イザヨイバラ 十六夜薔薇

mark

Flora of Mikawa

バラ科 Rosaceae バラ属

中国名 缫丝花 sao si hua
英 名 chestnut rose , chinquapin rose
学 名 Rosa roxburghii Trattinnick f. roxburghii
Rosa roxburghii Trattinnick
イザヨイバラ頭花
イザヨイバラ頭花2
イザヨイバラ総苞
イザヨイバラ托葉
イザヨイバラ刺
イザヨイバラ
イザヨイバラ葉表
花 期 3~7月
高 さ 1~2m
生活型 落葉低木
生育場所 栽培種
分 布 帰化種 中国原産の園芸種
撮 影 浜松市   15.5.22
花が八重で、花弁が密集し、一部欠けるため、これを十六夜の月にたとえたのが名の由来。
 高さ1~2.5m。樹皮は灰褐色、小枝は斜上~広がり、紫褐色、円柱形、縁に対の小刺があり、小刺はほぼ真っすぐ、やや平たく、急に狭くなり、基部が広い。葉は葉柄を含めて長さ5~11㎝。托葉はほとんど葉柄につき、分離した部分は錐形、、縁に腺のある毛をもち、葉軸や葉柄は小さな刺が散在する。小葉は9~15個、楕円形又は長楕円形、まれに倒卵形、長さ1~2㎝×幅0.6~1.2㎝、無毛、下面は脈が目立ち、網脈も明瞭、基部は広楔形、縁は鋭い、単鋸歯、先は鋭形又は円状鈍形。花は単生、又は枝先に2~3個、束生し、直径4~6㎝。花柄は短い。苞は2又は3個つき、小さく、縁には腺毛がある。花托筒は扁球形、剛毛が密生する。咢片は5個、普通、広卵形、外面は密に刺があり、内側は綿毛があり、羽状に分裂し、先は尖鋭形。花弁は5個、芳香があり、ピンク色~ローズ紫色~帯赤色、倒卵形。心皮は花托筒の基部の広がった円環面の上にある。花柱は離生、突き出ず、雄しべより短く、有毛。ヒップは緑赤色、扁球形、直径1.5~2㎝、刺が密にあり、直立した咢片が宿存する。食べられ、栄養価が高い。花期は3~7月。果期は8~10月。
 以下の2品種がある。
1 Rosa roxburghii Trattinnick f. roxburghii イザヨイバラ
 中国名は 缫丝花
 花が八重~半八重、直径5~6㎝、花の一部が欠ける。
2 Rosa roxburghii Trattinnick f. normalis Rehder & E. H. Wilson ヒメサンショウバラ 
 中国名は单瓣缫丝花。英名はSingle Chestnut Rose。
 花がピンク色、一重、直径4~6㎝。中国から古い時代に渡来したとされ、イザヨイバラの原型とされている。サンショウバラともいわれることがあるが、サンショウバラはRosa hirtula。
 貝原益軒の『花譜』(1694, 中巻)にはヲランダイバラ(繅絲花)、宝永6年(1709年)刊の『大和本草』(大和本草巻之十二 木之下)ラザイバラ(いざよいばら)、元禄8(1695年)の花壇地錦抄には12種のバラが掲載され、山桝荊(サンショウイバラ)や「らうざ」などその中にある。花譜の繅絲花(をらんだいばら)は中国名の缫丝花と一致し、イザヨイバラであろうとされている。これらからザヨイバラは江戸時代頃に渡来したと推定されている。Flora of China やGRINでは日本も原産地としている。