ナベナ 鍋菜

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Flora of Mikawa

スイカズラ科 Caprifoliaceae ナベナ属

中国名 日本续断 ri ben xu duan
英 名 Japanese teasel
学 名 Dipsacus japonicus Miq.
ナベナの頭花
ナベナの筒状花
ナベナの頭花2
ナベナの総苞片と花柄
ナベナの茎の上部
ナベナの茎の下部
ナベナ
ナベナ花床鱗片
ナベナ葉
ナベナ葉表の鋸歯
ナベナ葉裏の鋸歯
花 期 8~9月
高 さ 100~200㎝
生活型 2年草
生育場所 山地の日当たりの草地
分 布 在来種  本州、四国、九州、朝鮮、中国
撮 影 長野県 11.8.24
マツムシソウ科 Dipsacaceae はスイカズラ科に含められた。
  2年草、高さ100~200㎝。茎はよく分枝し、全体に刺状の剛毛が生え、茎の下部には下向きの長毛が密生する。葉は対生し、羽状に全裂し、鋸歯縁。葉柄に翼がある。茎の下部の葉は5裂し、上部では0~3裂し、頂葉片が最も大きい。頭花は長く伸びた枝先に点頭する。頭花は多数の淡紅紫色の小花が集まり、直径2~3㎝の球形~楕円形。小花は全て筒状花、長さ約7㎜、花冠の先は4裂し、雄しべ4個が突き出し、紫褐色の葯が目立つ。花冠の間にから突き出る緑色の刺状のものは花床鱗片=小苞片(Flora of Chinaではbracteole)であり、長さ約8㎜、先が刺状に尖り、褐色を帯び、毛が生える。総苞片は1列、長さ5~20㎜の線形で垂れ下がる。花期は8~9月。

ナベナ属

  family Caprifoliaceae - genus Dipsacus

 2年草または多年草。茎は直立し、角(かど)と溝があり、普通、うねに沿って小さな刺(echinulate)、または剛毛がある。根生葉は長い葉柄があり、全縁、3裂、または羽状深裂、普通、歯状または分裂する。茎葉は対生し、無柄または葉柄があり、普通、3~5裂し、ときに羽状深裂または全縁であり、両面には普通、剛毛があり、一部の種では無毛またはパピラがある。 頭花は頂生、長円形、球形、または卵状球形。総苞片は直立または広がり、葉状、1列または2列、嘴がある。小総苞(involucel)は4~8うねがあり、子房につく。花は両性。萼は放射相称、浅い円盤形、4裂し、白色の毛がある。花冠は筒状、4裂し、裂片は不等長。雄しべは4本、花冠筒部につき、花冠裂片に互生する。 雌しべは2心皮。子房は下位、小総包=被萼(involucel=epicalyx 咢状総苞)に包まれる。花床(花托)には花床鱗片=小苞片(bracteole=palea)がある。胚珠は1個、下垂、倒生。花柱は糸状。柱頭は斜め、または横向き。痩果は、萼が宿存し、革のような小総苞に包まれる。種皮は膜質、胚は胚乳に埋め込まれる。  世界に約20種あり、北アフリカ、アジア、ヨーロッパに分布する。br>

ナベナ属の主な種と園芸品種

1 Dipsacus asper Wall. ex C.B.Clarke  トウナベナ 唐鍋菜
  synonym Dipsacus asperoides C.Y.Cheng et T.M.Ai
 中国、インド、ミャンマー原産。中国名は川续断 chuan xu duan。

2 Dipsacus fullonum L.  オニナベナ 鬼鍋菜
  synonym Dipsacus sylvestris Huds.
  synonym Dipsacus vulgaris C.C.Gmel.
 地中海沿岸地域原産。英名はteasel。
 高さ0.5~2m、刺が全体にあり、刺は長さ1~5㎜。下部の葉は卵形~披針形、縁に歯があり、長さ30㎝以下。上部の葉は部分的に縁が全縁、対生し基部が茎を抱き、融合する。頭花は卵形~円筒形、高さ3~8㎝、中心から咲き、線形の基部の苞がアーチ状に頭花の上に部分的に突き出す。花冠は紫色、4裂し、長さ8~10㎜m、花托の小苞片の刺が花の上に突き出る。 果実は長さ約5mm、溝がある。花期は7~8月。2n=16。(Flora Helvetica 2018)

