キダチチョウセンアサガオ  木立朝鮮朝顔
[別名] エンジェルストランペット、オオバナチョウセンアサガオ、カシワバチョウセンアサガオ
[中国名] 大花曼佗罗 man tuo luo
[英名] angel's-trumpet , white angel's-trumpet
[学名] Brugmansia suaveolens (Humb. et Bonpl. ex Willd.) Sweet
ナス科 Solanaceae  キダチチョウセンアサガオ属
三河の植物観察
キダチチョウセンアサガオの花
キダチチョウセンアサガオの花の雄しべ
キダチチョウセンアサガオの萼片
キダチチョウセンアサガオの葉柄
キダチチョウセンアサガオの幹
キダチチョウセンアサガオ
キダチチョウセンアサガオ花冠
キダチチョウセンアサガオ葉表
 キダチチョウセンアサガオは種としてはBrugmansia suaveolensであり、一般的にはキダチチョウセンアサガオ属の栽培種の総称である。キダチチョウセンアサガオ属の栽培品種はドイツ、アメリカ、デンマークなどで多数、作出され、現在では1000種以上があり、白色、黄色、橙色、ピンク色など、花冠が2重、3重以上もある。チョウセンアサガオ属は花が上向きにつき、果実に刺がある。
 キダチチョウセンアサガオは灌木~低木、高さ3~5m、しばしば多数、分枝する。葉や果実などにスコポラミン、ヒヨスチアミンなどの毒性のアルカロイドを含む。葉は互生し、楕円形、長さ25㎝以下、幅15㎝以下、日陰で育つと葉が大きくなる。花は下向きに垂れ下がり、トランペット形、長さ20~30㎝、普通、白色で、黄色、ピンク色もある。花冠の先は5裂し、尖った5個の先(5-pointed)は長さ1~2.5㎝、外側にわずかに反曲又は反曲せず、内巻きにはならない。萼は筒状、膨らみ、角張り、先に短い5歯がある。果実は蒴果、長さ10~15㎝、平滑、 緑色~タン色に変わる。種子は多数、入り、長さ7~12㎜、扁平。園芸品種はPlena(トランペットの中にトランペットがある二重花冠)、Frosty Pink(ピンク色)、Dr. Seuss(黄色~橙色)、Charles Grimaldi.(橙色)など
 ●コダチチョウセンアサガオ(カンディダ) Brugmansia x candida はペルー原産であり、.Brugmansia aurea と Brugmansia versicolorの自然交雑種。英名はangel's-trumpetといいキダチチョウセンアサガオと同じで紛らわしい。中国名は木本曼陀羅。高さ1.5~3mの低木。全体にほとんど無毛。葉は卵形~長楕円形、長さ20㎝以下。花は下向きに垂れ下がり、トランペット形、長さ25~30㎝、白色、園芸品種は黄色、淡ピンク色、二重花冠もある。花冠の先はフレアー状、不規則な浅い裂片が反曲し、花冠の尖った先は反曲しない。萼は先端の片側だけ長く、仏炎苞に似ている(苞状 spathe type)。夕方に強い芳香を出す。園芸品種はDouble White、Grand Marnier、Shredded Whiteなど。
[花期] (5)7~11月
[草丈] 3~5m
[生活型] 常緑低木
[生育場所] 耕作地、庭、道端
[分布] 帰化種 南アメリカ(ブラジル、ボリビア、ペルー)原産
[撮影] 蒲郡市  16.7.23
【キダチチョウセンアサガオ属】
 灌木又は低木、半木質、幹はしばしば多数分枝する。高さ3~11mに達する。葉は互生し、茎葉はおおよそ長さ10~30㎝、幅4~18㎝、全縁又は粗い歯状縁、しばしば細かい毛で覆われる。angel's trumpeの名は大きく、垂れ下がるトランペット形の花に由来し、花は長さ14~50㎝、開花時の幅10~35㎝。花は白色、黄色、ピンク色、橙色、緑色、赤色。たいてい強く、心地よい香りがある、香りは夕方に最も強い。花は1重、2重、又はそれ以上。果実に刺はない。
 以下の野生種7種1亜種(2交雑種を含む)がある。
①アルボレア Brugmansia arborea (L.) Sweet ボリビア、コロンビア、ペルー原産。angel's-trumpet。高さ7m以下。花は長さ12~17㎝、萼は仏縁苞状。果実は卵形、長さ約6㎝、幅約4.5㎝。
②アウレアBrugmansia aurea Lagerh.=ピティエリ Brugmansia pittieri(Saff.) Moldenke コロンビア、エクアドル原産。golden angel's-trumpet, yellow angel's-trumpet。花冠は長さ25㎝以下、先が明瞭に尾状に長い。萼は花冠筒部の半分よりわずかに長く、先は2~5歯。
