リビングストンデージー    
[別名] ヘラマツバギク(箆松葉菊)、ベニハリソウ(紅玻璃草)、サボテンギク
[中国名] 彩虹菊 cai hong ju
[英名] Livingstone daisy , ice plant
[学名] Cleretum bellidiforme (Burm.f.) G.D.Rowley
Dorotheanthus bellidiformis (Burm.f.) N.E.Br.
Mesembryanthemum bellidiforme Burm. f. [basynonym]
ハマミズナ科  Aizoaceae    クレレツム属
三河の植物観察
リビングストンデージー の花
リビングストンデージー の花2
リビングストンデージー の花3
リビングストンデージー の花5
リビングストンデージー の雄しべ
リビングストンデージー の花後の咢片
リビングストンデージー の茎のパピラ
リビングストンデージー
リビングストンデージー の花4
リビングストンデージー葉
 2012年に分子系統学による分類により、クレレツム属Cleretumにまとめられるようになったが、まだ、ドロテアンツス属Dorotheanthus に分類されていることも多い。原産地の南アフリカのPlantz Africaではクレレツム属Cleretumに分類し、GRINも同様である。日本には昭和の初期に導入され、よく栽培されている。園芸品種は花がやや大きく、直径5~6㎝のものが普通である。
 1年草、多肉質。高さ10~20㎝、低くグランドカバー状になり、枝を数本広げる。葉は長さ5㎝以下、幅2㎝以下、灰緑色~緑色又は栗色を帯び、舌形~スプーン形、多少、平ら、全縁。葉や茎に気泡のような表面細胞(パピア)=氷霜毛が目立ち、明るい太陽光に輝き、水を貯える。花柄は上向き又は傾き、細く、肉質、長さ25㎜以下、枝先につく。花は多数つき、単生、直径20~40(50)㎜、色は明るい。花弁は35~50個、線形~狭い槍形、平開し、色は様々、白色、クリーム色、黄色、サーモン色、オレンジ色、ピンク色、モーブ色、マゼンタ色、赤色、ときに白色、栗色、黄色、淡オレンジ色の地色に2色になる。雄しべは花の中心に2又は4列に束生し、花糸が栗色、葯が紫色又は黄色。子房は下位。果実は蒴果、広がった膜があり、湿ると外側に曲がる。蒴果は5辺があり、5区画からなり、熟すと、硬く、乾き、星形の咢片が宿存する。種子は不規則な形であり、淡褐クリーム色、表面は平滑。花期は晩春~夏(4~6月)。
[花期] 4~6月
[草丈] 10~20㎝
[生活型] 1年草
[生育場所] 栽培種
[分布] 外来種  南アフリカ原産
[撮影] 浜松市  18.04.03

