ミナトアカザ 港藜
Flora of Mikawa
ヒユ科 Amaranthaceae ウスバアカザ属
別 名 | ノコギリアカザ |
英 名 | nettleleaf goosefoot, saltgreen, sowbane |
学 名 | Chenopodiastrum murale (L) S.Fuentes, Uotila & Borsch Chenopodium murale L. |
花 期 | 6~10月 |
高 さ | 15~70(100)㎝ |
生活型 | 1年草 |
生育場所 | 農耕地、道端、荒地 |
分 布 | 帰化種 ヨーロッパ、北アフリカ、西アジア原産 |
撮 影 | 田原市(渥美町) 13.6.12 |
世界の亜熱帯や温暖な地域に広く帰化している。新分類(APG)ではアカザ科はヒユ科に含まれるようになった。
茎はよく分枝し、無毛、鈍い稜がある。葉は互生し、長さ0.8~4(8)㎝、幅0.4~3(5)㎝、三角形~菱形状卵形、鮮緑色、基部は楔形~円形、縁は不揃いな鋭鋸歯。葉柄は長さ1~2.5㎝。若葉の葉裏に粉状物がある。長さ6~7㎝、幅4~5㎝の花序に小さな花を多数つける。雄しべ5個。花柱2個。花被片は5個、長さ0.5~0.8㎜、幅0.6~0.7㎜、黄緑色、花被片の背が膨れる。花被片は花後に大きくなり、果実(胞果)を包み、背面がやや膨む。種子は直径1~1.5㎜の扁平な中央が厚い円形、円周に稜がある。2n=18。
果実は秋との解説があるが、6月に花と一緒に果実も見られた。トウモロコシ畑の道端にあったもので、葉の質は薄く、鋸歯もやや低い。花序の枝が細長くならず、花が密集してつく。
1年草、芳香が無く、若い植物は小胞状の突起をもち、後に崩壊して、落ち、無毛になる。茎は直立し、側枝をもつ。葉は互生し、葉柄があり、葉身は厚く、三角状卵形~菱状卵形~披針形。葉縁は不規則な歯状又は分裂又は羽状中裂し、裂片は幅が狭く、歯がある。花序は腋生又は頂生、花の小さな密な団散花序(glomerules )からなり、穂状花序状又は円錐花序状につく。花は両性又は雌性、花被片5個をもつ。花被片は基部が合着し、先近くに目立つ竜骨をもち、内側から強い中脈が見える。雄しべ5本は輪につく。子房は柱頭2個をもつ。花被片は果時に果実を包み又は広がる。膜質の果皮が種子に固くつく。種子は水平に位置し、レンズ形。種皮は黒色、しばしば、明瞭な穴があり、ときに、小しわがあるか又は平滑に近い。
ウスバアカザ属(genus Chenopodiastrum)は2012年に Suzy Fuentes-Bazan, Pertti Uotila und Thomas Borschによって記述され、系統学的な研究の後に、 多系統(polyphyleti)であるアカザ属(genus Chenopodium)から分離された。 ウスバアカザ属とアカザ属は同じ連(tribe)の Tribus Atripliceaeに属す。
ウスバアカザ属(genus Chenopodiastrum)は世界に5種あり、ユーラシア、北アフリカ、北アメリカに分布する。
synonym Chenopodium badachschanicum Tzvelev
中国、インド、ネパール、アフガニスタン、パキスタン、イラン原産。Chenopodium hybridum Linnaeusの元になった1種と考えられている。
1年草、高さ30㎝以下。まばらに粉があるか又はほぼ無毛。茎は黄緑色、直立、角(かど)があり、分枝し、下部の枝はほぼ対生。葉柄は葉身の長さの約1/3。葉身は長さ3~8(~15)㎝、披針形、鋭い基部の列片が外へ突き出し、両側に鋭い歯のような0~2個の裂片があり、その他は全縁、先は鋭形~尖鋭形、基部は類切形~わずかに心形。苞は狭三角形、矛形、全縁、最上部の苞は披針形。花序は狭く、緩く、ほとんど葉がつかず、頂生及び腋生、二出集散花序 、枝は広がり、1個又は数個が緩く集まる。花被片は5個、中間の下まで合着し、果時に一部広がり、内側でよく見える強い中脈をもち、背は先で竜骨になる。雄しべは5本、柱頭は2~3個。果実は花被とともに落ちる。果皮は残存する。種子は水平、黒色、直径 (1.2~)1.4~ 1.6(~2.0)㎜、外形は丸く、縁はやや鋭形、種皮は大きくて、不規則だがほとんど, 放射状に長くなった穴、放射状の溝やその他のしわをもち、ときにほとんど平滑になる。花期と果期は6~9月。
2 Chenopodiastrum coronopus (Moq.) S.Fuentes, Uotila & Borsch
synonym Chenopodium coronopus Moq.
