クフェア・ランケオラータ    
[中国名] 披针叶萼距花 pi zhen ye e ju hua
[英名] bat-faced cuphea , lance-leaved cvphea
[学名] Cuphea lanceolata W.T.Aiton
ミソハギ科 Lythraceae  タバコソウ属
三河の植物観察
クフェア・ランケオラータの花序
クフェア・ランケオラータの花
クフェア・ランケオラータの花2
クフェア・ランケオラータの葉
クフェア・ランケオラータ
クフェア・ランケオラータ咢
 クフェア・ランケオラータ はタバコソウ属の園芸種。タバコソウ属はアメリカ大陸の暖温帯~熱帯に約260種が分布する。クフェア・ランケオラータ はメキシコ原産。英名はbat-faced cuphea , lance-leaved cvphea。中国名は披针叶萼距花。1年草、暑さに強く、水はけの良い土を好む。高さ45~60㎝。全体に腺毛がある。茎は分枝し、葉は対生する。葉身は長さ7㎝以下。花は筒形、筒部の長さ15~25㎜、暗紫色(暗ライラック色又はチェリーレッド色)、咢は細長い筒型、小さな咢片がある。花弁は6個。上部の2個の花弁は大きく、耳形、他の4個は小さい。果実は蒴果。花期は6~8月。
 ネバリクフェア Cuphea viscosissima とよく似ている.。C. viscosissimaは自家受粉であり、USの南東部に固有である。C lanceolataは自家和合性であり、メキシコ中部の中央高原に固有である。両種ともに2n=2x= 12であり、似た花粉形態をもつ。両種の花は左右相称、2個の背弁と4個の腹弁をもち、子房周位(perigynous)である。両種は花筒の長さ、花弁の大きさと花弁の色が大きく異なる。 C. viscosissima は花筒の長さが8~12㎜、花弁の色が淡紫色。C. lanceolataは花筒の長さが15~25㎜、花弁は全体が暗紫色又は縁が淡紫色。
 写真のものは葉の幅が広く、名前とが合致しないが、花からクフェア・ランケオラータとした。茎の上部の葉は披針形。雄しべ2本が突き出る。咢の上部の咢片1個だけが大きく、白色、大きな2個の花弁の間にある。
[花期] 6~8月
[草丈] 45~60㎝
[生活型] 1年草
[生育場所] 栽培種
[分布] 外来種  メキシコ原産
[撮影] 西尾市  17.6.20

  タバコソウ属

  Family: Lythraceae - genus Cuphea
 
 1年草、多年草又は亜低木、低木。葉は普通、十字対生、まれに互生又は輪生、全縁又はまれにほぼ全縁。花は6数性、左右相称、単一形(monomorphic)、単生又は総状花序につき、ときにVerticels(節ごとに輪生する)につく。花柄は腋生というよりは、普通、葉柄間(interpetiolar)につく。小苞は2又は0個。咢筒は ±曲がり、うねがあり、基部に袋又は距があり、しばしば色がつき、斜めになり、普通、各咢片の間に1個の萼状総苞( epicalyx)がある。花弁は6個、まれに少数又は無く、不等形、短い爪部があり、咢筒の拡大部近くにつく。雄しべは6~14個、まれに少なくなり、咢筒の上1/2につき、突き出ないか又は突き出る。子房の基部の花盤は腺があり、非対称。子房は無柄、2室だが、しばしば早く、隔壁が消える。胚珠は各室に2~多数。柱頭は2裂。蒴果は咢に包まれ、縦に裂開する。虫媒花又は鳥媒花(C. ignea 'David Verity' , C. micropetali など)
 世界に約260種がある。アメリカ大陸の暖温帯~熱帯に分布する。
 花の観賞用に栽培されるほか、種子からクフェア油(cuphea oil)を採取するため、栽培されている。クフェア油はココナッツオイルのように中鎖脂肪酸を多く含み、中鎖脂肪酸は消化が良く、太らない脂肪とする説もある。Cuphea属の種子が新しい食用油原料として注目され、USAを中心に栽培、研究が進められている。

