カナビキソウ 鉄引草

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Flora of Mikawa

ビャクダン科 Santalaceae カナビキソウ属

中国名 百蕊草 bai rui cao
学 名 Thesium chinense Turcz.
カナビキソウの花
カナビキソウの花
カナビキソウの花横
カナビキソウの茎
カナビキソウの果実
カナビキソウ
カナビキソウ果実
カナビキソウ乾いた果実
カナビキソウの葉
花 期 4~6月
高 さ 10~25㎝
生活型 多年草
生育場所 草地
分 布 在来種 北海道(南部)、本州、四国、九州、沖縄、朝鮮、中国、台湾、モンゴル
撮 影 幸田町  07.4.28
葉緑素を持ち、他の植物の根に寄生する半寄生植物。葉は互生し、長さ15~35㎜、幅0.5~1.5㎜の線形、先が尖り、やや白っぽく見える。花は総状花序のように多数つき、直径約4㎜。葉状の苞が1個つき、苞に続いて長さ2~6㎜の線形の小苞が2個つく。小花柄は長さ3.5㎜以下、ときに無柄。花被は淡緑色、長さ2.5~3㎜の筒状、先が4~5裂して開出し、裂片は三角形、内側が白色。雄しべ5個、花被から突き出ない。果実は淡緑色~淡褐色、長さ2~2.5㎜の楕円状壺形、先に萼が宿存する。核は長さ約2.2㎜の惰円形、表面に網目状の隆起がある。果実は果肉が薄く、落ちて乾くと表面に網目状のしわができる。

カナビキソウ属

  family Santalaceae - genus Thesium

 多年草または一年草、細く、ときに亜低木、しばしば草の根の半寄生植物、±常緑。茎は緑色。葉は互生し、普通は無柄で、普通、線形、ときに鱗片状になり、1~3本の脈があり、側脈は見えない。花序は明らかに頂生であり、普通、総状花序状、しばしば円錐花序になり、それほど頻繁ではないが腋生(または腋生で花が単生)。苞と小苞は葉状、ときに、花柄に部分的に付着する。小苞は1個または2個が対生、まれに4個、ときに、欠く。花は両性、白色または黄緑色。花被筒は、子房に合着し、拡大部は鐘形、円筒形、漏斗形、または筒状で、普通、深く(4または)5裂し、裂片は敷石状、普通、各雄しべの後ろに毛の房がある。雄しべは(4または)5本、普通、裂片の基部にある。花糸は突き出ない。葯は卵形または楕円形で、葯室は平行で、縦に裂開する。花盤は上位、不明瞭または花被筒の基部に合着する。子房は下位、柄があるかまたは無柄。胚珠は2または3個、胎座の先から垂れ下がり、普通、屈曲性または波形になる。 花柱は長いかまたは短い。柱頭は頭状または不明瞭な3裂。果実は小さな堅果、先に花被が宿存し、外果皮が乾き、膜質[まれに肉質]、内果皮は骨質またはわずかに硬く、普通、うねがあり、胚乳は肉質、中央に胚があり、直立またはわずかに曲がり、普通、斜め、円柱形、幼根は子葉と同じ長さかそれよりわずかに長い。
 世界に約330種があり、温帯~熱帯のアジア、ヨーロッパ、アフリカ、オーストラリアに分布し、熱帯および温帯の南アメリカに数種分布する。

カナビキソウ属の主な種と園芸品種

1 Thesium chinense Turcz. カナビキソウ 鉄引草
 北海道(南部)、本州、四国、九州、沖縄、朝鮮、中国、台湾、モンゴル原産。中国名は百蕊草 bai rui cao。草地に生える。
 多年草、高さ510~25㎝。葉緑素を持ち、他の植物の根に寄生する半寄生植物。葉は互生し、長さ15~35㎜、幅0.5~1.5㎜の線形、先が尖り、やや白っぽく見える。花は総状花序のように多数つき、直径約4㎜。葉状の苞が1個つき、苞に続いて長さ2~6㎜の線形の小苞が2個つく。小花柄は長さ3.5㎜以下、ときに無柄。花被は淡緑色、長さ2.5~3㎜の筒状、先が4~5裂して開出し、裂片は三角形、内側が白色。雄しべ5個、花被から突き出ない。果実は淡緑色~淡褐色、長さ2~2.5㎜の楕円状壺形、先に萼が宿存する。核は長さ約2.2㎜の惰円形、表面に網目状の隆起がある。果実は果肉が薄く、落ちて乾くと表面に網目状のしわができる。花期は4~6月。

2 Thesium longifolium Turcz. ナガバカナビキソウ 
 中国原産。中国名は长花百蕊草 chang hua bai rui cao

3 Thesium refractum C.A.Mey. カマヤリソウ 鎌槍草
  synonym Thesium repens auct. non Ledeb.
 日本(本州、四国、九州、沖縄)、韓国、中国、カザフスタン、キルギスタン、モンゴル、ロシア原産。中国名は急折百蕊草 ji zhe bai rui cao。別名はハイカナビキソウ。
 多年草。根茎は真っすぐで、かなり強い。 茎は直立または斜上、高さ20~40㎝。葉は無柄、披針形、長さ30~50㎜×幅2~2.5㎜、両側に皺があり、普通、1脈があり、基部は狭まるが、沿下せず、先は普通、鈍形。 花序は総状花序状、しばしば枝分かれし、特に先近くでジグザグになり、葉腋ごとに花が1個つく。苞は花柄の先につき、開出し、葉状、長さ6~8㎜。花柄は傾伏し、花後に徐々に後屈し、細く、長さ5~7㎜、うねがある。小苞は2個、苞よりわずかに短いか、または長い。花被は5数性、白色、長さ5~6㎜、筒部は筒状または広い漏斗形、裂片は線状披針形。雄しべは5個、突き出ない。子房の柄は非常に短い。花柱は円柱形、突き出ない。堅果は楕円形または卵形、長さ約3㎜×幅2~2.5㎜、5~10本の目立たない縦脈(または隆起)があり、うねはときに分岐する。花被は宿存し、長さ約1.5 mm、果実の柄は長さ1cm以下、成熟した果実では後屈する。花期は7月。果期は9月。

参考

1) Flora of China
 Thesium
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=132808
2) Plants of the World Online| Kewscience
 Thesium
https://powo.science.kew.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:36256-1
3) World Flora Online
 Thesium
http://worldfloraonline.org/taxon/wfo-4000038188;jsessionid=E82ECF22AF480F2B9A45C73A8781139E