③インシグニスBrugmansia x insignis (Barb.Rodr.) Lockwood ex R.E. R.E.Schult. ブラジル、コロンビア、ペルー原産。pink angel's-trumpet。Brugmansia suaveolens と Brugmansia versicolorの交雑種。スアウェオレンスによく似ている。花冠の筒部がスアウェオレンスより細くて長い。花冠の先のひげが長さ3~6㎝と長い。
➃サングイネア Brugmansia sanguinea (Ruiz & Pav.) D.Don ボリビア、コロンビア、エクアドル、ペルー原産。red angel's- trumpet。高さ10m以下。エクアドルの高地やコロンビア~ペルーのアンデス高地でスコポラミン採取のために薬用植物として栽培されている。花は長さ20~25㎝、橙色~赤色、黄色の脈が明瞭。果実は洋こま形、長さ約9㎝。
⑤ウルカニコラ Brugmansia sanguinea subsp. vulcanicola (A.S.Barclay) Govaerts=Brugmansia vulcanicola コロンビア、エクアドルに分布する。花が小さく長さ15~22㎝、赤色、黄色、ピンク色。花冠の先の尖りも小さく、長さ0.5~1.5㎝。
⑥スアウェオレンス(キダチチョウセンアサガオ) Brugmansia suaveolens (Willd.) Sweet (Southeast Brazil)
⑦ウェルシコロルBrugmansia versicolor Lagerh. エクアドル原産。peach angel's-trumpet。
 高さ3~5m。花は長さ30~50㎝、初め白色で桃色、ピンク色、アプリコット色に変わり、白色のままのものもある。
⑧カンディダ(コダチチョウセンアサガオ) Brugmansia x candida Pers. はペルー原産。.Brugmansia aurea と Brugmansia versicolorの自然交雑種。高さ1.5~3m。全体にほとんど無毛。花は長さ25~30㎝、白色、栽培品種は黄色、淡ピンク色、二重花冠もある。花冠の先はフレアー状、不規則な浅い裂片が反曲し、花冠の尖った先は反曲しない。萼は先端の片側だけ長く、仏炎苞に似ている(苞状 spathe type)。夕方に強い芳香を出す。
 ※Brugmansia x rubella (Soff.) Moldenke はB. arborea とB. sanguineaの2種のハイブリッドであり、学名としては使われなくなってきている。栽培品種の系統名にrubellaが使われている。

【栽培品種の分類】
 7種の交配親の組み合わせにより分類し、各々に系統分類名をつけている。インシグニス(Insignis)は交雑種とされているが交配親としている。ウルカニコラ(Vulcanicola)はサングイネア(Sanguinea)の亜種とされるようになったが交配親としている。カンディダ(Candida)は野生の自然交雑種もあるが、交配親とせず、2種のハイブリッド栽培品種に分類している。最近では3種のハイブリッドのCubensis系統の品種が多数、作出されている。
1.単一種の栽培品種
(1)Arborea:B. arborea;品種 Ida、Mini Star、Porzellansternchen、Wildform
(2)Aurea:B. aurea;品種 Rothkirch、Goldenes Kornett、Aurea Yellow Wildform、Damian、Glass House Angel
(3)Insignis:B. insignis;品種 Amasanga、El Whisky、Insignis Rosa、Rosa、Jutta、Shushufindi
(4)Sanguinea:B. sanguinea;品種 Sanguinea Red、Sanguinea Orange、Oro Verde、
(5)Suaveolens:B. suaveolens;品種 Frosty Pink、Cotton Candy、Coral Glow、Emerald Frost、Eunice、Fairy Queen、Raffaela
(6)Versicolor:B. versicolor;品種 Ecuador Pink、Versicolor Apricot、Versicolor Orange、Versicolor Peach、Cypress Gardens
(7)Vulcanicola:B. vulcanicola;品種 Kew、Tangerine Fizz、HG 93 - 39
2.2種のハイブリッド栽培品種
(1)Aurinsi:B. aurea、 B. insignis