  タバコソウ属の主な種と園芸品種

 1  Cuphea carthagenensis (Jacq.) J.F.Macbr.  ネバリミソハギ
 メキシコ、南アメリカ原産。英名はColombian waxweed , Columbian cuphea , tarweed
 種子油にラウリン酸を80%含む。
 2  Cuphea cyanea Moc. et Sesse  ヒメホクシャ
 メキシコ原産。英名はblack-eyed cuphea , Caribbean-sunset , copper-cricket
 1年草又は亜低木、常緑、柔らかい木質、普通、高さ60㎝以下、大きくなると2m以下。、
花期晩春~秋。花は筒形、淡橙色、先が橙色、花弁が無い。品種の'Pink Mouse'は花がピンク色、先が黄色、小さな褐色の小さな花弁があり、ネズミの顔に似ている。
 品種) Pink Mouse(先が黄色) , 'Shrimpy'
 3  Cuphea hyssopifolia Kunth  メキシコハナヤナギ
 メキシコ、グアテマラ、ホンジュラス原産。英名はfalse heather, Mexican heather, Hawaiian heather , elfin herb
 小さな密集する低木、高さ約50㎝以下、多数、分枝する。茎は紫色を帯び、若い時に角(かど)があり、密に小さな微軟毛とはるかに長い紫色の前向きの毛をもつ。葉はほぼ無柄又は長さ1㎜以下。葉身は長さ7~25㎜、幅2~5㎜、線形~狭い楕円形、下面の脈に短い伏した前向きの毛がある以外は無毛、縁は全縁、わずかに外巻きする。葉の基部は円形、葉先は鈍形。花は対生する葉柄間につき(interpetiolar)、普通、上部の葉に1~2個つく。花柄は長さ3~6㎜、短い前向きの毛がある。咢筒は緑色、長さ5~6㎜、12脈があり、内側の上部に毛があり、基部の後側が凸円形に膨れる(gibbous)。咢片は長さ約0.5㎜、広三角形。花はトランペット形、花弁は6個、長さ3~4㎜、広楕円形、マゼンタ色。花糸は密に毛がある。花柱は長さ1.2~1.5㎜、±微軟毛がある。種子は扁平、直径1.2~1.5㎜、広楕円形~類円形、パピラがあり、表面に竜骨がある。花期は6~12月
 品種)  'Alba' , Itsy Bitsy = 'Monga' , 'Kkcuphls' , Lemon Squash = 'Kkcuphls' , 'Magenta Border' , 'Riverdene Gold' , 'Rob's Mauve' , 'Rosea' , 'Rosegarden' (PBR) , 'Southern Border' (PBR) , 'Ung Cu03' (PBR) , 'Ung Cu13' (PBR) , 'Ung Cu14' (PBR) , 'Ung Cu15' (PBR) , 'Ung Cu16' (PBR) , 'Ung Cu21' (PBR) , 'Ung Cu22' (PBR)
 4  Cuphea ignea A.DC.  タバコソウ(ベニチョウジ)
 メキシコ、西インド諸島原産。英名はcigar plant , cigar flower , firecracker plant,Mexican cigar。
 常緑亜低木、密に分枝し、高さ60~90㎝、幅もほぼ同じ。茎は細く、半木質、毛があり、脆い。葉は対生する。葉身は披針形~卵形、長さ2.5~4㎝、幅0.6~1.3㎝、暗緑色、先は鋭形。花は葉腋につき、細い筒形、明るい赤色、長さ2.5~3.2㎝、咢の先の内側と外側が紫黒色になり、上側の咢片の内側が白色になる。花弁は無い。雄しべと雌しべの先は咢筒から突き出る。花糸は紫黒色。花期は5~11月。
 品種) 'Alba' , 'Eiszapfen' , 'Matchless' , 'Triple C' ,'Variegata' (v)
 5  Cuphea lanceolata W.T.Aiton クフェア・ランケオラータ
 メキシコ原産。英名はbat-faced cuphea , lance-leaved cvphea。中国名は披针叶萼距花
 Cuphea viscosissima とよく似ている
 1年草、水はけの良い土を好む。高さ45~60㎝。全体に腺毛がある。茎は分枝し、葉は対生する。葉身は長さ7㎝以下。花は筒形、筒部の長さ15~25㎜、暗紫色(暗ライラック色又はチェリーレッド色)、咢は細長い筒型、小さな咢片がある。花弁は6個。上部の2個の花弁は大きく、耳形、他の4個は小さい。果実は蒴果。花期は6~8月。
 品種) 'Purple Attraction' , 'Purple Passion'
 Cuphea lanceolata f. lanceolata
 Cuphea lanceolata f. silenoides
 Cuphea lanceolata var. silenoides
 6  Cuphea llavea Lex.  ヒメハナヤナギ
    synonym Cuphea miniata Brongn.  ヒメハナヤナギ
    synonymCuphea blepharophylla (S.F.Blake) L.Riley
 メキソコ原産。英名は bat-faced cuphea , tiny-mice , bat flower
