ハマボウフウ 浜防風

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Flora of Mikawa

セリ科 Apiaceae  ハマボウフウ属

中国名 珊瑚菜 shan hu cai
英 名 beach silvertop
学 名 Glehnia littoralis (A.Gray) F.Schmidt ex Miq.
ハマボウフウの花序(果期)
ハマボウフウの果実
ハマボウフウの小葉の表
ハマボウフウの葉裏の鋸歯
ハマボウフウ
ハマボウフウ春
花 期 6~8月
高 さ 20~70cm
生活型 多年草
生育場所 海岸の砂地
分 布 在来種  日本全土、朝鮮、中国、台湾、ロシア
撮 影 豊橋市  02.6.8
高さ20~70cmの植物。 直根は細長い、円筒形または紡錘形、長さ20~70cm×幅0.5~1.5cm、黄白色。 茎の上部、花序、葉柄には長い軟毛がある。根生葉と下部の葉は長い葉柄が長さ5~15cm。葉身は広卵形、1~2回3出複葉。最終裂片は長円形~広倒卵形、長さ1~6cm×幅0.8~3.5cm、脈がザラつき、縁は欠刻状鋸歯があり、白色の軟骨質の縁をもち、先は鈍円形、質が厚く、両面に光沢がある。散形花序は直径3~6cm。花序柄は長さ2~6 cm。大散形花序の枝は8~16本、長さ1~3 cm、不等長。小苞は線状披針形。花柄は15~20本。花は白色の5弁花。萼歯は長さ0.5~1㎜。果実は丸く固まってつき、長さ6~13㎜×幅6~10㎜、倒卵形、わずかに扁平、隆条はコルク質の厚い稜となり、細毛に覆われる。花期および果期は6~8月。2n=22(n=11)。
 北アメリカには亜種のアメリカハマボウフウ(subsp. leiocarpa)がある。

ハマボウフウ属

  family Apiaceae - genus Glehnia

 多年草、全体に白色の毛がある。茎は強く、短く、枝分かれする。葉は長い葉柄があり、基部は鞘になる。葉身は1~2回3出複葉。 複散形花序、頂生および側生、密集する。苞はない、大散形花序の枝(ray)は不等長。小苞は数個、披針形。小散形花序は類頭状。花柄は不明瞭。萼歯は小さく、卵状披針形。 花弁は白色または紫赤色、卵状披針形、下面は毛があり、先は内曲する。柱下体は短い円錐形。果実は倒卵形~ほぼ球形、背側はわずかに扁平、密に粗毛とビロード状毛がある。隆条はすべて、コルク質の翼であり、等しく、又は側隆条は背隆条よりわずかに幅が広い。油管は各溝に1~3個、合成面に2~6個。種子は表面がほぼ平坦。分果柄(carpophore)は2分岐。
 世界に2種(1種、1亜種)あり、東アジア、北アメリカに分布する。

ハマボウフウ属の主な種と園芸品種

1 Glehnia littoralis (A.Gray) F.Schmidt ex Miq. ハマボウフウ 浜防風
  synonym Cymopterus littoralis A.Gray
 日本全土、朝鮮、中国、台湾、ロシア原産。中国名は珊瑚菜 shan hu cai。英名はbeach silvertop。海岸の砂地に生える。
 高さ20~70cmの植物。 直根は細長い、円筒形または紡錘形、長さ20~70cm×幅0.5~1.5cm、黄白色。 茎の上部、花序、葉柄には長い軟毛がある。根生葉と下部の葉は長い葉柄が長さ5~15cm。葉身は広卵形、1~2回3出複葉。最終裂片は長円形~広倒卵形、長さ1~6cm×幅0.8~3.5cm、脈がザラつき、縁は欠刻状鋸歯があり、白色の軟骨質の縁をもち、先は鈍円形、質が厚く、両面に光沢がある。散形花序は直径3~6cm。花序柄は長さ2~6 cm。大散形花序の枝は8~16本、長さ1~3 cm、不等長。小苞は線状披針形。花柄は15~20本。花は白色の5弁花。萼歯は長さ0.5~1㎜。果実は丸く固まってつき、長さ6~13㎜×幅6~10㎜、倒卵形、わずかに扁平、隆条はコルク質の厚い稜となり、細毛に覆われる。花期および果期は6~8月。2n=22(n=11)。

1-1 Glehnia littoralis subsp. leiocarpa (Mathias) Hultén アメリカハマボウフウ 亜米利加浜防風
  synonym Glehnia leiocarpa Mathias
 北アメリカ(USA、アラスカ)原産。英名は American silvertop。海岸に生える。
 多年草。高さ5~30㎝。直根をもち、低く平伏し、広がり、まばらに微軟毛~綿毛がある。葉は肉質。葉柄は長さ2.5~15㎝。葉身は幅2.5~15cm、広卵形、1~2回3出複葉または3出羽状複葉。小葉は幅0.5~5㎝、卵形、しばしば3裂し、鋸歯縁、上面は緑色、無毛または古くなると無毛、下面には白色の綿毛がある。花序は複散形花序、花序柄がある。苞は0~少数。小苞は数個、披針形、先は長い尖鋭形。大散形花序の枝は5~15本、長さ0.5~4.5㎝、丈夫、毛がある。花柄は無い。萼片は微細。花弁は広披針形、白色、先が狭くなる。子房の先端の突起は無い。果実は長さ4~12㎜、長円形~円形、前後に扁平、無毛からまばらに綿毛がある。隆条はほぼ等長、目立つコルク質の翼がある。油管は隆条の間ごとに数本つき、大きい。果実の軸は基部まで分割される。種子は表面が凹面。2n=22。花期は5~6月。

参考

1) Flora of China
 Glehnia
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=113624
2) Plants of the World Online | Kew Science
 Glehnia
http://powo.science.kew.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:40029-1
 Glehnia littoralis (A.Gray) F.Schmidt ex Miq.
http://powo.science.kew.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:842779-1
3) World Flora Online
 Glehnia
http://www.worldfloraonline.org/taxon/wfo-4000015734
4) The Jepson Herbarium
 Glehnia littoralis subsp. leiocarpa
https://ucjeps.berkeley.edu/eflora/eflora_display.php?tid=50840