(2)Candida:B. versicolor 、B. aurea 品種 Bridesmaid、Charleston、Double White、Grand Marnier、Shredded White
(3)Rubella:B. arborea 、B. sanguinea
(4)Suarea:B. suaveolens 、B. aurea
(5)Suaver:B. suaveolens 、B. versicolor
(6)Suavinsi:B. suaveolens 、B. insignis
(7)Verinsi:B. versicolor 、B. insignis
(8)Vulsa:B. vulcanicola、B. sanguinea
(9)Vularbo:B. vulcanicola 、B. arborea
 ※ハイブリッドを交配親としても、元になる種によって分類する
3.3種のハイブリッド栽培品種
(1)Arbovulsa :B. arborea、 B. vulcanicola、B. sanguinea
(2)Suaverinsi :B. suaveolens、B. versicolor、B. insignis
(3)Suavinsaurea:B. suaveolens、 B. insignis、B. aurea
(4)Cubensis :B. versicolor、 B. suaveolens、B. aurea;品種 Goldkrone、Charles Grimaldi、Dr Seuss
(5)Verinsaurea:B. versicolor、 B. insignis、B. aurea
4.4種のハイブリッド栽培品種
(1)Siva :B. suaveolens、 B. insignis、 B. versicolor、B. aurea
 例)Schloss RicklingenはCumbaya (Insignis) とOcre (Cubensis)の交配種

【園芸品種一覧】
国際園芸学会 International Society for Horticultural Science( ISHS)
Brugmansia growers international(BGI)の登録品種一覧がBGIのサイトで調べられる。
http://www.brugmansia.us/cultivars/cultivars.html

【農林水産植物種類別審査基準】 案
 対象はキダチチョウセンアサガオ属(ブルグマンシア属 Brugmansia)
  対象種 アルボレア Brugmansia arborea、アウレアBrugmansia aurea、
       カンディダ(コダチチョウセンアサガオ)Brugmansia x candida、
       インシグニス Brugmansia x insignis、サングイネア Brugmansia sanguinea、
       スアウェオレンス(キダチチョウセンアサガオ) Brugmansia suaveolens、
       ウェルシコロルBrugmansia versicolor
特性表 (Table of Characteristics) ※( )は標準品種(Ex.Var.)
(1) 樹姿
  1立ち型 erect (レモンライム Lemon lime)、2横張型 spreading (オレンジ)、3叢生型 bushy (ピンク)
(2) 株の広がりplant width  最大の幅
  3狭、5中(ホワイト)、5広(オレンジ)
(3)樹高 plant hight 地際から最長部までの㎝
  3低、5中(ホワイト)、7高(オレンジ)
(4)茎の太さ stem thickness =樹高1/2付近の節間中央部の直径
  3細(サングイネア)、5中(ホワイト)、7太(オレンジ)
(5)茎の色 =樹高1/2付近の節間中央部の色
  1淡緑、2緑、3濃緑、4灰緑(ホワイト)、5その他
(6)枝の長さbranch length =主茎の分枝から枝先までの長さ
  3短、5中(ホワイト)、7長(オレンジ)
(7) 枝の太さbranch thickness =主茎から分枝した枝の付け根部分の太さ
  3細、5中(ホワイト)、太(レモンライム)
(8)葉形=開花期において着生する成葉の形
  1広披針形wide lanceolate (ホワイト)、2長楕円形 long elliptick (オレンジ)、
  3 wide ovate 広卵形(ウエルシコロル)、9その他
(9)葉縁の鋸歯の形状 
  1全縁 entire 、2円鋸歯状 crenate (サングイネア)、3歯状dentate (オレンジ)、
  4鋸歯状serrate 、5深波状 sinuate (ホワイト)
