ヒナソウ 雛草

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Flora of Mikawa

アカネ科 Rubiaceae ヒナソウ属

別 名 トキワナズナ 常盤薺
英 名 azure bluet , little bluet , common bluets , innocence , quaker ladies
学 名 Houstonia caerulea L.
ヒナソウの花
ヒナソウの花2
ヒナソウの咢片
ヒナソウの茎葉
ヒナソウの茎
ヒナソウ
ヒナソウの花横
ヒナソウの葉
花 期 3~5月
高 さ 3~5(7.5~15)㎝
生活型 多年草
生育場所 栽培種
分 布 外来種  北アメリカ原産
撮 影 西尾市  21.3.1
日本には観賞用として昭和の末期に輸入された。現在では野生化したものもみられる。
 小型の多年草。高さ3~5(7.5~15)㎝。葉は基部でロゼットになり、花茎に対生の茎葉が1~2個つく。根生葉は長さ約1.3㎝、緑色 楕円形~倒披針形、無毛、全縁。茎は不分枝、薄緑色、4稜形、無毛、多少、直立する。茎葉は間隔を広く開け、長さ約6mm、 緑色、線状披針形、無毛、無柄、全縁。各茎頂に花を1~2個つける(普通、1個)。花柄は細く、薄緑色で無毛。花は直径約10mm。 咢は筒形、薄緑色、咢片は4個、線形。花冠は細い筒形、花弁状の裂片が4個。雄しべは4本。雌しべは花柱が1本、先は2分岐。 花弁は淡青紫色(まれに、白色)、卵形、開出し、基部は黄色。花は2型あり、長い雄しべと短い花柱、もう1型は短い雄しべと 長い花柱をもつ。両型とも雄しべや花柱は花冠の内部又はかろうじて見える口部につく。花期は晩春、約3週間。蒴果は幅約 3mm、数個の小さな種子を含む。種子には微細なつぶつぶがある(拡大すると)。野生では浅いひげ根と細い根茎があり、花が 房状になる。

ヒナソウ属

  family Rubiaceae - genus Houstonia

 1年草又は多年草。叢生又は根茎をもつ。メキシコ~USAを通り、カナダ東部に分布する。葉は対生 (Houstonia acerosa(A.Gray) Benth.& Hook.fでは3~4輪生)。花序は頂生又は腋生の集散花序。花は 長い花柄をもち、等花柱性又は異花柱性、4数性。花冠は高杯形又は漏斗形。蒴果は2室、胞背裂開で たまに2次的に胞間裂開する。これらの特性が属の同定の助けになるが、系統を決める1次的な特性では ない。Houstoniaは2つの亜属に分けられ(Houstonia とChamisme)、各亜属は種子の特性、染色体数及び 花粉の口型に基づく2節(section)に分けられる(Lewis 1962;Lewis 1965; Terrell 1996)。両亜属は 噴火口状の種子(crateriform seed)型であり、複合の類似属との区別に主に使われる。ハシカグサ属 (Neanotis W.H. Lewis, Ann.)は別として、ヒナソウ属だけが噴火口状の種子をもち、これは以前に Hedyotideae tribe(Terrell 1996)として定義された。1番目の亜属 HoustoniaはHoustoniaとMullera 節に分けられる。Houstonia節はcaeruloid seedsをもつ。caeruloid seedsは腹側腔(ventral cavit) にへそのうね(hilar ridge)やへその傷跡(hilar scar)がない。染色体数は5種中の4種がx=8である。 Houstonia procumbensの1種がx=7である。Houstonia節のすべての種の花粉はcolporate type B口型 をもつ。Mullera節は唯一の種がHoustonia roseaである。種子が背腹側で扁平、へそうねをもち、 染色体数はx=8であり、colporate type Bkahun花粉口型である。Houstonia roseaもまた、花粉が 最も小さく、4開口花粉をもち、Houstonia属の他の種は3開口花粉をもつ((Terrell 1996))。Chamisme 亜属はAmphiotis節とEricotis節を含み、Houstonia roseaと特性が似ている。背腹側が扁平で腹側が 凹み、へそうねが狭い。花粉はHedyotideaeの他の種に見られない特性をもつ。Amphiotis節は4種の 多年草を含み、USAの中部~東部、カナダに分布する。染色体数は全ての種がx=6である。Ericotis節 は5種の多年草と5種の1年草を含み、USA南西部とメキシコ北部に分布し、染色体数はx=11である(参考2)
 以前は多くの種が含められていたが、Hedyotis属を含む他の属に分離された。  世界に約24種あり、北アメリカに分布する。

ヒナソウ属の主な種と園芸品種

1 Houstonia caerulea L.  ヒナソウ 雛草
  synonym Hedyotis caerulea (L.) Hook.br>  北アメリカ(USA、カナダ)原産。英名はazure bluet , bluets , innocence , quaker ladies。日本には観賞用として昭和の末期 に輸入された。現在では野生化したものもみられる。
 小型の多年草。高さ3~5(7.5~15)㎝。葉は基部でロゼットになり、花茎に対生の茎葉が1~2個つく。根生葉は長さ約1.3㎝、緑色 楕円形~倒披針形、無毛、全縁。茎は不分枝、薄緑色、4稜形、無毛、多少、直立する。茎葉は間隔を広く開け、長さ約6mm、 緑色、線状披針形、無毛、無柄、全縁。各茎頂に花を1~2個つける(普通、1個)。花柄は細く、薄緑色で無毛。花は直径約10mm。 咢は筒形、薄緑色、咢片は4個、線形。花冠は細い筒形、花弁状の裂片が4個。雄しべは4本。雌しべは花柱が1本、先は2分岐。 花弁は淡青紫色(まれに、白色)、卵形、開出し、基部は黄色。花は2型あり、長い雄しべと短い花柱、もう1型は短い雄しべと 長い花柱をもつ。両型とも雄しべや花柱は花冠の内部又はかろうじて見える口部につく。花期は晩春、約3週間。蒴果は幅約 3mm、数個の小さな種子を含む。種子には微細なつぶつぶがある(拡大すると)。野生では浅いひげ根と細い根茎があり、花が 房状になる。
品種) 'Millard's Variety'

2 Houstonia longifolia Gaertn.
 北アメリカ(USA、カナダ)原産。英名はlongleaf bluets。

3 Stenaria nigricans (Lam.) Terrell
  synonym Houstonia nigricans (Lam.) Fernald
 北アメリカ(USA、メキシコ)原産。英名は baby's breath

4 Houstonia purpurea L.
 北アメリカ(USA)原産。英名はQuaker bonnet

5 Houstonia serpyllifolia Michx.
  synonym Hedyotis michauxii Fosberg
 北アメリカ(USA)原産。英名はcreeping bluets
品種) 'Fred Mullard'

参考

1) Illinois Wildflowers
 Houstonia caerulea  
https://www.illinoiswildflowers.info/prairie/plantx/quaker_ladies.htm
2) Old Dominion University ODU Digital Commons 2015
 Molecular Phylogeny of the Genus Houstonia and Allies in Rubiaceae  
https://digitalcommons.odu.edu/cgi/viewcontent.cgi?article=1002&context=biology_etds
3) GRIN
 Houstonia  
http://www.tn-grin.nat.tn/gringlobal/taxonomylist?category=species&type=genus&value=Houstonia&id=5814
4)Plants of the World Online | Kew Science
 Houstonia  
http://www.plantsoftheworldonline.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:30006515-2