クズ 葛

Flora of Mikawa
マメ科 Fabaceae クズ属
| 中国名 | 葛麻姆 ge ma mu |
| 英 名 | Kudzu, Japanese arrowroot |
| 学 名 |
Pueraria montana var. lobata (Willd.) Maesen & S.M.Almeida ex Sanjappa & Predeep synonym Pueraria lobata (Willd.) Ohwi |








| 花 期 | 7~9月 |
| 高 さ | つる性 |
| 生活型 | 多年草 |
| 生育場所 | 山野に普通 |
| 分 布 | 在来種 日本全土、朝鮮、中国(青海省、新疆ウイグル自治区、西蔵省を除く中国全土)、台湾、ロシア、ミャンマー、カンボジア、ラオス、マレーシア、フィリピン、インドネシア(ジャワ島、マルク諸島)、ニューギニア、ソロモン諸島、カロリン諸島、オーストラリア(ノーザンテリトリー)原産 |
| 撮 影 | 幸田町 01.9.2 |
基部が木質の多年生の粗い蔓性草本。茎は極めて細長く、絡み合うかまたは匍匐し、帯白色の微軟毛があり、粗く開出するかまたは後屈する褐色の長剛毛(hispid)がある。托葉は葉状、披針形、ほぼ鋭形、中着し、長さ15~20mm、緑色。葉は羽状3小葉(pinnately 3-foliolate)。小葉は小葉柄があり、緑色、上面に緩く伏毛があり、下面には帯白色の毛が密にあり、頂小葉(裂片)は菱状円形、長さと幅は10~15cm、先は急に尖鋭形、ときに3浅裂し、側小葉(裂片)はしばしば2裂する。総状花序は密に多数の花がつき、ほぼ無柄または短い花序柄があり、長さ10~20cm、直立し、ときに枝分かれする。総状花序の節は肥厚する。花は赤紫色、まれにほぼ白色になり、長さ18~20mm。苞は線形、長さ8~10mm×幅0.2~0.3mm、長い細柔毛(pilose)があり、早落性。小苞は小さく、早落性、狭卵形または広披針形、先は鋭形。萼は深く5裂し、上側の2萼片は多少、合着し、最下部の萼片は萼筒の長さの1.5~2倍。旗弁は通常、基部近くの両側にカルスのある距を持ち、翼弁と竜骨弁はほぼ同長。雄しべは単体(monadelphous:一本の束になる)。花柱には毛がない。豆果は線形、扁平、密に暗褐色の開出する長剛毛があり、長6~8cm×幅8~10mm、2バルブをもち、種子は多数[3~8個、長さ約3.5㎜]。花期は7~9月。北海道、本州、四国、九州。朝鮮半島および中国に非常によく見られる[Flora of Japan 1953]。
根は塊根となり、根からデンプンの葛粉が取れることで知られる。塊根の大きいものは長さ1.5m以上、直径約20cmにもなり、多くのデンプンを蓄える。花は8~9月頃に咲くのが普通で、秋の七草の1つである。2n=22, 24。
【Flora of Chinaの解説】
萼片は長さ8~10mm。旗弁は倒卵形、長さ10~12mm。翼弁は竜骨弁とほぼ同長。豆果は長さ5~9cm×幅8~11mm。
クズ属
family Fabaceae - genus Pueraria絡み合う草本または低木。根はときに塊茎がある。托葉はときに着生点より下に生じる。葉は羽状複葉、3小葉。小葉は大きく、小葉柄があり、卵形または菱形、縁は全縁または切れ込み状に分裂する。花序は、腋生、総状花序、または長い花序柄の円錐花序になるか、小枝の先に数個の総状花序が集まってつく。苞は普通、小さいかまたは狭い、非常に早落性。小苞は小さく、ほぼ宿存性または微細で、早落性。花は青色または帯紫色、普通、花序軸の節に数個の花が束生する。萼は鐘形、上唇の2歯が合着し、全縁または2裂する唇になる。花冠は萼を超える。旗弁は2個の内曲する耳をもつ。翼弁は狭い長円形または倒卵状かま形、しばしば竜骨弁の中間に付着する。竜骨弁はときに嘴があり、翼とほぼ同長。旗弁の雄しべ(vexillary stamen)は基部が分離、または他の雄しべと中間で合着し、まれに完全に分離する。葯は均一。子房は無柄、胚珠は多数。花柱は糸状、上部で内側に曲がる。柱頭は小さく、頭状。豆果は線形または円筒形、内で連続するか、満杯になるか、または種子間が離れている。種子は扁平、ほぼ円形または横向きの長円形。
世界に約20種あり、熱帯および東アジアに分布する。
