ムスカリミア・マクロカルプム 

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Flora of Mikawa

キジカクシ科 Asparagaceae ムスカリミア属

別 名 イエローグレープヒヤシンス
英 名 sweet grape hyacinth , yellow grape hyacinth
学 名 Muscarimia macrocarpa (Sweet) Garbari
 synonym Muscari macrocarpum Sweet
ムスカリミア・マクロカルプムの花序
ムスカリミア・マクロカルプムの花
ムスカリミア・マクロカルプムの花2
ムスカリミア・マクロカルプム
ムスカリミア・マクロカルプム葉
ムスカリミア・マクロカルプム葉2
花 期 4~5月
高 さ 10~20(25)㎝
生活型 多年草
生育場所 道端、草地
分 布 外来種 ギリシャ(東エーゲ海諸島)、クレタ島、トルコ原産
撮 影 浜名湖ガーデンパーク  20.3.11
ムスカリミア・マクロカルプムはキジカクシ科ムスカリミア属の観賞用の栽培種。[The Muscarimia group]としてムスカリ属に含める見解もあった。現在はムスカリミア属とされる。
 球根は大きく長さ9㎝以下、太い肉質の根をつけ、休眠期にも腐らない。葉は締りがなく、3~5枚、根生し、狭く、灰緑色、長さ約30㎝以下。花茎は高さ10~20(25)㎝。総状花序は疎、長さ4~6㎝、花が多数つく。花はやや下向きにつき、筒形、長さ約1㎝、黄色、蕾は紫褐色、非常に強い香り(バナナの香りともいわれる)があり、品種の'Golden Fragrance'が強い香りとはっきりした黄色の花をもつ典型である。花期は4~5月。2n=18。
品種) 'Golden Fragrance' (PBR)= yellow grape hyacinth , 'White Triumphator'

ムスカリミア属

 family Asparagaceae - subfamily Scilloideae - tribe Hyacintheae - genus Muscarimia


 多年生の球根植物、地下に大きい球根を持つ。根は太くて多肉質。葉は完全に根生し、2~6枚つき、広がり、披針形~線状披針形で、溝がある。花序は、最初は密に、次に緩く、または部分的に緩く束生する。果実の束は堅くて小型。小花柄は常に花よりも短い。 苞は非常に小さく、膜質。 花被片は6個で完全に統合しており、花は多数つき、両性で放線相称である。稔性の花は非常に強い香り(麝香またはバナナ)があり、多肉質、単色、白色、灰白色、明るい黄色、緑黄色、淡黄色または帯緑色~帯青色、卵状つぼ形(ovate-testic)で、先は強く狭くなり、口部(肩)の下に褐色の小さな頂生の裂片(歯)が6個あり、花冠(crown)を形成する。不稔の花は痕跡で、あったとしてもほとんどなく、小さい。 雄しべは6本、2列につく、花筒の内壁に花糸で付着し、突き出ない。 子房は上位、心皮が3個、各室に胚珠が2個ある。花柱は短く糸状。 果実は大きくて強く扁平な翼状の蒴果で、3バルブがあり、成熟しても種子は蒴果から排出されず、蒴果は種子とともに脱落する。種子は黒色で球形、表面は平滑。
 世界に2種あり、東エーゲ海諸島、ギリシャ、クレタ島、トルコに分布する。[The Muscarimia group]としてムスカリ属に含める見解もあった。現在はムスカリミア属とされる。

ムスカリミア属の種と園芸品種

1 Muscarimia macrocarpa (Sweet) Garbari ムスカリミア・マクロカルプム
  synonym Muscari macrocarpum Sweet ムスカリ・マクロカルプム
  synonym Muscari ambrosiacum,
  synonym Muscari moschatum var. flavum Boiss.
  synonym Muscarimia flava (Ker Gawl.) Garbari
  synonym Muscari luteum Tod. ex Nyman
 ギリシャ(東エーゲ海諸島)、クレタ島、トルコ原産。英名はsweet grape hyacinth , yellow grape hyacinth。
 球根は大きく長さ9㎝以下、太い肉質の根をつけ、休眠期にも腐らない。葉は締りがなく、3~5枚、根生し、狭く、灰緑色、長さ約30㎝以下。花茎は高さ10~20(25)㎝。総状花序は疎、長さ4~6㎝、花が多数つく。花はやや下向きにつき、筒形、長さ約1㎝、黄色、蕾は紫褐色、非常に強い香り(バナナの香りともいわれる)があり、品種の'Golden Fragrance'が強い香りとはっきりした黄色の花をもつ典型である。花期は4~5月。2n=18。
品種) 'Golden Fragrance' (PBR)= yellow grape hyacinth , 'White Triumphator'
2 Muscarimia muscari (L.) Losinsk. ムスカリミア・ムスカリ
  synonym Muscari racemosum (L.) Mill. ムスカリ・ラケモスム
  synonym Muscari muscarimi Medicus
  synonym Hyacinthus muscari L.
  synonym Muscari ambrosiacum Moench,
 トルコ、ギリシャ原産。現在ではUSA,カナダで野原や荒地の雑草となっている。
 球根は大きく、太い肉質の根をもつ。葉は3~6個つき、糸状~狭線形、ほぼ円柱形、灰緑色、片側に沿って溝があり、長さ10~20㎝×幅1~2(まれに3)㎜、先はすぐに反り返る。花茎は高さ10~30㎝、緑色。総状花序は開花期で長さ3~5cm、花が10~30個密につき、果時には長くなる。花は卵形~長円形、青色、そのほとんどは稔性があり、長さ4~5㎜、青黒色で粉白を帯び、傾くかまたは下向きになり、細い小花柄(長さ3㎜以下)より長い。最上部の少数の花は不稔で、青色、直立または斜上してやや小さく、同様に短い小花柄がある。花被は倒卵形~長円状つぼ形、花被片の自由部分は短く、白色。 2n=18~72。
品種) 'Major' , 'Frost' , 'White Triumphator'