カナリア諸島原産。
3 Chenopodiastrum hybridum (L.) S.Fuentes, Uotila & Borsch ウスバアカザ 薄葉藜
synonym Chenopodium hybridum L.
日本、朝鮮、中国、モンゴル、ロシア、インド、中央アジア、コーカサス、トルコ、ヨーロッパ原産。英名はmapleleaf goosefoot , owbane 。 中国名は杂配藜 za pei li。別名はオオバアカザ。日本でも在来とする説もあるが、新たに各地で確認され、帰化ともいわれる。
1年草、高さ0.4~2.2m。茎は直立、上部でまばらに分枝し、丈夫、薄黄色又は紫色のうねがあり、無毛又はまばらに粉がつく。葉柄は長さ 2~7㎝。葉身は両面とも、新鮮な緑色、広卵形~卵状三角形、長さ6~15㎝×幅5~13㎝、無毛又はわずかに粉があり、基部は円形~切形~類心形、縁は掌状分裂~深く微細不整歯状の歯があり、先は鋭形~尖鋭形。上部の葉は小さく、葉身はほぼ三角状矛形、縁は少数の裂片状の歯があり、ときに、類全縁。花は両性と雌性、普通、団散花序(glomerule)に数個つき、団散花序は上部の枝の上の広がった円錐花序につく。花被片は5個、狭卵形、外面に竜骨があり、わずかに粉があり、縁は膜質、先は鈍形。雄しべは5本。 胞果はレンズ形、果皮は白色の斑点があり、膜質、種子に密着する。種子は水平、黒色、光沢は無く、果皮の形と同じ、普通、直径2~3㎜、円形の穴が明瞭で、胚は環形。花期と果期は6~9月。
4 Chenopodiastrum murale (L) S.Fuentes, Uotila & Borsch ミナトアカザ 港藜
synonym Chenopodium murale L.
ヨーロッパ、北アフリカ、西アジア原産原産。世界の亜熱帯や温暖な地域に広く帰化している。別名はノコギリアカザ。
1年草、高さ15~70(100)㎝。茎はよく分枝し、無毛、鈍い稜がある。葉は互生し、長さ0.8~4(8)㎝、幅0.4~3(5)㎝、三角形~菱形状卵形、鮮緑色、基部は楔形~円形、縁は不揃いな鋭鋸歯。葉柄は長さ1~2.5㎝。若葉の葉裏に粉状物がある。長さ6~7㎝、幅4~5㎝の花序に小さな花を多数つける。雄しべ5個。花柱2個。花被片は5個、長さ0.5~0.8㎜、幅0.6~0.7㎜、黄緑色、花被片の背が膨れる。花被片は花後に大きくなり、果実(胞果)を包み、背面がやや膨む。種子は直径1~1.5㎜の扁平な中央が厚い円形、円周に稜がある。2n=18。花期は6~10月。
4 Chenopodiastrum simplex (Torr.) S.Fuentes, Uotila & Borsch
synonym Chenopodium hybridum var. simplex Torr.
北アメリカ原産
茎は直立、分枝し、高さ30~150㎝、無毛。葉は芳香が無い。葉柄は長さ1.5~4.5㎜。葉身は卵形~三角形、長さ 3.5~15㎝×2~9㎝、基部は心形~切形、縁は波打つ歯状、1~5個の粗く鋭い歯をもつ。上部の葉は全縁又は少数の小さな歯をもち、先は鋭形、無毛。花序の団散花序(glomerule)は頂生及び側生の長さ6~15㎝の穂状花序と円錐花序につく。団散花序は不規則な球形、花は発達の段階が異なり、直径0.5~2㎜。苞は無い。花被片は5個、基部の合着した筒部は長さ0.5㎜。花被片は卵形~披針形、長さ0.7~1㎜×幅0.4~0.6㎜、先は微凹形、わずかに竜骨があり、無毛、縁はくっつくか、又はその幅程度、離れ、熟すと果実の1/2以上をさらす。雄しべは5本。花柱は2個、長さ約0.1㎜。痩果は扁卵形、果皮は粘着性、紙質、平滑。種子はレンズ形、直径1.3~1.9㎜。種皮は黒色、不明瞭なハチの巣形~ほぼ平滑、縁は丸い。2n=18.。
Chenopodiastrum
https://wikivisually.com/wiki/Chenopodiastrum
2) SEINet
Chenopodiastrum simplex
http://swbiodiversity.org/seinet/taxa/index.php?taxon=168438&clid=4872
3) GRIN
Chenopodiastrum
https://npgsweb.ars-grin.gov/gringlobal/taxonomygenus.aspx?id=29214
4)San Diego State University COLLEGE OF SCIENCES
Chenopodiastrum simplex
http://www.sci.sdsu.edu/plants/chenopodium/Chenopodiastrum_simplex/
