒形、長さ2唐.5mm。咢歯は不明瞭。花冠は白色、狭い漏斗形、長さ7~ 9.5mm。花冠筒部は無毛~かすかに微軟毛がある。花冠裂片は±狭三角形、長さ約2.5mm、微軟毛~絹毛があり、先は鋭形。雄しべは紫色~ピンク色、雄しべ筒は 不規則に裂け、花冠筒部と花冠の中間にある。子房は無毛、柄は長さ1~2mm。豆果は非裂開、帯黄色、長円形、約・長さ14×幅2.8㎝、種子の上が膨れ、無毛。 種子は褐色、狭楕円形、長さ8.5~9mm×幅約4.5mm、裂線(pleurogram:種子の表面にできる線)は狭楕円形。花期は5~8月。

参考

1) Flora of China
 Albizia
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=100949
2) Kewscience
 Albizia
http://ucjeps.berkeley.edu/eflora/eflora_display.php?tid=23256