(10) 葉縁の鋸歯の疎密
  3疎 sparse (ホワイト)、5中 medium 、7密 dense
(11)葉長
  3短、5中(ホワイト)、7長(ウエルシコロル)
(12)葉幅=最大幅
  3狭、5中(ホワイト)、5広
(13)葉色=葉の表面の色
  1淡緑、2緑(ホワイト)、3濃緑(ピンク)、9その他
(14) 葉の班の有無
  1無、9有
(15) 葉の班の種類
  1覆輪、2中斑、9その他
(16) 葉の毛の多少
  3少(ピンク)、5中(ダブルホワイト)、7多(サングイネア)
(17) 葉柄の太さ petiore thickness = 成葉の葉柄の太さ
  3細、5中(ホワイト)、7太
(18)葉柄の長さpetiore length
  3短、5中(ホワイト)、7長
(19) 花の向き=開花期において着生する花の向き
  1横向き、2斜め下向き(ホワイト)、3下向き(オレンジ)
(20)花の重ね=花冠の重ね
  1一重(ホワイト)、2八重(ダブルホワイト)
(21)花形= 花冠の形
  1漏斗型 funnel (オレンジ)、2中間型 mediuum (ホワイト)、3筒型cylindrical(サングイネア)、
  9その他
(22)花冠の直径
  3小、5中(ホワイト)、7大(オレンジ)
(23花冠筒部の長さ
  3短、5中(ホワイト)、7長
(24)花冠裂片の複色の有無
  1無、9有
(25)単色花の色= 花冠裂片の色
    RHS カラーチャート色票番号による
(26)複色模様の種類 =花冠裂片の複色花の模様の種類
  1ぼかし、9その他
(27)複色花の地色=花冠複色花の地色
  RHS カラーチャート色票番号(indicate referencenumber)
(28)複色花の模様色=花冠複色花の模様色
  RHS カラーチャート色票番号(indicate referencenumber)
(29)花喉部内面底部の色=花冠の花喉部の底面の色
  RHS カラーチャート色票番号(indicate referencenumber)
(30)花筒部外面の色=花冠の花筒部外面の色
  RHS カラーチャート色票番号(indicate referencenumber)
(31)花冠裂片先端部の反転の有無及び程度=最外の花弁先端の主な形
  1無又は極弱(ホワイト) absent 、3弱 week (ピンク)、5中medium (オレンジ)、
  7強strong (ダブルホワイト)
(32)花冠舷部の裂片間の形corolla type of edge= 最外の花弁の長さ
  1凹形emarginate (ホワイト)、2心臓形cordate (ウエルシコロル)、9その他
(33)花冠裂片周縁部の波打ちの程度
  3弱、5中(ピンク)、7強
(34)花冠裂片先端尖り部の長さ collora top length
  1短(ホワイト)、3中(エクアドルピンク)、5長(オレンジ)
(35)がくの形=花冠につくがくの形
  1ほう状spathe type (ウエルシコロル Vercicolor)、2筒状cylindrical (ホワイト)
(36) がく先端部の分裂数
  1無、2.2~4裂(サングイネア)、3.5裂以上(ホワイト)
(37) がくの長さ=開花中の花冠中のがくの長さ
  1短、3中(ホワイト)、5長(ウエルシコロル)
(38) がくの色
  1淡緑、2緑(ホワイト)、3濃緑、4淡紫、9その他
(39)雌ずいの色= 花冠柱頭の色
    RHS カラーチャート色票番号による
(40)雄ずいの色= 花冠花糸の色
    RHS カラーチャート色票番号による
(41) 葯の色=花冠の葯の色
    RHS カラーチャート色票番号による
(42)花柄の長さ= 開花盛期における平均的な花柄の長さ
  1短(オレンジ)、3中、5長(エクアドルピンク Ecuador Pink)
(43) 果実の形 fruit shape
  1球形globular 、2卵形ovate、3紡錘形spindle-shaped (ホワイト)、4長紡錘形long spindle-shaped
(44)花数=1開花期間における株あたり開花総数
   3少、5中(ホワイト)、7多(マウントフジ Mt,Fuji)
(45)花の香り=開花直後の花の香りの有無
   1無(サングイネア)、9有(ホワイト)
(46)開花習性=通常の栽培条件下での開花習性
   1四季咲き perpetual(ホワイト) 、2ニ季咲き two season flowering (サングイネア Sanguinea)
(47)開花期間=1開花期間の開花日数
  1短、3中(ホワイト)、5長(オレンジ)
TOP Back