クズ属の主な種と園芸品種
1 Pueraria alopecuroides Craib プエラリア・アロペクロイデス
中国(雲南省)、ミャンマー、タイ原産。中国名は密花葛 mi hua ge。混合林内で、イネ科植物の間に生育する。つる性木。枝は鉄さび色の毛がある。托葉は背着し、矢じり形、約・約2.2cm×幅8mm、条線がある。葉柄は長さ10~20cm、まばらに鉄さび色の剛毛がある。托葉は線状披針形、小葉柄よりわずかに長く、条線がある。頂小葉は広卵形、長さ10~15cm×幅6.5~12cm、両面にまばらに毛があり、側脈は6~8対、両面で目立ち、基部は円形、縁は円鋸歯状、先は尾状尖鋭形で、若いうちは微突形または鋭形。側小葉は小さく、斜め。花序は円錐花序で、開花前は非常に密で、長さ約22cm、枝は長さ約10cm。苞は披針形または線状披針形、長さ約1.3cm、花芽より長く、鉄さび色の剛毛がありる。小苞は長さ約5.5mm。小花柄は長さ約5mm。萼は微軟毛と鉄さび色の細柔毛がある。萼筒は長さ約3mm。萼片は披針形、長さ4~6mm、上部の2萼片は合着する。旗弁は白色、ほぼ円形、直径約1cm、先が凹形、基部に黄色の斑点があり、耳とたこ(callosities)は内側に湾曲し、爪部は長さ約2.5mm。翼弁は長円形、竜骨弁より長く、長い付属体を持ち、竜骨は紫色、長さ約1cm、鈍形。旗弁の雄しべは基部が離生。子房は無柄で、長さ約7mm、まばらに絨毛がある。
2 Pueraria grandiflora B.Pan bis & Bing Liu プエラリア・グランディフロラ
中国(四川省、雲南省)原産。中国名は大花葛 dà huā gé。標高700~1600mの金沙河沿いの乾燥した暑い渓谷に生える。蔓植物、長さ3~8m。根は塊茎があり、卵形、細長いか扁平、長さ2.5~8cm×幅3~9cm、地下に4~多数が束生する。茎は基部が通常木質化し、若い部分は灰色の軟毛があり、ときに無毛になる。葉は3出複葉で互生する。托葉は中着し、基部で裂け、矢じり形、長さ8~16mm、条線がある。小托葉は線状披針形、長さ5~8mm。葉柄は長さ5~12cm、伏した短い毛がある。小葉柄は長さ5~8mm。小葉は広卵形または扁卵形、全縁または2~3裂し、脈は4~6対、両面に短い軟毛がある。頂小葉は長さ4~11cm×幅3~10.5cm、基部は円形または広楔形、先は尖鋭形。側小葉は斜めで、ときに非常に不等で、小さく、長さ3~10.5cm×幅3~9.5cm、基部は広楔形~切形。花序は腋生または頂生の偽総状花序、分岐しないかまたは1枝で、長さ15~40cm、直立またはわずかに斜上する。花序柄は長さ4~14cm、伏毛がある。小花柄は長さ約7mm。花は節ごとに3個あり、卵形の苞が基部につく。苞は節ごとに4個あり、底着し、下面には長い毛があり、長さ4~7mm、花後すぐに脱落し、外側の苞は節ごとに3個つく他の苞よりも大きい。小苞は2個あり、卵形で条線があり、長さ約3mm。花弁は長さ22~25mm。萼片は長さ10mm、紫がかった灰色で、軟毛がある。萼片は4個、披針形、尖鋭形、上側の2歯は完全に癒合し、長さ5~6mm、萼筒よりわずかに長く、下側の裂片は他の裂片よりわずかに長い。花冠は2色。旗弁は倒卵形、白色~薄青色、中央に黄色のパッチがあり、長さ22~25mm、耳があり、基部に一対のカロシティー(たこ)があり、短い爪部がある。翼弁は紫青色、旗弁より暗色、鎌形、約・長さ23mm×幅7mm、基部に線形の耳がある。竜骨弁は翼弁と同色で鎌形状長円形、非常に小さい鋭い耳があり、翼弁とほぼ同長。雄しべは10本で、旗弁の雄しべ(vexillary stamen)は中間で他の9本と合着し、両端は離生。子房は線形、毛がある。豆果は約・長さ5.5cm×幅10mm、扁平で熟しても捻じれない。種子は4~5個、種子間がくびれ、褐色の粗毛が密にある。種子は腎形、扁平、平滑、褐色、約・長さ4mm×幅2.5mm、仮種皮は短く、へその周囲に円形の縁がある。珠柄(funicle)は細い円柱形、長さ約2mm。花期は6~9月。果期は8~10月。
3 Pueraria montana (Lour.) Merr. タイワンクズ 台湾葛 広義
synonym Pueraria lobata (Willd.) Ohwi var. montana (Lour.) Maesen