ムスカリ属

  family Asparagaceae - genus Muscari

 多年草、褐色の薄皮のある卵形の球根から花茎を出し、小鱗茎(offset=bulblet)は有又は無。葉は (1~)2~7個つき、根生。葉身は線形、ときに、溝があり、無毛、やや肉質。花茎は円柱形。花序は頂生の総状花序、多数の花がかなり密につき、苞があり、しばしば、果時に長くなり、疎になる。上部の花は小さく、不稔、色も異なり、房(coma)を形成する。不稔の花は小さく、普通、稔性の花より少ない。苞は小さい。花は芳香があり、花被は筒形~つぼ形、普通、のど部でくびれ、ほとんど全長で合着し、上部で裂片に分裂し、反り返り、短く、歯状。裂片は筒部と同色又は白色(歯状)。雄しべは6個、2列に花被につき、突き出ない。葯は暗青色、背着、球形。子房は上位、緑色、3室。内花被片に蜜腺がある。花柱は1個。柱頭は3裂。果実は蒴果、不明瞭な3角(かど)があり、紙質(膜質)、胞背裂開。種子は6個、黒色、球形、しわ~網状。x=9。
 世界に約40~50種あり、ヨーロッパの温帯、北アフリカ、アジア南西部に分布する。

 ムスカルミア属(Muscarimia)はムスカリ属に含められ、The Muscarimia groupにグループ分けされていた。現在、POWO(Kew)、GBIFではムスカルミア属(Muscarimia)を認めている。

参考

1) Flora of North America
  Muscari
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=1&taxon_id=121348
2)Flora of Alabama
 Muscari neglectum
http://www.floraofalabama.org/Plant.aspx?id=4461
3) Review of taxons from genus Muscari cultivated in Department of Ornamental Plants in Szczecin
 genus Muscari
http://www.herbapolonica.pl/magazines-files/4146481-Pages%20from%20Herba_3-47.pdf
4) GRIN
 Muscari  
https://npgsweb.ars-grin.gov/gringlobal/taxonomygenus.aspx?id=7878
5) Plant Finder - Missouri Botanical Garden
 Muscari armeniacum
http://www.missouribotanicalgarden.org/PlantFinder/PlantFinderDetails.aspx?kempercode=q880
6) Flora of New Zealand | Taxon Profile
 Muscari armeniacum Baker
http://www.nzflora.info/factsheet/Taxon/Muscari-armeniacum.html

7)Morpho-anatomical studies on Bellevalia paradoxa Boiss. belonging to Liliaceae

https://www.researchgate.net/publication/289885413_Morpho-anatomical_studies_on_Bellevalia_paradoxa_Boiss_belonging_to_Liliaceae
8) Synopsis of Leopoldia, Muscari and Pseudomuscari (Hyacinthaceae)
 in Iran with Leopoldia ghouschtchiensis sp.nova
https://www.researchgate.net/publication/258244755_Synopsis_of_Leopoldia_Muscari_and_Pseudomuscari_Hyacinthaceae_in_Iran_with_Leopoldia_ghouschtchiensis_spnova
9) Flora of Pakistan
 Bellevalia  
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=5&taxon_id=103728
10) 2021 ResearchGate, İstanbul
Muscari Mill. / Müşkürüm, Muscarimia Kostel. ex Losinsk. / Miskîrum, Leopoldia Parl. / Morbaş
https://www.researchgate.net/publication/357735586_Muscari_Mill_Muskurum_Muscarimia_Kostel_ex_Losinsk_Miskirum_Leopoldia_Parl_Morbas