ナンキンハゼ 南京櫨・南京黄櫨

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Flora of Mikawa

トウダイグサ科 Euphorbiaceae ナンキンハゼ属

別 名 トウハゼ、カンテラギ
英 名 Chinese tallow , candleberry-tree , Chinese tallowtree , popcorntree , tallowtree
中国名 乌桕 wu jiu
学 名 Triadica sebifera (L.) Small
ナンキンハゼの花序
ナンキンハゼの雄花
ナンキンハゼの雄花
ナンキンハゼ花序の腺体拡大
ナンキンハゼの実
ナンキンハゼ葉の腺
ナンキンハゼの幹
ナンキンハゼ
ナンキンハゼ雌花
ナンキンハゼ花序の腺体
ナンキンハゼ葉
ナンキンハゼ紅葉
花 期 6~7月
高 さ 5~15m
生活型 落葉高木
生育場所 街路、公園、庭
分 布 外来種 中国原産
撮 影 蒲郡市  03.8.2
和名はハゼノキのように蝋を取ることから。街路樹としてよく植えられており、紅葉が美しい。植えられるような場所ではない堤防脇に野生化したナンキンハゼが2本あり、花をつけていた。
 幹は灰褐色、不規則に縦に裂ける。葉は互生し、長さ3.5~8㎝の菱形状卵形、先は尖り、基部は広い楔形~切形、全縁。葉表の基部に腺が2個ある。葉柄は長さ2~8㎝。枝先の若い葉は橙色を帯び、美しい。雌雄同株。長さ6~18㎝の総状花序に小さな黄色花を多数つける。花序の先部は雄花が多数つき、雌花は基部に少数つき、雌花のつかない花序も多い。雄花も雌花も花弁が無く、雌雄異熟であり、雄花と雌花の開花の順序が木によって異なり、雄性先熟の木と雌性先熟の木がある。雄花は苞ごとに数個集まってつき、雄しべ2~3個、萼が3浅裂し、受皿状。雌花は苞ごとに1個つき、雄花より長く、子房の長さ約3㎜、花柱3個。長さ2~3㎜の花柄がある。苞の左右の基部に耳のような大きな腺体がある。果実は直径約1.5㎝の扁球形、3稜があり、熟すと褐色~黒色になり、裂開して3個の種子が見えるようになる。種子は長さ約7㎜の広卵形、白色の蝋質の仮種皮に包まれており、紅葉の頃には果皮が落ち、冬には白い種子が枝に残って目立つ。種子は野鳥の餌になる。

ナンキンハゼ属

 familiy  Euphorbiaceae - genus Triadica

 高木又は低木、雌雄同株又はときに、雌雄異株、密毛はない。乳液は白色。葉は互生又は対生に近い。葉柄は先に1~2個の腺をもつ。葉身は縁が全縁又は鋸歯縁、歯脈は羽状、最下の対の脈は葉のごく基部から生じ、基部の縁を作る。花序は頂生又は腋生、穂状花序状又は総状花序状の密錘花序(thyrses)、ときに分枝する。苞は外側の基部に2個の大きな腺をもつ。雄花は小さく、黄色、苞腋に束生する。咢は膜質、杯形、2~3浅裂又は歯がある。花弁は無い。花盤は無い。雄しべは2~3本。花糸は離生。葯は2室、縦に裂開する。未発達の雌しべは無い。雌花は雄花より大きく、苞に1個ずつつく。咢は杯形で3深裂、又は円筒形で3歯、まれに2~3咢片がある。花弁は無い。花盤は無い。子房は2~3室、胚珠は各室に1個。花柱は普通、3本、分離又は基部で合着する。柱頭は後ろ巻き、全縁。蒴果は球形、ナシ形、又は3バルブ、まれに浆果状、普通、3室、胞背裂開、ときに不規則に裂開する。種子はほぼ球形、普通、ワックス状の仮種皮で覆われる。外果皮は硬い。胚乳は肉質。子葉は広く、平ら。
 世界に3種あり、東アジア、南アジアに分布する。中国に3種ある。

ナンキンハゼ属の主な種と園芸品種

1 Triadica cochinchinensis Lour.  ナガバナンキンハゼ
 中国、台湾、インド、ラオス、カンボジアミャンマー、タイ、ベトナム、マレーシア、インドネシア、フィリピン原産。中国名は山乌桕 shan wu jiu

2 Triadica rotundifolia (Hemsley) Esser
 中国、ベトナム原産。中国名は圆叶乌桕 yuan ye wu jiu

3 Triadica sebifera (L.) Small  ナンキンハゼ 南京櫨
  synonym Aleurites fordii Hemsl.
 中国原産。中国名は乌桕 wu jiu。英名はChinese tallow , candleberry-tree , Chinese tallowtree , popcorntree , tallowtree。別名トウハゼ、カンテラギ。
 落葉高木。高さ15~15m。幹は灰褐色、不規則に縦に裂ける。葉は互生し、長さ3.5~8㎝の菱形状卵形、先は尖り、基部は広い楔形~切形、全縁。葉表の基部に腺が2個ある。葉柄は長さ2~8㎝。枝先の若い葉は橙色を帯び、美しい。雌雄同株。長さ6~18㎝の総状花序に小さな黄色花を多数つける。花序の先部は雄花が多数つき、雌花は基部に少数つき、雌花のつかない花序も多い。雄花も雌花も花弁が無く、雌雄異熟であり、雄花と雌花の開花の順序が木によって異なり、雄性先熟の木と雌性先熟の木がある。雄花は苞ごとに数個集まってつき、雄しべ2~3個、萼が3浅裂し、受皿状。雌花は苞ごとに1個つき、雄花より長く、子房の長さ約3㎜、花柱3個。長さ2~3㎜の花柄がある。苞の左右の基部に耳のような大きな腺体がある。果実は直径約1.5㎝の扁球形、3稜があり、熟すと褐色~黒色になり、裂開して3個の種子が見えるようになる。種子は長さ約7㎜の広卵形、白色の蝋質の仮種皮に包まれており、紅葉の頃には果皮が落ち、冬には白い種子が枝に残って目立つ。種子は野鳥の餌になる。花期は6~7月
品種) 'Green Hornet'

参考

1) GRIN
 Triadica
 https://npgsweb.ars-grin.gov/gringlobal/taxonomygenus.aspx?id=17892
2) Plants of the World Online | Kew Science
 Triadica
 http://plantsoftheworldonline.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:16014-1
3) Flora of China
 Triadica
 http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=133358