日本(沖縄、小笠原諸島)、朝鮮、中国(青海省、新疆ウイグル自治区、西蔵を除く中国全土)、台湾、ロシア、インド、ブータン、ミャンマー、バングラデシュ、カンボジア、ラオス、マレーシア、タイ、ベトナム、フィリピン、インドネシ(ジャワ、モルッカ諸島)、ニューギニア、カロリン諸島、ソロモン諸島、オーストラリア(ノーザンテリトリー)原産。中国名は葛 ge。英名はkudzu vine。山地の林、茂み、開けた場所などに生える。植物は一般にクズのつるとして知られている。塊茎を持つ頑強な蔓性性。茎は長さ8mまで、根元は木質で、全体に帯黄色の毛がある。托葉(stipules)は背着、卵状長円形、条線がある。小托葉(stipels)は線状披針形、小葉柄の長さに等しいかまたは長い。小葉は3裂、まれに全縁。頂小葉は広卵形、長さ7~15(~19)㎝×幅5~12(~18)㎝、先は尖鋭形。側小葉は斜めの卵形、小さく、上面は帯黄色の伏毛があり、下面はより密に毛がある。総状花序は長さ15~30㎝。花は2または3個が節に集まってつく。苞は線状披針形~線形、小苞より短いかまたは長く、早落性。小苞は卵形で、長さ2㎜未満。萼は長さ7~20㎜、絨毛があり、黄褐色の毛があり、萼片は披針形、尖鋭形、萼筒よりわずかに長い。花冠は紫色。旗弁は倒卵形、長さ8~18㎜、耳があり、基部に黄色のカルス(callosities)があり、短い爪部がある。翼弁はかま形、竜骨弁よりも狭く、基部に線形の耳がある。竜骨弁はかま形状長円形、非常に小さく鋭い耳がある。旗弁の雄しべ(vexillary stamen)は上部が分離。雄しべは線形、毛がある。豆果は長い楕円形、長さ4~14㎝×幅6~13㎜、扁平、褐色の粗毛がある。花期は7~10月。果期は10~12月。
3-1 Pueraria montana var. lobata (Willd.) Maesen & S.M.Almeida ex Sanjappa & Predeep クズ 葛
synonym Pueraria lobata (Willd.) Ohwisynonym Pueraria lobata (Willd.) Ohwi subsp. lobata
synonym Pueraria montana var. chinensis (Benth.) Maesen & S.M.Almeida ex Sanjappa & Predeep シナクズ
synonym Pueraria chinensis (Benth.) Ohwi シナクズsynonym Pueraria thunbergii f. alba M.H.Lee
synonym Pueraria triloba var. leucostachya Honda シロバナクズ
synonym Pueraria lobata (Willd.) Ohwi f. leucostachya (Honda) Okuyama シロバナクズ
日本全土、朝鮮、中国(青海省、新疆ウイグル自治区、西蔵省を除く中国全土)、台湾、ロシア、ミャンマー、カンボジア、ラオス、マレーシア、フィリピン、インドネシア(ジャワ島、マルク諸島)、ニューギニア、ソロモン諸島、カロリン諸島、オーストラリア(ノーザンテリトリー)原産。中国名は葛麻姆 ge ma mu。英名はKudzu, Japanese arrowroot。山野に普通、荒地や道端の土手に大きな葉で茂っているのがよく見られる。または栽培されている。アフリカ、アメリカ、ヨーロッパにも導入されている。薬用、食用塊茎、被覆作物、飼料として利用される。基部が木質の多年生の粗い蔓性草本。茎は極めて細長く、絡み合うかまたは匍匐し、帯白色の微軟毛があり、粗く開出するかまたは後屈する褐色の長剛毛(hispid)がある。托葉は葉状、披針形、ほぼ鋭形、中着し、長さ15~20mm、緑色。葉は羽状3小葉(pinnately 3-foliolate)。小葉は小葉柄があり、緑色、上面に緩く伏毛があり、下面には帯白色の毛が密にあり、頂小葉(裂片)は菱状円形、長さと幅は10~15cm、先は急に尖鋭形、ときに3浅裂し、側小葉(裂片)はしばしば2裂する。総状花序は密に多数の花がつき、ほぼ無柄または短い花序柄があり、長さ10~20cm、直立し、ときに枝分かれする。総状花序の節は肥厚する。