カイノキ  楷樹
[別名] カイジュ、ランシンボク(爛心木)、トネリバハゼノキ、トネリコバハゼ、ナンバンハゼ(南蛮櫨)、クシノキ(孔子の木)
[中国名] 黄连木 huang lian mu
[英名] Chinese pistache , Chinese pistachio
[学名] Pistacia chinensis Bunge
ウルシ科 Anacardiaceae  カイノキ属
三河の植物観察
カイノキの枝先
カイノキの葉裏
カイノキ幹
カイノキ幹2
カイノキ
カイノキ小葉
カイノキの果実
 カイノキは中国、台湾原産のウルシ科の栽培種。紅葉が美しい。同じカイノキ属にナッツのピスタチオの木がある。写真は閑谷(しずたに)学校の巨木、紅葉の時期にわずかに果実が残っていた。頂小葉が先に落ちたのか、偶数羽状複葉に見える葉がある。
 落葉高木、高さ20m以下。樹皮は暗褐色。葉柄は微細な毛があり、上部は平らになる。葉身は奇数羽状複葉、小葉は1~13個つき、対生。葉軸には条線があり、微細な毛がある。小葉柄は長さ1~2㎜。小葉の葉身は披針形~卵状披針形~まれに線状披針形、長さ5~10㎝×幅1.5~2.5㎝、紙質、基部は斜め、全縁、先は尖鋭形又は長い尖鋭形、両面の中脈と側脈に微細な毛があり、脈が目立つ。花は葉の展開前に生じる。雄花序は長さ6~7㎝、枝を束生する。雌花序は緩く、長さ15~20㎝、花序軸には微細な毛があり、花の苞は披針形、長さ1.5~2㎜、微細な毛がある。花柄は長さ約1㎜、微細な毛がある。雄花は2個の披針形の小苞と2個の線状披針形の花被片をもち、長さ約1.5㎜。雄しべは3~5個、花糸は長さ0.5㎜以下。葯は長円形、長さ約2㎜。退化雌しべは無い。雌花は2~4個の線状披針形の小苞と5個の卵形~長円形の花被片をもち、長さ0.7~1.5㎜×幅0.5~0.7㎜。子房は球形、直径約0.5㎜、無毛。柱頭は太く、赤色。核果は倒卵状球形、わずかに扁平、直径約5㎜、乾いた状態では縦に条線がある。花期は3~5月。果期は8~11月。
[花期] 3~5月
[高さ] 10~20m
[生活型] 落葉高木
[生育場所] 栽培種
[分布] 外来種  中国、台湾原産
[撮影] 岡山県備前市(閑谷学校) 19.11.15

 カイノキ属

 family Anacardiaceae - genus Pistacia

 高木又は低木、落葉性。葉は偶数又は奇数羽状、まれに3小葉又は単葉。小葉は全縁。花序は円錐花序。雄花は小さくなった花被が1~2深裂又は欠く。雄しべは3~5本、まれに7本。花糸は短く、花盤につく。葯は大きく、卵形。退化雌しべは小さいか又は無い。雌花は花被が減り2~5深列。仮雄しべは無い。花盤は小さく、又は無い。子房は上位、1室、1胚珠。花柱は短い。柱頭は3個、広がる。核果は熟すと赤色、先端がとがり、内果皮は骨質。種子は胚乳が無い。
 世界に約10種あり、地中海沿岸地域~アフガニスタン、東アジア、東南アジア、中央アメリカ、南アメリカに分布する。

 カイノキ属の主な種

 1  Pistacia chinensis Bunge カイノキ 楷樹
 中国、台湾原産。中国名は黄连木 huang lian mu 。英名はChinese pistache , Chinese pistachio。別名はカイジュ、ランシンボク(爛心木)、トネリバハゼノキ、トネリコバハゼ、ナンバンハゼ(南蛮櫨)、クシノキ(孔子の木)。
 落葉高木、高さ20m以下。樹皮は暗褐色。葉柄は微細な毛があり、上部は平らになる。葉身は奇数羽状複葉、小葉は1~13個つき、対生。葉軸には条線があり、微細な毛がある。小葉柄は長さ1~2㎜。小葉の葉身は披針形~卵状披針形~まれに線状披針形、長さ5~10㎝×幅1.5~2.5㎝、紙質、基部は斜め、全縁、先は尖鋭形又は長い尖鋭形、両面の中脈と側脈に微細な毛があり、脈が目立つ。花は葉の展開前に生じる。雄花序は長さ6~7㎝、枝を束生する。雌花序は緩く、長さ15~20㎝、花序軸には微細な毛があり、花の苞は披針形、長さ1.5~2㎜、微細な毛がある。花柄は長さ約1㎜、微細な毛がある。雄花は2個の披針形の小苞と2個の線状披針形の花被片をもち、長さ約1.5㎜。雄しべは3~5個、花糸は長さ0.5㎜以下。葯は長円形、長さ約2㎜。退化雌しべは無い。雌花は2~4個の線状披針形の小苞と5個の卵形~長円形の花被片をもち、長さ0.7~1.5㎜×幅0.5~0.7㎜。子房は球形、直径約0.5㎜、無毛。柱頭は太く、赤色。核果は倒卵状球形、わずかに扁平、直径約5㎜、乾いた状態では縦に条線がある。花期は3~5月。果期は8~11月。