 常緑の亜低木、、丸く育ち、高さと幅60~90㎝。1年だと30~45㎝程度。葉は暗緑色、卵形、長さ7.㎝以下、先が尖り、毛がある。花は長さ2.5㎝以下、咢は紫色。大きな赤色の2個の花弁が耳形に見え、基部が三角状に紫黒色になり、コウモリの顔に似ている。
 品種) 'Cardinal' , ‘Diablo’, 'Georgia Scarlet' , Tiny Mice® , 'Torpedo’, 'Red' , 'Rose' , The Sriracha™ series , 'Tiny Mice' , 'Vieburg' (PBR) , 'Vielav' (PBR) , 'Viepur' (PBR) , 'Violet'
 7  Cuphea micropetala Kunth  ハナヤナギ
 メキソコ原産。英名はcandycorn-plant ,cigarplant
  ハチドリ媒花。
 8  Cuphea pinetorum Benth.  ムラサキミソハギ
 メキシコ、グアテマラ、ホンジュラス原産。
 多年草、高さ50~150㎝。茎は基部の上で多数、分枝し、枝は堅く、斜上し、小さな毛がある。節間は下につく葉と同長又は短い。茎の中央部の葉は長さ20~55㎜、幅5~15㎜、茎の上や下では小さくなり、狭卵状披針形~線形、葉の基部は円形~類心形、低い位置の葉ではまれに尖り、先は鋭形~尖鋭形。 葉柄は長さ1.5㎜以下又は無。 茎葉は徐々に減少する。 花序は小苞があり、頂部の密散花序又は短枝の円錐花序に疎につく。各葉柄間に1個の花がつく。花柄は長さ3~7㎜。花筒は基部の長さ4㎜以下の膨らみを入れて長さ10~19㎜、鈍形、白色、古くなるとピンク色を帯び、腺剛毛と腺毛があり。付属体は長さ約0.5㎜、平坦、三角形。花弁は長さ6,5~12㎜、ほぼ等長、暗紫色、背部の2個は、下へ捻じれ、口部から離れる。雄しべは11個、約5個が突き出る。花盤は厚さ約1㎜、三角形、水平、基部に向かって広がる。 種子は6~8個、長さ約2㎜、幅約1.8㎜。2 n = 22.
 9  Cuphea procumbens Cav.  クサミソハギ
 メキシコ原産。creeping waxweed インド、ボリビアに帰化。中国名は平卧萼距花 。
 2年草、短命の亜低木、落葉。茎は立ち上がりは弱く、高さ20~40㎝、枝が長く伸びて這い、開出した腺毛があり、赤紫色、長さ20~60㎝、多数、分枝する。葉は対生、幅が狭く、長さ7センチ以下、縁はわずかに外巻きし、下面の中脈は明瞭、触るとわずかに粗く、無柄又はごく短い柄がある。茎上部の葉は次第に小さくなり、苞になり、花がつく。花序は総状花序。花は茎上部に集中し、対の葉の間に花が単生する。花柄は成長とともに長くなり、果時には垂れ下がる。小苞は2個、小さく、花の基部につく。花托筒は(花冠と咢の杯が合着して、花弁の下の筒のようである)長さ12~21㎜、基部に向かって狭くなり、基部は丸く、花柄の接合部でつきでる。花托筒の外側は黄色に紫色を帯び、暗紫色の肋があり、開出する赤紫色の毛があり、内側には雄しべの先端の上に毛がある。花托筒の先は6裂し、そのなかの1個が明瞭に長く、裂片の間に平らな緑色の付属体があり、それには少しの毛がある。花弁は6個、ほとんど等長、淡紫色、長さ8~12㎜、基部は非常に細くなる(爪部)。雄しべは11個、不等長、2個は長く、密に毛がある。果実は蒴果。種子は10~35個、長さ約2.5㎜。花期は6~10月。 n=9
 品種) 'Purple Star', 'Ri Reeda' Rico Red = 'Ri Reeda'
 10  Cuphea viscosissima Jacq.  ネバリクフェア(クフェア・ビスコシッシマ)
    synonym Cuphea petiolata (L.) Koehne
 US東部原産。英名はclammy waxweed , blue waxweed , clammy cuphea , tarweed。
 1年草、虫媒花又は鳥媒花。茎は直立し、木質になり、高さ15~60㎝、紫色を帯び、分枝は控えめ、全体に腺毛がある。葉は単葉、対生、長い葉柄がある。葉身は披針形~広披針形~卵形、長さ2~5㎝、全縁。花は上部の葉腋に単生又は双生、左右相称、筒形、筒部の長さ8~12㎜。花柄は短い。咢は細長い筒形(花托筒)、小さな咢片がある。花弁は6個、淡紫色(紫色、赤紫色、青色、紫色、ピンク色、赤色)、下側の4個は小さく、上側2個は大きく、長さ約8㎜。雄しべは(11~)12個。果実は蒴果、乾き、熟すと裂開する。花期は7~10月。2n=12。
 ※ Cuphea viscosissimaとCuphea lanceolataはよく似ている。C. viscosissimaは自家受粉であり、USの南東部に固有である。C lanceolataは自家和合性であり、メキシコ中部の中央高原に固有である。両種ともに2n=2x= 12であり、似た花粉形態をもつ。両種の花は左右相称、2個の背弁と4個の腹弁をもち、子房周位(perigynous)である。両種は花筒の長さ、花弁の大きさと花弁の色が大きく異なる。 C. viscosissima は花筒の長さが8~12㎜、花弁の色が淡紫色。C. lanceolataは花筒の長さが15~25㎜、花弁は全体が暗紫色又は縁が淡紫色。(Graham, 1988).