https://sciences.sdsu.edu/cos/error.php
5)Manual of the Alien Plants of Belgium
Chenopodiastrum
http://alienplantsbelgium.be/content/chenopodiastrum
茎はよく分枝し、無毛、鈍い稜がある。葉は互生し、長さ0.8~4(8)㎝、幅0.4~3(5)㎝、三角形~菱形状卵形、鮮緑色、基部は楔形~円形、縁は不揃いな鋭鋸歯。葉柄は長さ1~2.5㎝。若葉の葉裏に粉状物がある。長さ6~7㎝、幅4~5㎝の花序に小さな花を多数つける。雄しべ5個。花柱2個。花被片は5個、長さ0.5~0.8㎜、幅0.6~0.7㎜、黄緑色、花被片の背が膨れる。花被片は花後に大きくなり、果実(胞果)を包み、背面がやや膨む。種子は直径1~1.5㎜の扁平な中央が厚い円形、円周に稜がある。2n=18。
果実は秋との解説があるが、6月に花と一緒に果実も見られた。トウモロコシ畑の道端にあったもので、葉の質は薄く、鋸歯もやや低い。花序の枝が細長くならず、花が密集してつく。
ウスバアカザ属
family Amaranthaceae - genus Chenopodiastrum1年草、芳香が無く、若い植物は小胞状の突起をもち、後に崩壊して、落ち、無毛になる。茎は直立し、側枝をもつ。葉は互生し、葉柄があり、葉身は厚く、三角状卵形~菱状卵形~披針形。葉縁は不規則な歯状又は分裂又は羽状中裂し、裂片は幅が狭く、歯がある。花序は腋生又は頂生、花の小さな密な団散花序(glomerules )からなり、穂状花序状又は円錐花序状につく。花は両性又は雌性、花被片5個をもつ。花被片は基部が合着し、先近くに目立つ竜骨をもち、内側から強い中脈が見える。雄しべ5本は輪につく。子房は柱頭2個をもつ。花被片は果時に果実を包み又は広がる。膜質の果皮が種子に固くつく。種子は水平に位置し、レンズ形。種皮は黒色、しばしば、明瞭な穴があり、ときに、小しわがあるか又は平滑に近い。
ウスバアカザ属(genus Chenopodiastrum)は2012年に Suzy Fuentes-Bazan, Pertti Uotila und Thomas Borschによって記述され、系統学的な研究の後に、 多系統(polyphyleti)であるアカザ属(genus Chenopodium)から分離された。 ウスバアカザ属とアカザ属は同じ連(tribe)の Tribus Atripliceaeに属す。
ウスバアカザ属(genus Chenopodiastrum)は世界に5種あり、ユーラシア、北アフリカ、北アメリカに分布する。
ウスバアカザ属の種と園芸品種
1 Chenopodiastrum badachschanicum (Tzvelev) S.Fuentes, Uotila & Borsch,synonym Chenopodium badachschanicum Tzvelev
中国、インド、ネパール、アフガニスタン、パキスタン、イラン原産。Chenopodium hybridum Linnaeusの元になった1種と考えられている。
1年草、高さ30㎝以下。まばらに粉があるか又はほぼ無毛。茎は黄緑色、直立、角(かど)があり、分枝し、下部の枝はほぼ対生。葉柄は葉身の長さの約1/3。葉身は長さ3~8(~15)㎝、披針形、鋭い基部の列片が外へ突き出し、両側に鋭い歯のような0~2個の裂片があり、その他は全縁、先は鋭形~尖鋭形、基部は類切形~わずかに心形。苞は狭三角形、矛形、全縁、最上部の苞は披針形。花序は狭く、緩く、ほとんど葉がつかず、頂生及び腋生、二出集散花序 、枝は広がり、1個又は数個が緩く集まる。花被片は5個、中間の下まで合着し、果時に一部広がり、内側でよく見える強い中脈をもち、背は先で竜骨になる。雄しべは5本、柱頭は2~3個。果実は花被とともに落ちる。果皮は残存する。種子は水平、黒色、直径 (1.2~)1.4~ 1.6(~2.0)㎜、外形は丸く、縁はやや鋭形、種皮は大きくて、不規則だがほとんど, 放射状に長くなった穴、放射状の溝やその他のしわをもち、ときにほとんど平滑になる。花期と果期は6~9月。
2 Chenopodiastrum coronopus (Moq.) S.Fuentes, Uotila & Borsch
synonym Chenopodium coronopus Moq.
カナリア諸島原産。
3 Chenopodiastrum hybridum (L.) S.Fuentes, Uotila & Borsch ウスバアカザ 薄葉藜
synonym Chenopodium hybridum L.