花は赤紫色、まれにほぼ白色になり、長さ18~20mm。苞は線形、長さ8~10mm×幅0.2~0.3mm、長い細柔毛(pilose)があり、早落性。小苞は小さく、早落性、狭卵形または広披針形、先は鋭形。萼は深く5裂し、上側の2萼片は多少、合着し、最下部の萼片は萼筒の長さの1.5~2倍。旗弁は通常、基部近くの両側にカルスのある距を持ち、翼弁と竜骨弁はほぼ同長。雄しべは単体(monadelphous:一本の束になる)。花柱には毛がない。豆果は線形、扁平、密に暗褐色の開出する長剛毛があり、長6~8cm×幅8~10mm、2バルブをもち、種子は多数[3~8個、長さ約3.5㎜]。花期は7~9月。北海道、本州、四国、九州。朝鮮半島および中国に非常によく見られる[Flora of Japan 1953]。
根は塊根となり、根からデンプンの葛粉が取れることで知られる。塊根の大きいものは長さ1.5m以上、直径約20cmにもなり、多くのデンプンを蓄える。花は8~9月頃に咲くのが普通で、秋の七草の1つである。2n=22, 24。
【Flora of Chinaの解説】
萼片は長さ8~10mm。旗弁は倒卵形、長さ10~12mm。翼弁は竜骨弁とほぼ同長。豆果は長さ5~9cm×幅8~11mm。
下記はYListに掲載されているPueraria lobataの下位分類。
(1) Pueraria lobata (Willd.) Ohwi subsp. lobata クズ 狭義
synonym Pueraria montana (Lour.) Merr. var. lobata (Willd.) Maesen et S.M.Almeida
synonym Pueraria hirsuta (Thunb.) Matsum.花が淡紅色。
(2) > Pueraria lobata (Willd.) Ohwi f. leucostachya (Honda) Okuyama シロバナクズ
synonym Pueraria lobata (Willd.) Ohwi f. alborosea (Makino) Okuyama トキイロクズ 朱鷺色葛
synonym Pueraria triloba var. leucostachya Honda花が白色。
(3) Pueraria lobata (Willd.) Ohwi var. insularis M.Mizush. フシゲクズ 節毛葛
葉柄や葉身に下向きに伏した毛が生える。青ケ島産をtype標本として記載された。他地域でも見られる。3-2 Pueraria montana var. montana タイワンクズ 台湾葛 狭義
synonym Pueraria montana f. alba G.Y.Li, F.G.Zhang & J.S.Wang
synonym Pueraria thunbergiana var. formosana Hosok.synonym Pueraria tonkinensis Gagnep.
synonym Shuteria vestita Benth.
synonym Soja javanica (L.) Graham
日本(沖縄)、中国(福建省、広東省、広西チワン族自治区、貴州省、海南省、湖北省、湖南省、江西省、四川省、雲南省、浙江省)、台湾、インド、ブータン、ミャンマー、ラオス、タイ、ベトナム、フィリピン原産。中国名は葛 ge。開けた場所、茂み、森林に生える。
苞は小苞より短い。萼片は長さ7~8mm。旗弁は直径約8mm。豆果は長さ4~9cm×幅6~8mm。花期は7~9月。果期は10~12月。
3-3 Pueraria montana var. thomsonii (Benth.) M.R.Almeida アマクズ 甘葛
synonym Pueraria montana var. thomsonii (Bentham) M. R. Almeida [Flora of China]
synonym Pueraria lobata subsp. thomsonii (Benth.) H.Ohashi & Tateishi
synonym Pueraria lobata var. thomsonii (Benth.) Maesensynonym Pueraria thomsonii Benth.