  クレレツム属

  Family: Aizoaceae - genus Cleretum

 Cleretum属はイギリスの植物分類学者のN.E. Brownにより確立され、1925年のThe Gardener’s Chronicleの第78巻(シリーズ3)に、「Mesembryanthemum and some new genera separated from it」のタイトルで掲載されている。しかしながらその意味は不明瞭である。Cleretumはギリシャ語の語源に由来し、スパルタ時代に土地のくじ引きのために使われた。例えば、小石、陶器の破片、木片など。ラテン語の末尾の-etum は与えられた植物によって占められた場所を示す。種名のbellidiforme は ヨーロッパのデージー Bellis属の花に似ていることの解説であり、‘handsome’を意味する。通称名の bokbaaivygie はケープの西海岸のダーリングの近くにあるBokbaai (Buck Bay) 農場を記念して名付けられた。そこではこの種が普通に見られ、何世代にもわたり、 Duckitt familyが所有している。オランダの植物学者の Nicolaas L. Burmann (1733~1793) は初め、1768年にアムステルダムで出版した彼の Prodromus florae capensis でこの種をMesembryanthemum bellidiforme として記述した。1928年に N.E. BrownはDorotheanthus属に置き、D. bellidiformis,とし、名がよく知られるようになった。しかし、1979年に英国の植物学者のGordon RowleyがCleretum属に移し、園芸分類雑誌の Baileya.の中で C. bellidiformeとした。20世紀の初期~中期に、いろいろな植物学者、主にLouisa Bolusがケープタウン大学でDorotheanthus属の多数の種を記述した。 D. acuminatus, D. bidouwensis, D. flos-solis, D. hallii, D. littlewoodii, D. lutens, D. muirii, D. oculatus var. oculatus, D. oculatus var. saldanensis 及び D. stayneri を含む。しかしながら、その後、1987年にドイツの植物学者の H.-D. Ihlenfeldt と M. Struck がsynonym のDorotheanthus 属の下に Cleretum 属を置いたとき、これらの全ての分類群はD. bellidiformis のsynonymとみなされた。2012年にはケープタウン大学の植物学者、Cornelia Klak とPeter Bruyns はDorotheantheae族の分子系統学(DNA解析に基づく進化的発生と多様化の調査)を発表し、Dorotheanthus はCleretum属の中に置くのがベストであることを示した。この結果、D. bellidiformisは再び、Cleretum bellidiforme となった。いくつかの他の分類(上)の変更があり、Namaqualand からの紫色又は白色花のDorotheanthus bellidiformis subsp. hestermalensisは Cleretum hestermalenseに名前を変更された。Cleretum属は多肉の1年草の14種からなり、南アフリカの西部、南西部、南部の冬季降雨部に固有である。その分布はNamaqualand からケープ南部及び、グレートカルー西部~南部の内陸である。その主な2つの中心はNamaqualand の南中央のKamiesbergの中と、ケープ西部の南西部の海岸である。Cleretum属はまた、 Aethephyllum属を含み、Dorotheantheae族の唯一のメンバーである。14種のCleretum属のうち、8種は大きな華やかな花をもち、一方6種は小さな大したことがない花をもつ。C. bellidiformeは最も普通の種であり、最も魅力的なものの1つである。園芸取引ではまだ、しばしばMesembryanthemumと呼ばれる。(参考1)
【クレレツム属の種】
01 Cleretum apetalum (L.f.) N.E.Br. = Dorotheanthus apetalus(Dorotheanthus gramineus (Haw.) Schwantes)
02 Cleretum bellidiforme (Burm.f.) G.D.Rowley = Dorotheanthus bellidiformis (Burm.f.) N.E.Br.
03 Cleretum booysenii (L.Bolus) Klak = Dorotheanthus booysenii L.Bolus
04 Cleretum bruynsii Klak
05 Cleretum clavatum (Haw.) Klak = Dorotheanthus clavatus (Haw.) Struck
06 Cleretum herrei (Schwantes) Ihlenf. & Struck
07 Cleretum hestermalense (Ihlenf. & Struck) Klak
08 Cleretum lyratifolium Ihlenf. & Struck
09 Cleretum maughanii (N.E.Br.) Klak = Dorotheanthus maughanii (N.E.Br.) Ihlenf. & Struck
10 Cleretum papulosum (L.f.) L.Bolus subsp. papulosum
11 Cleretum papulosum (L.f.) L.Bolus subsp. schlechteri (Schwantes) Ihlenf. & Struck
12 Cleretum patersonjonesii Klak
13 Cleretum pinnatifidum (L.f.) L.Bolus  = Aethephyllum pinnatifidum (L.f.) N.E.Br.
14 Cleretum rourkei (L.Bolus) Klak = Dorotheanthus rourkei L.Bolus

【狭義のクレレツム属 Cleretum】
 多肉質、1年草、目立つ乳頭状の表皮細胞をもつ。茎は傾伏~斜上、節間は長い。葉は対生、± へら形、全縁(オーストラリアの植物)。花は単生、頂生又は腋生、花柄がある。咢片5個、統合された筒部があり、不等長で2個は小さく、縁が膜質。花弁状の仮雄しべが多数、黄色又は白色、平らになる。雄しべは5~10個。花糸は扁平、仮雄しべより短い。花柱は5個。子房は下位、5室。胚珠は多数、側膜。果実は5室の蒴果、湿ると開き、バルブに翼がある。種子は多数、三角形~四角形。
 3種が南アフリカ原産。1種がオーストラリアに帰化。
【狭義のクレレツム属 の種】
01 Cleretum herrei (Schwantes) Ihlenf. & Struck
02 Cleretum lyratifolium Ihlenf. & Struck
03 Cleretum papulosum (L.f.) N.E.Br.

Cleretum apetalus = Dorotheanthus apetalus(Dorotheanthus gramineus (Haw.) Schwantes)
Cleretum bellidiforme = Dorotheanthus bellidiformis
Cleretum cuneifolium = Dorotheanthus bellidiformis ssp. bellidiformis
Cleretum criniflorum = Dorotheanthus bellidiformis ssp. bellidiformis
Cleretum flos-solis = Dorotheanthus bellidiformis ssp. bellidiformis
Cleretum gramineum = Dorotheanthus apetalus