日本、朝鮮、中国、モンゴル、ロシア、インド、中央アジア、コーカサス、トルコ、ヨーロッパ原産。英名はmapleleaf goosefoot , owbane 。 中国名は杂配藜 za pei li。別名はオオバアカザ。日本でも在来とする説もあるが、新たに各地で確認され、帰化ともいわれる。
1年草、高さ0.4~2.2m。茎は直立、上部でまばらに分枝し、丈夫、薄黄色又は紫色のうねがあり、無毛又はまばらに粉がつく。葉柄は長さ 2~7㎝。葉身は両面とも、新鮮な緑色、広卵形~卵状三角形、長さ6~15㎝×幅5~13㎝、無毛又はわずかに粉があり、基部は円形~切形~類心形、縁は掌状分裂~深く微細不整歯状の歯があり、先は鋭形~尖鋭形。上部の葉は小さく、葉身はほぼ三角状矛形、縁は少数の裂片状の歯があり、ときに、類全縁。花は両性と雌性、普通、団散花序(glomerule)に数個つき、団散花序は上部の枝の上の広がった円錐花序につく。花被片は5個、狭卵形、外面に竜骨があり、わずかに粉があり、縁は膜質、先は鈍形。雄しべは5本。 胞果はレンズ形、果皮は白色の斑点があり、膜質、種子に密着する。種子は水平、黒色、光沢は無く、果皮の形と同じ、普通、直径2~3㎜、円形の穴が明瞭で、胚は環形。花期と果期は6~9月。
4 Chenopodiastrum murale (L) S.Fuentes, Uotila & Borsch ミナトアカザ 港藜
synonym Chenopodium murale L.
ヨーロッパ、北アフリカ、西アジア原産原産。世界の亜熱帯や温暖な地域に広く帰化している。別名はノコギリアカザ。
1年草、高さ15~70(100)㎝。茎はよく分枝し、無毛、鈍い稜がある。葉は互生し、長さ0.8~4(8)㎝、幅0.4~3(5)㎝、三角形~菱形状卵形、鮮緑色、基部は楔形~円形、縁は不揃いな鋭鋸歯。葉柄は長さ1~2.5㎝。若葉の葉裏に粉状物がある。長さ6~7㎝、幅4~5㎝の花序に小さな花を多数つける。雄しべ5個。花柱2個。花被片は5個、長さ0.5~0.8㎜、幅0.6~0.7㎜、黄緑色、花被片の背が膨れる。花被片は花後に大きくなり、果実(胞果)を包み、背面がやや膨む。種子は直径1~1.5㎜の扁平な中央が厚い円形、円周に稜がある。2n=18。花期は6~10月。
4 Chenopodiastrum simplex (Torr.) S.Fuentes, Uotila & Borsch
synonym Chenopodium hybridum var. simplex Torr.
北アメリカ原産
茎は直立、分枝し、高さ30~150㎝、無毛。葉は芳香が無い。葉柄は長さ1.5~4.5㎜。葉身は卵形~三角形、長さ 3.5~15㎝×2~9㎝、基部は心形~切形、縁は波打つ歯状、1~5個の粗く鋭い歯をもつ。上部の葉は全縁又は少数の小さな歯をもち、先は鋭形、無毛。花序の団散花序(glomerule)は頂生及び側生の長さ6~15㎝の穂状花序と円錐花序につく。団散花序は不規則な球形、花は発達の段階が異なり、直径0.5~2㎜。苞は無い。花被片は5個、基部の合着した筒部は長さ0.5㎜。花被片は卵形~披針形、長さ0.7~1㎜×幅0.4~0.6㎜、先は微凹形、わずかに竜骨があり、無毛、縁はくっつくか、又はその幅程度、離れ、熟すと果実の1/2以上をさらす。雄しべは5本。花柱は2個、長さ約0.1㎜。痩果は扁卵形、果皮は粘着性、紙質、平滑。種子はレンズ形、直径1.3~1.9㎜。種皮は黒色、不明瞭なハチの巣形~ほぼ平滑、縁は丸い。2n=18.。
参考
1) Chenopodiastrum - WikiVisuallyChenopodiastrum
https://wikivisually.com/wiki/Chenopodiastrum
2) SEINet
Chenopodiastrum simplex
http://swbiodiversity.org/seinet/taxa/index.php?taxon=168438&clid=4872
3) GRIN
Chenopodiastrum
https://npgsweb.ars-grin.gov/gringlobal/taxonomygenus.aspx?id=29214
4)San Diego State University COLLEGE OF SCIENCES
Chenopodiastrum simplex
http://www.sci.sdsu.edu/plants/chenopodium/Chenopodiastrum_simplex/
https://sciences.sdsu.edu/cos/error.php
5)Manual of the Alien Plants of Belgium
Chenopodiastrum
http://alienplantsbelgium.be/content/chenopodiastrum