日本(沖縄)、中国(広東省、広西チワン族自治区、海南省、江西省、四川省、西蔵、雲南省)、台湾、インド、ブータン、ミャンマー、バングラデシュ、ラオス、タイ、ベトナム、フィリピン原産。中国名は粉葛 fen ge。藪、開けた森林、または耕作地に生える。野菜として、またデンプン抽出にも利用される。
萼片は長さ20mmまで。旗弁はほぼ円形、長さ16~18mm。翼弁は竜骨弁よりわずかに短い。豆果は長さ10~14cm×幅10~13mm。花期は9月。果期は11月初旬。
4 Pueraria phaseoloides (Roxb.) Benth. クズインゲン 葛隠元
中国、台湾、ブータン、カンボジア、インド、ラオス、マレーシア、ミャンマー、ネパール、タイ、ベトナム原産。中国名は三裂叶野葛 san lie ye ye ge。山岳地帯と丘陵地帯の雑木林に生える。蔓性の草本。茎は細く、長さ2~4 m、帯褐色の粗毛はある。托葉は底着、卵状披針形、長さ3~5㎜。小托葉は線形、長さ2~3㎜。小葉は広卵形、菱形、または卵状菱形。頂小葉はより広く、長さ6~10㎝×幅4.5~9㎝。側小葉はより小さく、斜め、全縁または3裂し、下面に密な白色の粗毛があり、上面に伏した粗毛がある。総状花序は単生、長さ8~15㎝またはそれ以上。苞と小苞は線状披針形、長さ3~4㎜、粗毛がある。花は短柄があり、わずかに離れた節に束生する。萼は長さ約6㎜、直軟毛があり、下側の萼歯は萼筒の長さと同じで、先は粗毛があり、他の萼歯は三角形で、萼筒より短い。花冠は帯青色またはライラック色。旗弁はほぼ円形、長さ8~12㎜、基部に2個の内側に曲がった耳をもつ。翼弁は倒卵状長円形、竜骨弁よりわずかに長く、基部の片側に丸い耳があり、爪部は細い。竜骨弁はかま形、先に短い嘴があり、基部は切形、爪部がある。子房は線形、薄く毛がある。豆果はほぼ円筒形、長さ5~8㎝×幅約4㎜、初め伏した粗毛があり、後にほぼ無毛になる。種子は15~20個、長円状楕円形、両端はほぼ切形、長さ約4㎜。花期は8~9月。果期は10~11月。
5 Pueraria xyzhui H.Ohashi & Iokawa プエラリア・キズイ
中国(雲南省)原産。中国名は云南葛 yun nan ge。標高約1500mの山地に生える。
蔓性草本。茎は密に伏した絹毛があり、毛は後屈する。托葉は背着し、幅3~4mm。葉柄は長さ7~8cm。托葉は狭卵状三角形、長さ4~5mm。頂小葉は広卵形、長さ8cm×幅6.5cm・以下、3裂し、側小葉は斜めで頂小葉とほぼ同長、3裂し、基部は円形、先は鋭形、下面は絹毛があり、上面は脈上に伏した絹毛の短毛がある。花序は分岐し、長さ48cm以下、密に伏した絹毛がある。苞は脱落性。小苞は長さ約3mm。小花柄は長さ3~4mm。萼は密に伏した絹毛があり、萼筒は長さ約2mm。上側の2萼片は合着し、長さ約4.5mm、側裂片は長さ約4mm、最下の萼片は長さ約4.5mm。旗弁はほぼ円形、約・長さ11mm×幅13mm、先は±凹形、基部はわずかに心形、カロシティー(callosities:たこ)があり、爪部は長さ約2mm。翼弁は楕円形、長さ約12.5mm、爪部があり、わずかに耳がある。竜骨弁は長さ約12mm、爪部があり、耳がある。旗弁の雄しべは基部が離生。子房は無柄、伏した絹毛がある。豆果は不明。
参考
1) Flora of ChinaPueraria
Pueraria
Pueraria
Pueraria grandiflora (Fabaceae), a new species from Southwest China