  ドロテアンツス属

  Family: Aizoaceae - genus Dorotheanthus

 1年草、乳頭状突起がある。傾伏~斜上、まれに小型、花時に高さ±10㎝以下。葉はほとんどが互生、初め、2輪の十字対生、へら形~長楕円状卵形~線形、平らになり、下部ではロゼット状、丈夫ではやや間隔が開き、基部の合着はわずか又は無、柔らかく、基部は葉柄状に狭くなる。花は単生、頂生又は腋生、直径40㎜以下。苞はなく、花柄は長さ60㎜以下。朝に開花し、夜閉じる。咢片は5個、変化が多く、ときに、葉状、柔らかく、パピラ(乳頭状突起)がある。花弁は2列、分離、線状披針形又はD. apetalusでは目だたない。多くの色があり、白色、黄色、橙色~赤色の様々な色合い、ピンク色、紫色、普通、基部が淡色になり、結果としてハロー効果で中心が大抵は暗色になる。雄しべは褐色又は帯赤色、ときに基部に毛がある。仮雄しべは無い。蜜腺は小鈍鋸歯状(crenulate)の輪になる。子房はやや平ら、肋やいぼは無く、 側膜胎座。柱頭は5個、錐形、内側にパピラがある。果実は5室、蒴果、Mitrophyllum型、柱頭が宿存する。シートが拡大し、大きく、竜骨が広がり、分岐する。バルブの翼は狭く、鋭形。覆う膜は有るか又は無い。種子はナシ形~球形、平滑で、帯白色又はいぼ状、暗褐色。X=9。花期は生息地では晩冬~春。特徴、1年草、輝く嚢細胞、自形変晶(idioblasts)をもつ。花は多色。果実はしばしば宿存する柱頭をもつ。
 7種が南アフリカのwinter-rainfall regionだけに分布する。ケープ西部と北部の.海岸と内陸部に普通にみられる。(参考3)
【ドロテアンツス属の種】
Dorotheanthus apetalus (L.f.) N.E.Br.
Dorotheanthus bellidiformis (Burm.f.) N.E.Br.
Dorotheanthus booysenii L.Bolus
Dorotheanthus clavatus (Haw.) Struck
Dorotheanthus maughanii (N.E.Br.) Ihlenf. & Struck
Dorotheanthus rourkei L.Bolus
Dorotheanthus ulularis Brusse

  クレレツム属 の主な種と園芸品種

 1  Cleretum bellidiforme (Burm.f.) G.D.Rowley リビングストンデージー
    synonym Dorotheanthus bellidiformis (Burm.f.) N.E.Br.
    synonym Mesembryanthemum bellidiforme Burm. f. [basynonym]
 南アフリカ原産。英名はLivingstone daisy , ice plant , Cape daisy。中国名は彩虹菊 (cai hong ju)。和名はヘラマツバギク(箆松葉菊)又はベニハリソウ(紅玻璃草)といわれるがほとんど使われていない。。
 1年草、多肉質。高さ10~20㎝、低くグランドカバー状になり、枝を数本広げる。葉は長さ5㎝以下、幅2㎝以下、灰緑色~緑色又は栗色を帯び、舌形~スプーン形、多少、平ら、全縁。葉や茎に気泡のような表面細胞(パピア)=氷霜毛が目立ち、明るい太陽光に輝き、水を貯える。花柄は上向き又は傾き、細く、肉質、長さ25㎜以下、枝先につく。花は多数つき、単生、直径20~40(50)㎜、色は明るい。花弁は35~50個、線形~狭い槍形、平開し、色は様々、白色、クリーム色、黄色、サーモン色、オレンジ色、ピンク色、モーブ色、マゼンタ色、赤色、ときに白色、栗色、黄色、淡オレンジ色の地色に2色になる。雄しべは花の中心に2又は4列に束生し、花糸が栗色、葯が紫色又は黄色。子房は下位。果実は蒴果、広がった膜があり、湿ると外側に曲がる。蒴果は5辺があり、5区画からなり、熟すと、硬く、乾き、星形の咢片が宿存する。種子は不規則な形であり、淡褐クリーム色、表面は平滑。花期は晩春~夏(4~6月)。
品種) Magic Carpet Series , 'Mezoo Trailing Red'


 参考

1) Plantz Africa
  Cleretum bellidiforme
 http://pza.sanbi.org/cleretum-bellidiforme
2) VicFlora Flora of Victoria
 Genus Cleretum
 https://vicflora.rbg.vic.gov.au/flora/taxon/4c7a4022-f9d2-418f-8fc4-0df0aff828c5
3)Seed Plants of southern Africa: families and genera
 Dorotheanthus Schwantes
 http://posa.sanbi.org/flora/results_browse.php?src=SP&taxon=genno=178,spno=21
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