 2  Pistacia lentiscus L.  マスティクス
 西アジア、ヨーロッパ南部、北アフリカ原産。英名はChios mastictree , lentiscus , lentisk , mastic , masticshrub , mastictree。
 葉から得られる製油(マスティクス葉油)は独特な渋みのある香りがあり、ハーブとして栽培されている。

 3  Pistacia terebinthus L.  テレビンノキ
 西アジア、アラブ、ヨーロッパ南部、北アフリカ原産。英名はCyprus-turpentine , terebinth , turpentine-tree
 幹に傷をつけ、滲み出る樹液から緑色透明で芳香のあるテレビン油を採取し、利用した。

 4  Pistacia vera L.  ピスタチオ
 中央アジア(カザフスタン、キルギスタン、タジキスタン、トルクメニスタン、ウズベキスタン)、西アジア(アフガニスタン、イラン)原産。英名はgreen-almond , pistachio。中国名は阿月浑子 a yue hun zi、ナッツのピスタチオは開心果 kai xin guo。
 落葉小高木又は低木、高さ5~7(10)m。小枝は丈夫、円筒形、条線があり、帯灰色の微軟毛があるか又は無毛に近く、突き出た小さな皮目があり、若い枝にはしばしば、毛がある。葉は奇数羽状複葉、互生、長さ10~20㎝。小葉は3~5(普通3)枚、葉柄は平ら、翼は無いか又は狭い翼があり、微軟毛があるか又は無毛に近い。小葉は革質、卵形~広楕円形、長さ4~10㎝×幅2.5~6.5㎝。頂小葉は大きく、先は鈍形~鋭形、微突形、基部は広楔形、円形、又は切形。側小葉は、しばしば基部が非対称、全縁、ときにわずかに翼があり、葉の上面は無毛、わずかに光沢があり、下面にはまばらに軟毛がある。小葉は無柄又はほぼ無柄。円錐花序は長さ4~10㎝。花序軸と枝は有毛、条線がある。雄花序は幅が広く、密集する。雄花は花被片が(2~) 3~5 (~6)個、長円形、大きさは変化し、長さ (1~) 2~2.5㎜、膜質、縁にカールした縁毛をもつ。雄しべは5~6本、長さ2~3㎜。雌花は花被片が3~5 (~9)個、長円形、長さ(1~) 2~3 (~4~5)㎜、膜質、縁にカールした縁毛をもつ。子房は卵形、長さ約1㎜。花柱は長さ約0.5㎜。果実は大きく、長楕円形、長さ1.2~3㎝×幅1~1.2㎝、先が鋭形、先端が細く(微突頭)、熟すと黄緑色~ピンク色になる。 花期は5月から。
品種) 'Kerman' , 'Napoletana' , 'Peters'

 5  Pistacia weinmanniifolia J.Poisson ex Franch.  セイコウボク
 中国、ミャンマー原産。中国名は清香木 qing xiang mu


 参考

1) Flora of China
   Pistacia
  http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=125608
2) GRIN
  Pistacia
  https://npgsweb.ars-grin.gov/gringlobal/taxonomygenus.aspx?id=9448
3)Pistacia vera in Flora of Pakistan @ efloras.org
 Pistacia vera L.
 http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=5&taxon_id=200012704
4)Pistacia vera - Malta Wild Plants
 Pistacia vera (Pistacio Tree)
 http://www.maltawildplants.com/ANCR/Pistacia_vera.php
5) 中国植物志
 Pistacia vera L.
 http://frps.iplant.cn/frps/Pistacia%20vera
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