 11  ハイブリッド
11-1 Cuphea × purpurea (C. llavea x C. procumbens).
 品種)  'Avalon', 'Firefly' , 'Firecracker'
11-2 Cuphea 'David Verity' (C. ignea x C. micropetala)
11-3 Flamenco Samba™ (PP17823)( C. llavea x C. procumbens )

11-4 Cuphea 'Starfire Pink' (C. ignea x C. angustifolia)
 Cuphea lanceolataとされていることが多いが誤りと思われる。
11-5 (Cuphea viscosissima × Cuphea lanceolata )
 花は白色、種子は蒴果に6~20個、レンズ形、平滑、緑色又は褐色、長さ2.5㎜、幅2.2㎜、
11-6 その他品種
 品種) 'Cubro' , 'Cuco' (PBR) , Cuphoric Pink = 'Cunapibi' (PBR) , Cuphea 'Cunapibi'(PBR) , 'Cuped' (PBR) , 'Cubvi' (PBR) , 'Firecracker' , 'Harlequin' , 'Lilac Belle' , 'Mickey Mouse' , 'Plum Mist' , 'Purple Star' , 'Regal Purple' , 'Summer Medley' , Totally Tempted® , 'Torpedo' , The Vienco® series , 'Vienco Lavender'


 参考

1) vPlants - Cuphea viscosissima
  Cuphea viscosissima
 http://vplants.org/portal/taxa/index.php?taxon=57110&cl=VPlants
2) Flora of New Zealand | Taxon Profile | Cuphea hyssopifolia
 Cuphea P.Browne
  http://www.nzflora.info/factsheet/taxon/Cuphea.html
 Cuphea hyssopifolia Kunth
  http://www.nzflora.info/factsheet/taxon/Cuphea-hyssopifolia.html
3) Genetics and Cytogenetics of Cuphea Viscosissima X Cuphea Lanceolata Hybrid Populations
 [PDF]Genetics and cytogenetics of Cuphea viscosissima X Cuphea
 BrandtTinaL1992.pdf
 https://ir.library.oregonstate.edu/downloads/76537469j?locale=it
4) GRIN
 Species of Cuphea
  https://training.ars-grin.gov/gringlobal/taxonomylist.aspx?
   category=species&type=genus&value=Cuphea&id=3179

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