3 Dipsacus japonicus Miq. ナベナ 鍋菜
 日本(本州、四国、九州)、朝鮮、中国原産。中国名は日本续断 ri ben xu duan。英名はJapanese teasel。
 2年草、高さ100~200㎝。茎はよく分枝し、全体に刺状の剛毛が生え、茎の下部には下向きの長毛が密生する。葉は対生し、羽状に全裂し、鋸歯縁。葉柄に翼がある。茎の下部の葉は5裂し、上部では0~3裂し、頂葉片が最も大きい。頭花は長く伸びた枝先に点頭する。頭花は多数の淡紅紫色の小花が集まり、直径2~3㎝の球形~楕円形。小花は全て筒状花、長さ約7㎜、花冠の先は4裂し、雄しべ4個が突き出し、紫褐色の葯が目立つ。花冠の間にから突き出る緑色の刺状のものは花床鱗片=小苞片(Flora of Chinaではbracteole)であり、長さ約8㎜、先が刺状に尖り、褐色を帯び、毛が生える。総苞片は1列、長さ5~20㎜の線形で垂れ下がる。花期は8~9月。
【Flora of Chinaの解説】  2年草または多年草、高さ1.5m以下。根は肉質ではない。茎はしばしば分枝し、4~6本のうねがあり、うねの上に下向きの刺がある。 根生葉はロゼットになり、葉柄が長い。葉身は狭楕円形、羽状全裂又は分裂しない。茎葉は対生し、葉柄は長~ほぼ無柄。 葉身は楕円状卵形~楕円形、長さ8~25㎝×幅3~10㎝、下面は下面に刺状の剛毛があり、上面には小剛毛があり、羽状全裂または 羽状中裂、まれに分裂しない。側裂片は2~3対つき、頂裂片はかなり長い。頭花は頂生し、球形、花時および果時に長さ1.5~3.2㎝。総苞片は線形、刺状の剛毛がある。苞は倒卵形、長さ9~11㎜×幅4~5mm、小剛毛があり、嘴は長さ3~5 mm、側面は刺状の剛毛がある。 小総苞(involucels)は4うねがあり、長さ5~6㎜、白色の絨毛があり、先に8歯がある。萼は杯形、長さ約1mm、4列し、白色の絨毛がある。 花冠はピンク色、紫赤色、または帯紫色、長さ5~8mm、外側に絨毛がある。 雄しべはわずかに突き出る。痩果は長円状くさび形、4角(かど)があり、長さ約6mm、無毛。花期は8~9月。果期は9~11月

4 Dipsacus sativus (L.) Honckeny ラシャカキグサ
  synonym Dipsacus fullonum var. sativus L.
  synonym Dipsacus fullonum subsp. sativus (L.) Thell.
 フランス、イタリア、ユーゴスラビア原産。英名はdraper's teasel , Indian teasel。別名はラシャカキソウ、チーゼル。
 2年草。高さ1m又はそれ以上。 茎は丈夫で、条線があり、うねにしばしば刺がある。茎葉は明るい緑色、広披針形~長円状披針形、縁は全縁または曲がりくねり、中脈の下面に刺がある。 頭花は卵形~円筒形、長さ4~4.5㎝。総苞片は不等長、線形、長さ1.6~6㎝。花床の小苞片は短く、毛があり、先が反曲して鈎状になる。花は淡ライラック色又は白色。花期は6~7月。

参考

1) Flora of China
 Dipsacus
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=110498
2) Plants of the World Online| Kewscience
 Dipsacus
http://www.plantsoftheworldonline.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:14309-1
3) World Flora Online
 Dipsacus
http://www.worldfloraonline.org/taxon/wfo-4000012069;jsessionid=B12813C0BE6BC645AA0118EC2BC08E4D
4) Flora of Pakistan
 Dipsacus sativus
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=5&taxon_id=200022578
5) Flora Helvetica – Illustrierte Flora der Schweiz
 Dipsacus fullonum
https://www.infoflora.ch/fr/flore/dipsacus-fullonum.html